<『みんなの家庭の医学』おさらいニュース>セカンドオピニオンで救われた命

 「セカンドオピニオン」とは、診断や治療について主治医とは異なる別の医師に意見を求めること。ここ数年で言葉自体は浸透しているが、実行している人はどれぐらいいるだろう? 今回のORICON STYLEと朝日放送『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』(毎週火曜午後8時放送)とのコラボ企画“おさらいニュース”では、腰痛や口内炎など、誰しも経験がある症状から大病が発覚した3つの症例を取り上げ、セカンドオピニオンの必要性を見直していく。

 まずは『腰痛』から。60歳の女性・Mさんは、ある朝布団から起きると腰からお尻にかけズキズキするような痛みを感じ、近所の整形外科へ。この時は、「加齢による“変形性腰椎症”」と診断された。しかし、投薬や注射といった治療を重ねても改善がみられず、悪化する一方。そこで、足腰治療の研究を重ねる石橋英明医師(高齢者運動器疾患研究所 代表理事 伊奈病院 整形外科部長)のもとを訪ねたところ、Mさんは脳に腫瘍ができる病「脳下垂体腫瘍」だったことが明らかになった。

 別のケースでは、腰痛だと思っていたら、セカンドオピニオンで「アロディニア症」が発覚したというケースもある。聞き慣れない病名だが、別名『異痛症』と呼ばれ、通常では痛みを感じないわずかな刺激が、激しい痛みとして認識される感覚異常の病。普段、私たちは外側からダメージを受けると、痛みを抑制してくれる“セロトニン”というホルモンが分泌される。しかし、この病気が発症すると脳が誤作動を起こし、セロトニンの量が減少。痛みを抑えることができなくなってしまうという、非常に恐ろしい病気だった。

 次の症例は、花粉症による『鼻炎』。長年花粉症のアレルギー性鼻炎を患ってきた63歳の男性・Iさんは、春になると市販薬を購入したり、近所の耳鼻科で処方された薬を服用していた。しかし、花粉の季節を過ぎても症状は続き、鼻水が濃い黄色で粘っこくなったり、異臭を放つなどといった自身の異変に気づく。そこで、大学病院を訪れたところ、「上顎洞(じょうがくどう)がん」だったという。

 最後は、78歳の女性・Oさんの場合。1週間ほど経っても治らない口内炎に悩み、総合病院の口腔外科を受診した結果は、頬の内側の粘膜に生じる口腔がんの一種「頬粘膜(きょうねんまく)がん」だった。治療は顔の一部分を切除する整形外科手術が必要で、これを受ければ今までの食べる、話すといた日常生活がままならなくなる。しかし、すぐに手術を受けなければ、余命1年と診断された…。

 しかし、Oさんは口腔がん治療において、後遺症の少ない治療法を研究してきた横浜市立大学附属病院 口腔外科 准教授の光藤健司先生に出会い、顔を切り取ることなく、がんの治療が受けられるようになったのだ。

 いずれのケースも、初期症状は腰痛、鼻炎、口内炎といたってよくある疾患で、病気という認識さえ持たない、身近なものばかり。だが、あと一歩治療が遅ければ、取り返しのつかない事態に陥っていたかもしれないケースだった。どんな分野にも、患者の命を救おうと日夜研究を重ねている“名医”は存在するが、その治療に出会えるかどうかは、患者側の高い意識次第。「セカンドオピニオンを受けよう」という積極的な姿勢が不可欠であることを、忘れないでほしい。

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