2010年03月30日 12時00分
酒に強い・弱いを唾液で評価、アサヒビールが開発
アサヒビールが開発したアルコール分解能力の『スピードチェック法』
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アサヒビールは29日、アルコールに強いか弱いかの体質チェックを簡便に行える『スピードチェック法』を開発したと発表した。被験者の唾液からDNAを抽出し、専用機器を使ってアルコール分解酵素の働きを解析するもので、所要時間約2時間、費用1000円未満で行える。一般へ向けての活用は現在のところ未定だが、同社は今後、このチェック法をグループ各社に入社する新入社員向け研修や、大学での適正飲酒セミナーに試験活用して適正飲酒への意識向上と啓発を促していく。
アルコールを飲むと、肝臓で“アルコール脱水素酵素”と“アルデヒド脱水素酵素”の2つが作用する。これら酵素の働きの強さは主として遺伝によって決まり、遺伝子の型の組み合わせによって異なるため、「酒に対する強弱」や「酒を飲んだ時の体調」に個人差があるとされている。
同社はこの判別法に着目し、遺伝子型の判別技術向上によるアルコール体質のチェック方法を研究。現在の体質チェックはアルコールを浸したガーゼを肌につけて反応をみるパッチテストや、髪の毛や血液からDNAを取り出す遺伝子型判別テストが一般的だったが、より手軽に、低コストで行えるうえに精度が高い新チェック法を開発した。
被験者自身がスポイトで唾液をDNA保存カードに滴下するだけという採取の手軽さや、番号が記載されたタグを用意することで無記名のまま提出できる匿名性の高さも特長で、同社は「個々人のアルコールに対する体質や飲酒の諸条件を踏まえて明らかにし、それを適正飲酒啓発につなげることで、飲酒による社会的・健康的諸問題の発生予防と、よりよい飲酒文化の構築を目指して研究を推進する」としている。