2011年10月12日 15時59分
132年前の“世界最古のジーンズ”、日本初上陸
リーバイスストア渋谷店で披露された、1879年頃に作られた“世界最古のジーンズ”『XXc.1879』 (C)ORICON DD inc.
1879年頃に作られ、現存する中では“世界最古のジーンズ”となる『XXc.1879』が日本に初めて上陸し12日、リーバイスストア渋谷店にて報道陣に公開された。現在は15万ドル(約1200万円)の値が付けられるという同アイテムはディーラーの意向で発見場所や所有者は明かされていないが、米サンフランシスコ本社のリン・ダウニーさんは「ヒザの後ろ部分のしわの寄り、裾の開き方などからカウボーイが着用していたのではないかと想像しています」と話した。
“世界最古のジーンズ”は、1990年代に米ネバダ州の炭鉱で発見された、1880年代頃のモデルと推定される通称『NEVADA 1880s』、同社の代表的ロットナンバー“501”が初めて使用された『BARNYARD c.1890 501XX』(1890年〜1901年頃製造)とともに、厳重なセキュリティの下“来日”。公開時にも警備員が同席し、ダウニーさんは手袋をして慎重に同アイテムを扱った。
この『XXc.1879』は“501”のベースになったモデル。現在のものとはディテールが異なり、バックポケットはひとつのみで、サイズを調節するシンチやサスペンダーボタンが付いている点が特徴。素材はニューパンプシャー州のアモスゲイグ社製9オンスデニムで天然インディゴを使い染色し、縫製は1906年のサンフランシスコ大地震の火災で崩壊した工場で行われたことが分かっている。2003年にディーラーからリーバイ・ストラウス アンド カンパニー社が買い取ったもので、通常は特別な綿の布に包まれ同社アーカイブの耐熱性金庫で保管している。
米国本社のヒストリアン(歴史家)として過去の同社製品収集・研究・管理を行うダウニーさんは「日本でも大きな震災がありましたが、(リーバイス社設立の地である)サンフランシスコも1906年に地震があり、本社工場の資料などがすべて焼失してしまいました。私たちは自分たちのルーツを求めるとともに、現在のデザイナーたちのインスピレーションのために過去のアイテムを集めているのです」と説明。また、リーバイ・ストラウス ジャパンの齋藤貴社長は「震災の後、みなさんの購買動向の変化を感じています。本物が持つ価値観やオーラを感じていただけたら」と話した。
今回“来日”した3本のヴィンテージ・ジーンズはリーバイスストア渋谷店で一般公開。公開日時は『XXc.1879』が13日〜16日・午後5時〜8時半、『NEVADA 1880s』は13日〜16日・午前11時〜午後9時、『BARNYARD c.1890 501XX』は13日〜23日・午前11時〜午後9時。