バイク保険、自賠責保険の保険料の相場は?

バイク保険、自賠責保険の保険料の相場は?

バイクに乗るなら、ぜひ考えたいのが保険です。加入が義務付けられている自賠責保険と、加入は任意ながら手厚い補償が用意されているバイク保険。それぞれ、どのくらいの保険料が必要なのでしょうか。
ここでは、バイク保険、自賠責保険の保険料の相場に加え、バイク保険の保険料を決める要素やバイク保険の保険料を安くする方法などについて解説します。

バイクを対象にした保険の保険料相場

バイクの免許を取って、バイクも手に入れた。でも、保険のことも忘れるわけにはいきません。バイクは車以上に、転倒や事故のリスクが高い乗り物。自分自身のケガはもちろん、他人に損害を与えてしまった場合に備えて、保険で手厚い補償を用意しておきたいところです。

バイクの保険には、法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」と、任意で加入する「バイク保険」があります。まずは、それぞれの保険料の相場について解説していきます。

自賠責保険の保険料相場

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、車やバイクを運転していて、他人に損害を与えてしまった場合、その賠償責任を果たすために使われる保険です。法律で加入が義務付けられていることから、「強制保険」とも呼ばれています。

自賠責保険の保険料は、事故リスクの違いによって、車種・用途ごとに決められています。バイクの場合は、下記のとおりです。

■バイクの自賠責保険の保険料
※表は横にスクロールできます

車種/保険期間

12ヵ月

13ヵ月

24ヵ月

25ヵ月

36ヵ月

37ヵ月

48ヵ月

60ヵ月

小型二輪自動車
(250cc超)

7,010円

7,150円

8,760円

8,910円

1万490円

1万630円

軽二輪
(125cc超〜250cc以下)

7,100円

8,920円

1万710円

1万2,470円

1万4,200円

一般原付
(125cc以下)

6,910円

8,560円

1万170円

1万1,760円

1万3,310円

※沖縄県、離島などの一部地域は除く。
※2024年4月1日以降保険始期の契約に適用。

車検のある250cc超のバイクでは、1年(12ヵ月)から3年(36ヵ月)まで、1年単位で保険期間を選べるほか、新車登録時に自賠責保険が車検の期限を確実にカバーできるよう、13ヵ月、25ヵ月、37ヵ月という保険期間も設定されています。
車検のない250cc以下のバイクは、1年(12ヵ月)から5年(60ヵ月)まで、1年単位で保険期間を選ぶことが可能です。

表のとおり、保険期間が長いほうが、1年あたりの保険料は安くなります。また、車種が同じであれば、保険期間中に契約しているバイクを入れ換えることが可能なので、長期の自賠責保険に加入しておき、バイクを乗り換える際に、自賠責保険も新しいバイクに引き継ぐこともできます。

バイク保険の保険料相場

任意保険であるバイク保険は、自賠責保険とは異なり、ユーザーの希望に応じてさまざまな補償を組み合わせることが可能です。そのため、どのような内容のバイク保険にするかによって、支払う保険料が変わります。さらに、契約者の年齢によって保険料は上下しますし、そもそも保険会社ごとに、設定された保険料に差があります。

損害保険料率算出機構による「自動車保険の概況」で発表されているデータをもとに算出した、2021年度のバイク保険の平均保険料(保険料の総額を契約台数で割った数値)は下記のとおりです。

■バイク保険の平均保険料(2021年度)
※表は横にスクロールできます

契約台数

保険料総額

平均保険料

二輪車

202万4,860台

589億2,338万4,000円

2万9,100円

原動機付自転車

98万3,735台

179億9,480万4,000円

1万8,292円

(参考)
普通自家用乗用車の自動車保険

1,752万8,238台

1兆2,866億5,838万4,000円

7万3,405円

二輪車のバイク保険の保険料は、普通自家用乗用車の自動車保険の保険料に比べて半額以下、原付に至っては4分の1以下です。

もちろん、バイクであっても、保険の内容を充実させれば、それだけ保険料は加算されていきます。それでも車と比べると、はるかに安価に抑えられていることがわかります。

バイク保険の保険料を決める要素

バイク保険の保険料を決める要素

バイク保険の保険料は、さまざまな要素を勘案して、保険会社がそれぞれ決めています。では、どのような要素が保険料に関わっているのでしょうか。バイク保険の保険料を決める要素について解説します。

排気量

バイク保険の保険料は、排気量によって変わります。125cc以下の原付よりも、125cc超のバイクのほうが一般的に保険料は高く設定されています。

年齢

バイク保険には、年齢条件が設定されています。これは、補償対象とする運転者の年齢を制限するものです。その区分は保険会社によって異なりますが、下記の4つの区分に分けられるのが一般的です。

10代から20代前半は事故のリスクが高く、年をとるほどに低くなっていくことから、こうした年齢条件が設定されています。設定された年齢が高いほど、バイク保険の保険料は割安になるのです。
<バイク保険の年齢条件の区分>
全年齢を補償
運転者の年齢を問わず補償する
21歳以上を補償
運転者が21歳以上の場合のみ補償する
26歳以上を補償
運転者が26歳以上の場合のみ補償する
30歳以上を補償
運転者が30歳以上の場合のみ補償する
例えば、「26歳以上を補償」の年齢条件をつけたバイクに25歳以下の人が乗り、事故を起こした場合、補償の対象にはなりません。ですから、家族で1台のバイクを共用する場合には、一番若い人の年齢に合わせた年齢条件を設定する必要があります。

