2009年12月23日 10時00分

節約と贅沢感の両立がカギ 年末年始に増える“中食”

今年も堅調に予約数を伸ばしているケンタッキーフライドチキンのテイクアウト商品『パーティーバーレル』  [拡大する]

今年も堅調に予約数を伸ばしているケンタッキーフライドチキンのテイクアウト商品『パーティーバーレル』 

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 クリスマスから年末年始にかけて増えるホームパーティー。節約志向により“巣ごもり化”が進んでいる昨今、調理済みの食料品を自宅に持ち帰ったり宅配注文を行ったりする“中食”が注目を集めている。Webサイトや任天堂のゲーム機『Wii』の出前チャンネルなどで全国の出前・宅配注文を受け付ける「出前館」は、客単価は減少傾向にあるもののオーダー数は堅調に推移。2009年11月は前年同月比で7万6000件増の55万3000件を記録した。同社は昨今の宅配事情について「メイン料理のみをデリバリーし、ごはんやサイドメニューは自宅で作る人が増えている」と分析する。

 “クリスマスホームパーティーの定番”となりつつある、ケンタッキーフライドチキンの『パーティーバーレル』も、今年は予約受付開始を早めたこともあり早くから多くの注文が集まった。日本ケンタッキー・フライド・チキン社は「売上は昨年がもっとも伸びており、今年もそれに続くものと思われる」と、外食産業が軒並み苦戦する中で“中食”の伸長を実感。平均の2割増程度の売上を見込んでいるほか、正月にも『お年玉バーレル』を発売し、年始のパーティー需要にも対応していく。

 また、前述の「出前館」でも人気の高い料理ジャンル・ピザは、ホームパーティーメニューの代表格といえるだろう。「オリコンCS(顧客満足度ランキング)宅配ピザ」で1位に輝いたPIZZA SALVATORE CUOMOは昨今の宅配事情について「パーティー需要も確実に家食傾向にシフトしており、今までとは違う使われかたをしているように思われる」と語る。また、同社は「外食や遊興費に費やす単価については、年々シビアになってきているが、その分、自宅で少しだけ贅沢な食事を楽しみたいという需要は確実に増えている」という分析のもと、一部店舗で高級路線のメニューを展開している。

 「クリスマスから年末年始にかけて、一年で一番のピークを迎える」という同ランキング2位のナポリの窯も、今年は前年比10%増の予約が集まっている。同社への予約はインターネット注文が増加中で、今年は、モバイルサイトからの注文数増加が目立ったという。 “必要なメニューだけを注文してほかの料理は自分で作る”という自由度の高い注文に加え、インターネットや携帯電話などを使った簡便な注文方法により、今後も宅配ニーズは高まりそうだ。

 『オリコンCS(顧客満足度)ランキング』は2006年8月よりオリコンが発表しているもので、実際に利用経験者の声を集め、1人あたりの回答データは、点数にしてポイント算出。業界シェアとは関係なく、利用者が本当に評価しているサービスが可視化できる点が特長となっているほか、2008年10月からは学術研究を踏まえ慶応義塾大学と顧客満足度に関する調査方法と指数化モデルの研究について、産学連携の共同研究を行っている。

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

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