2014年09月02日 12時20分

<『みんなの家庭の医学』おさらいニュース>脳を若返らせる「デュアルタスク」って?

家事をしながらテレビを見るなど複数のことを同時に行う「デュアルタスク」で脳を活性化 [拡大する]

家事をしながらテレビを見るなど複数のことを同時に行う「デュアルタスク」で脳を活性化

 年をとると気になる「目尻のしわ」や「しみ」などの顔の老化。しかし、老けていくのは顔だけではなく、加齢とともに歯に隙間ができる、脳が委縮するということも。ところが、臓器の老化を防ぎ若返らせた健康賢者が日本全国にたくさんいるという。そこで今回のORICON STYLEと朝日放送『たけしの健康エンターテインメント! みんなの家庭の医学』(毎週火曜日午後8時放送)のコラボ企画“おさらいニュース”では、「全国47都道府県で発見! 名医が認めた身体を老けさせない新事実SP」で判明した身体年齢を若く保つ秘密から、脳に関する驚愕の新事実をお伝えする。

■認知症予備軍の症状に注意

 「やろうと思っていたことをすぐに忘れてしまう」「頻繁に物をなくしてしまう」「1日のなかで、何度も同じ話を繰り返すことがある」といった症状が始まると、認知症の予備軍である可能性が高いという。これらに共通しているのは、短期記憶能力の低下。短期記憶とは数分から数時間前くらいの、つい最近経験した記憶のことで、それがふと抜け落ちてしまうと危険だというのだ。

 短期記憶能力の低下の原因のひとつとして考えられるのが、認知症の原因物質「アミロイドβ」の蓄積。このアミロイドβが蓄積し、老人斑を作る過程で脳神経が死滅すると考えられているのだ。短期記憶能力が低下し「軽度認知障害」を発症した人の脳を見ると、脳の一部で脳神経が死滅しはじめ、血流量が低下していることがわかるという。この血流量低下による短期記憶能力の悪化が認知症の第一歩となり、気付かずに放っておくと脳の神経細胞の死滅がさらに広がって血流も低下。その範囲が拡大することで認知症を発症すると考えられている。

■脳の神経細胞の死滅による血流低下は改善できる?

 実は、脳の神経細胞の死滅による血流の低下は改善できることがわかってきたという。その方法を知る名医 千葉みなとリハビリテーション病院の山田達夫先生によると、衰えた脳の血流量を上げるには、例えばお風呂に入りながら歌を歌ったり、家事をしながらテレビを見たりするなど、ふたつ以上のことを同時に行える能力を鍛えることが効果的だというのだ。その名も「デュアルタスク」。山田先生は以前、この「デュアルタスク」によって脳の再活性化に成功したという。

 その実例として、番組では、2003年に発足し、大分県の安心院町で行われている山田先生たちのグループ考案による認知症の予防プログラム「安心院プロジェクト」を紹介。そのプロジェクトでデュアルタスクが身に付くとして毎週行われていたのは、何と「料理」だった。といってもただ作るだけではなく、その日食べる料理を企画立案することから始め、買い出し、実際の調理、そして盛り付けまで、すべてを参加者が率先して実施。集団で調理を行うなかで、「自分の作業をしながら周りの人に気を遣う」ことや、お吸い物を作りながら魚を焼くなど「複数の料理を同時に作る」ことが脳の活性化につながっていると考えられるという。

 実際に、軽度認知障害の高齢者を対象にプロジェクトを続けてきた結果、わずか2年で血流量が大幅にアップし、参加者の約9割が軽度認知障害から正常に回復したという。冒頭の症状が気になるかたは、日常の生活でこの「デュアルタスク」を意識し、脳の若返りを図ってみてはいかがだろうか。

「みんなの家庭の医学」番組HP

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