2014年12月09日 12時30分

<『みんなの家庭の医学』おさらいニュース>「プリン体」が血管を老化させる!?

尿酸値対策のポイントは「食」。プリン体が多く含まれた食物の摂りすぎに注意しよう [拡大する]

尿酸値対策のポイントは「食」。プリン体が多く含まれた食物の摂りすぎに注意しよう

 私たちの身体を容赦なく襲う「老い」。様々な兆候が表れる中でも特に注意したい老化現象のひとつが、脳卒中や心筋梗塞など、命に直結する病を引き起こす恐れもある「血管の老化」だ。今回のORICON STYLEと朝日放送『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』(毎週火曜日午後8時放送)のコラボ企画“おさらいニュース”では、血管の老化防止に重大な意味を持つ「プリン体カット」をキーワードに、血管を老けさせない秘訣に迫る。

■尿酸値が高いまま放っておくと動脈硬化が進行

 「プリン体」と聞いてまず思い浮かべるのは「痛風」。痛風は、プリン体が体内で分解されるときにできる「尿酸」が増えすぎることで結晶化。足の関節などに溜まっていき、何らかのきっかけで剥がれ落ちた時、それを免疫細胞が攻撃、炎症が起きることで激しい痛みが生じる病。とはいえ、実際に尿酸値が高い人でも、痛風は別に死ぬような病ではない、と軽く考えている人も少なくないだろう。ところが、最近の研究で、「尿酸は血管を老化させる」という衝撃の新事実が明らかになってきた。

 では、一体どのようなメカニズムで血管が老化してしまうのか。実はプリン体が尿酸に分解されるときにできる活性酵素が、血管をしなやかに保つ物質の働きを悪くすることがわかってきた。さらに尿酸そのものも血管の細胞に取り込まれることで炎症を引き起こし、血管を固くしてしまうのだ。痛みがないからと尿酸値が高い状態を放っておくと、コレステロールや中性脂肪などの数値がそれほど悪くなくても、動脈硬化が進行し、若くして心筋梗塞に襲われるなど命とりにもなりかねないのだ。

■プリン体が入っていないアルコールも尿酸値を高める

 尿酸値対策のポイントはやはり「食」だ。虎の門病院 循環器センター・内科の桑原政成先生によると、「摂りすぎに注意したいもの」と「積極的に摂った方がよいもの」があるという。まず摂りすぎに注意したいのは、もちろん「プリン体の多く含まれた食物」だ。「牛や豚、鶏のレバー」や「マイワシ干し物」「マアジ干物」「大正エビ」などが高尿酸血症治療ガイドラインにも載せられているプリン体の多い食品。また、「アルコール」の摂りすぎにも注意したい。プリン体がカットされていれば、お酒はいくらでも飲んでもいいと勘違いしがちだが、実は尿酸は体内でアルコールが分解されるときにも作られるので、休肝日を設けるなど飲みすぎには注意したいところだ。

 逆に積極的に摂ったほうがいいものとして挙げられるのが、水分。水分を多く摂ると尿の量が多くなり、尿酸が結晶化しにくくなることに加えて、脱水による腎臓の機能低下も防ぐことができるため、尿酸の排出がスムーズになるという。ただし、清涼飲料水などに含まれる果糖は尿酸値をあげてしまうことに関係しているので注意が必要だ。桑原先生は、特に疾患のない患者には1日2リットル以上の水分を摂ることを勧めている。

 また、積極的に摂った方がよいとされるものがもう一つ。それは、アルカリ性食品。ほとんどの野菜に加え、キノコ類、海藻類、さらには果物類、豆類なども含まれる。アルカリ性食品は、尿酸の排出をスムーズにするのに一役買ってくれるというので、尿酸値の高い人はこの2つを意識的に摂るようにしては、いかがだろうか?

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