2012年05月31日 10時00分

減らない女性の喫煙率  “女性のたばこ”に伴うリスクって?

ファイザーは喫煙による害をまとめた冊子や受動喫煙防止のキーホルダーを製作し、禁煙を呼びかけている (C)ORICON DD inc. [拡大する]

ファイザーは喫煙による害をまとめた冊子や受動喫煙防止のキーホルダーを製作し、禁煙を呼びかけている (C)ORICON DD inc.

 厚生労働省が今年1月に発表した『平成22年度国民健康・栄養調査』によると、習慣的にたばこを吸っている人の割合が全体の19.5%となり、1986年の調査開始以降初めて20%を切った。喫煙者全体の割合は年々減少の傾向を辿っているが、一方で女性の喫煙率は数年前から横ばいを保っている。「この件に関して政府は、大きな問題として危険視しているようです。男性もそうですが、女性の喫煙にはさまざまな悪影響が考えられますから」と指摘するのは製薬会社・ファイザーの平田佳容さん。「世界禁煙デー」に合わせ、“女性とたばこ”と、年々受診者が増加している禁煙外来についてうかがった。

◆妊娠しにくい身体に…?! 喫煙に潜む害

 喫煙が美容によくないことは言うまでもない。ビタミンを壊し、肌からツヤとハリを奪う。また年を重ねると、非喫煙者に比べ早期に“老け顔”になることもわかっている。しかし、さらに深刻な問題も招く恐れがあるという。「喫煙習慣で女性は妊娠しにくくなるとの報告もあります。妊娠しても流産・早産、また新生児の低体重化や糖尿病、肥満のリスクが高まる可能性も報告されています。」(平田さん)。

 さらに母親が喫煙者の場合、子どもに与える悪影響は父親だけが喫煙する家庭よりも多いという調査結果も出ている。受動喫煙を強いられた子どもは言語能力や学力にも支障をきたすほか、中耳炎、気管支喘息、呼吸器感染症、小児ガンなどを引き起こす可能性が高まるとか。父親よりも子どもと一緒に過ごす時間が多い母親は、受動喫煙に与える影響もはるかに大きいのだ。

◆医療機関の門を叩く 禁煙治療は12週で2万円

 「少し驚いたのですが、“たばこをやめたい”と思っている喫煙者は全体の4割にあたるんです。この数字が、やめたいのに、なかなかやめれないことを物語っていますよね」と平田さん。自分のために、家族のために禁煙を成功させたい…。そんな思いを抱え、禁煙外来に通う人は年々増加しているという。しかし実際にはどのような治療を行うのだろうか?

 禁煙の薬はニコチンパッチ、ガムそして飲み薬がある。パッチとガムは薬局でも購入ができるが、飲み薬は医師の処方箋なしでは手に入らない。飲み薬を処方されたら、それを12週間服用し、間隔をあけて全部で5回診察を受ける。治療費は保険適用で3割負担とすると全部で約2万円ほど。平田さんは「少し高いように感じるかも知れませんが、長いスパンでみると経済的です」とメリットをあげる。

◆禁煙成功の秘訣は“諦めないこと”

 「一昨年のたばこの値上がり以来、禁煙外来を訪れる患者さんは増加しています。しかし、途中で通院しなくなってしまう人もいます。どうやら禁煙中に吸ってしまった自分に罪悪感を覚え、医療機関に行きづらくなってしまうようなんです」(平田さん)。

 平田さんは禁煙成功のポイントを“諦めずに続けてみること”としている。「治療中に吸ってしまってもそこで治療を諦める必要はありません。ドクターとともに最終の診察まで禁煙にチャレンジしてみましょう」。タバコをやめたいと思っている人はまず禁煙外来で相談してみては?

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