2011年02月05日 10時00分
ライバルは3DS、NGP? iPod touch ゲーム機としても進化中
アップル社の携帯端末『iPod touch』 (C)ORICON DD inc.
今月26日に発売される任天堂の『ニンテンドー3DS』、ソニー・コンピュータエンタテインメントが年内に発売を予定している次世代PSP(NGP)など、携帯ゲーム機は次の世代へと歩みを進めている。そんななか、タイトルの豊富さと手軽な価格でライトユーザーへも幅広くアピールをしているのが「iPhone」「iPod touch」を有するアップルだ。米Apple本社iPod担当のショーン・エリス氏に新『iPod touch』の特長と、その特長を生かしたさまざまな新作ゲームについて聞いた。
■ゲームの可能性を広げた新しいiPod touch
10年前に音楽プレーヤーとしてスタートしたiPodシリーズはiPod touchの登場で多機能になり、多数のゲームコンテンツを楽しめるマルチ端末へと変化を遂げた。ショーン氏は「iPodシリーズの中でもいちばん売れているのはiPod touchで、iPodシリーズ全体の50%以上を占めています」と話す。iPod touchのゲームはApp Storeからダウンロードするだけ。1月に累計100億ダウンロードを突破したApp Storeだが、現在取り扱っているコンテンツは35万個。うち、ゲームは8万個を占めるという。
現在発売中のA4プロセッサーを搭載した『iPod touch』はこれまでの機能に加え、新たにビデオ通話「Face Time」を導入、さらにHDビデオ撮影なども可能にした。また、Retinaディスプレイを取り入れたことで専用ゲーム機よりもはるかに美しいグラフィックスを実現させたほか、加速度センサーに加えジャイロセンサーが加わったことでゲームの可能性を広げた。薄さ7.2mm、重さは101g。「他社の携帯ゲーム機よりも軽くて小さい」とショーン氏は胸を張る。マルチタッチスクリーンなのでコントロールボタンがなく、電車の中で手にしていても“ゲームをやっている”という風に見えない点もゲームのライトユーザーには嬉しいところだろう。
■iPod touchならではの遊び方ができるゲームが続々
そんな数々の機能を持ったiPod touchで楽しめるゲームが続々と誕生している。映画『スター・ウォーズ』の世界をAR(拡張現実)とジャイロセンサーで楽しめるシューティングゲーム『Star Wars Falcon Gunner』(THQ)、家庭用ゲーム機と比べ遜色のないグラフィックスでゲームの世界を表現している『Infinity Blade』(Epic Games)は世界中のユーザーから支持されている人気タイトル。iPod touchだからこそ楽しめると評判だ。
また、2月中には『Devil May Cry 4』(カプコン)、『NEW Puzzle Bobble』(タイトー)などアーケードゲームや家庭用ゲームでお馴染みのタイトルも発売。同じく2月中に発売され、90年代に米国の玩具メーカーが発売したアナログおもちゃを再現した『bop It!』(EA Games)は、リズムに合わせて“叩く”“つまむ”などの指示通りにアクションを行うゲーム。長く続ければ続けるほどテンポアップしていき、指示される動作も複雑になっていく。同ゲームには複数人で遊ぶためのモードも備わっており、「飲み会などみんなが集まった時に遊ぶと盛り上がるでしょう」(ショーン氏)。
「コントローラーがないiPod touchはデベロッパー(開発業者)にとって真っ白な紙のようなもの。我々も新たなゲームが登場するのを楽しみにしています」とショーン氏。iPod touchで遊べるゲームが今後、どのような進化を遂げていくか注目される。