2012年07月19日 19時10分
「タマネギで血液サラサラ」は本当 ハウス食品が血管内皮機能改善を確認
ハウス食品と広島大学の共同研究で、タマネギエキスの継続摂取が食後の血管内皮機能改善に役立つことが確認された
ハウス食品は19日、タマネギエキスを継続的に摂取することで食後の血管内皮機能が改善することを確認したと発表した。「タマネギで血液サラサラ」は以前から言われていたが実際に研究されたことは少なく、今回の臨床実験はその通説を裏付けるひとつの結果となる。
タマネギと血液については独特の刺激臭の元となる硫化アリルが血液の凝固を抑制するという説が有名だが、今回同社は血管の内側にある血管内皮とタマネギエキスに含まれるポリフェノールの一種・ケルセチンに着目。血管内皮が正常ならば血管が柔軟に拡張し血液の流れがスムーズになると考え、広島大学東幸仁教授と共同で研究を行った。
研究では22名の健康な男性がケルセチン51mgを含む濃縮タマネギエキス粉末を1ヶ月間毎日摂取し、継続摂取前後で空腹時や食後の血管内皮機能を比較した。血管内皮機能は食事に含まれる糖分で食後、一時的に機能が低下することがわかっているが、濃縮タマネギエキスを摂取すると血管内皮機能を示すFMD値が食後で5.1%から6.7%に、空腹時で6.4%から7.2%に改善したという。
なお、「ケルセチン51mg」は品種によって差があるものの、200グラム程度の中タマネギ1個程度。同研究成果はきょう19日から20日まで福岡で催される日本動脈硬化学会総会・学術集会で発表。また、同社は今後、作用メカニズムやタマネギに含まれる健康増進効果に関する研究を進めていくとしている。