2012年10月09日 12時00分
<『みんなの家庭の医学』おさらいニュース>ストレスで脳が勘違い!? 不眠の新原因とは
さまざまな原因がある不眠 新たな原因として浮かび上がった「扁桃体の異常」とは…?
今回の朝日放送『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』(毎週火曜午後8時放送)とORICON STYLEがコラボしてお送りする“おさらいニュース”。今回のテーマは、5人に1人が悩んでいると言われている不眠について。さまざまな原因がある不眠だが、近年では脳の中にある「扁桃体(へんとうたい)」という部分の異常が新たな原因として浮上。なぜ、扁桃体が異常をきたすと眠りが浅くなるのか、なぜ異常な状態になるのか。その理由を探る。
■「危険が迫る」と扁桃体が勘違い 原因はストレス
大脳基底核と呼ばれる脳の深い部分にある扁桃体は、“脳の番犬”と呼ばれる場所。嫌なものや危険なものを見るとその刺激を感知。交感神経を活性化させて血圧や心拍数を上げるなどし、“危険から逃げる”ための準備を整えている。本来は危険を察知した時にだけ働く扁桃体だが、不眠の人の場合、ストレスなどにより扁桃体が敏感な状態になり、ちょっとした物音などささいな刺激でも敏感に反応し、交感神経が活発になってしまっているという。
また、敏感になった扁桃体は、パニック障害を引き起こす可能性もあることが最近の研究で分かってきた。睡眠中は脳の活動が低下するため日中に比べると脳内の二酸化炭素が増加するが、この状態を「危険が迫っている」と扁桃体が勘違いしてしまい、動悸や過呼吸を引き起こすのだ。現在、国内のパニック発作の患者数は100万人、一生の内に何らかの形でパニック発作を起こす人は約1000万人といわれている。
■ストレスを軽減 前向きに考える“クセ”をつけよう
「パニック発作を起こしてしまうのは、傾向として日頃から“ネガティブに考える人”が多いように見受けられる」と語るのは岐阜大学大学院精神病理学分野の塩入俊樹教授。些細な事でもストレスと感じてしまい、身体が反応してしまうためだ。扁桃体の暴走を防ぐために重要なのは「自分の物事の受け止め方がネガティブかどうかしっかり自覚すること」(塩入教授)だという。
物事の受け止め方は長年培った「考え方のクセ」なので、まずはポジティブな考え方をするよう意識しよう。それには自分がストレスを感じた「出来事」「その時の気持ち」「その後どういう考え方をしたのか」そして「別の考え方(ポジティブに考える)」を用紙に記録する「コラム法」を活用しよう。
「ストレスを感じている時はひとつの考え方に縛られがち。違う見方はできないかと1度立ち止まってみることが大事です」と塩入教授。秋の夜長に快適な睡眠をとるためにも、ストレスを軽減させリラックスして過ごすことを心がけよう。