等級

バイク保険には「等級」という制度があります。1等級から20等級までに分かれていて、等級が上がると保険料は安くなり、等級が下がると保険料は上がるという仕組みです。
新規契約の際は6等級からスタートし、1年後の更新時までのあいだ事故を起こさなければ等級が1つ上がり、7等級となります。反対に、事故を起こしてバイク保険を使うと、事故の内容によって1等級あるいは3等級下がります。

バイク保険の等級については、下記の記事をご覧ください。
バイク保険の等級とは?保険料との関係について解説

年間予定走行距離

多くのバイク保険では、年間予定走行距離によって保険料が変わります。年間予定走行距離が長くなれば、それだけ事故のリスクが高くなるので、保険料も割高になります。
なお、年間走行距離は「告知事項」であり、バイク保険を契約する際には必ず、保険会社に正直に伝えなくてはなりません。

走行距離の区分は保険会社によって異なりますが、保険会社側ではその区分に応じた走行距離の目安を提示しているので、参考にして申告するといいでしょう。
また、契約時に告知した年間予定走行距離と実際の年間走行距離が大きく異なっていた場合には、保険会社に申告し、契約内容を変更する必要があります。

使用目的

年間走行距離とともに重要な告知事項が、バイクの使用目的です。一般的に、バイク保険における使用目的は、「業務」「通勤・通学」「日常・レジャー」の3区分となっています。

業務

業務とは、文字どおり仕事にバイクを使うというケースです。商品の配達や取引先の巡回などがこの区分です。季節を問わずバイクが使われ、走行距離・走行時間ともに長くなると想定されるため、バイク保険の保険料も高めに設定されます。

通勤・通学

通勤・通学の場合も、毎日バイクを使うことになります。とはいえ、走行距離・走行時間は業務使用ほど長くはなく、季節や天候によっては車や電車を使うということもあるでしょう。そのため業務使用よりも保険料は安めです。

日常・レジャー

使用目的が業務ならびに通勤・通学に該当しない場合は、日常・レジャーの区分になります。ちょっと買い物に行くときの足にする、休暇にツーリングを楽しむといった使い方は、この区分です。業務や通勤・通学に比べて使用頻度が低く、走行距離も長くないため、より安価な保険料が設定されます。

運転免許証の色

運転免許証は、その有効期限を記した欄が、グリーン・ブルー・ゴールドの3色に色分けされています。

グリーン免許は、初めて運転免許証を取得した人に交付されるものです。有効期限は3年で、次回の更新でブルー免許に切り替わります。

ブルー免許は、初回更新者、一般運転者、違反運転者のいずれかに該当する人に交付され、ゴールド免許は、5年間無事故・無違反の優良運転者に交付されるものです。

多くの保険会社では、ゴールド免許を持つ契約者に対しては「ゴールド免許割引」を行っています。長期にわたって無事故・無違反であるということは、それだけ事故のリスクが低いためです。
保険の契約期間中にゴールド免許に切り替わった場合は、次回更新時に申請すれば、割引保険料が適用されます。

住所

交通事故の事故率は、地域ごとにもばらつきがあります。
そのため、多くの保険会社では、地域ごとの事故率を参照して、事故率の高い地域は保険料を割高に設定しています。

バイク保険の必要性

バイク保険の必要性

バイクに毎日乗るわけではなく、年に何回かツーリングを楽しむ程度という使い方なら、「バイク保険は必要ない」「保険料がもったいない」と感じてしまう人もいるのではないでしょうか。
ですが、車とはまったく特性が異なるバイクだからこそ、保険による手厚い補償が必要になってきます。ここでは、バイク保険の必要性について、詳しく見ていきましょう。

バイクはケガや死亡のリスクが高い乗り物

バイクは、走っていないと自立することができません。また、走行中は、横風などの外力の影響を受けやすい上、水たまりや砂ぼこり、道路の凍結など、路面状況の変化にも敏感です。そして、大きくバランスを崩したら、容易に転倒してしまいます。
このように、バイクは転倒によるケガや死亡事故のリスクが、極めて高い乗り物です。

強制加入である自賠責保険は、自分のケガの治療費や、バイクの損害に使うことはできません。だからこそ、任意で加入するバイク保険で、必要な補償を用意しておくことが重要なのです。

自賠責保険だけでは不十分な可能性がある

バイク保険が重要なもうひとつの理由は、重大事故を起こした際の損害賠償金が、億単位の高額になる可能性があるということです。

こちらの過失で事故を起こした場合、加害者側が賠償すべきものは、相手のケガの治療費だけではありません。治療中に仕事ができない状態であれば、その分の休業補償もしなくてはなりませんし、被害者に重い後遺障害が残れば、今後の生活に必要な介護費用なども負担しなくてはなりません。
実際、これまでの民事裁判では、下記のとおり数億円に及ぶ賠償額となった例がいくつもあります。

■死亡・後遺障害の高額賠償額の例

賠償額

損害

被害者

5億2,853万円

死亡

41歳男性、眼科開業医

4億5,381万円

後遺障害

30歳男性、公務員

4億5,375万円

後遺障害

50歳男性、コンサルタント

4億5,063万円

後遺障害

19歳男性、大学生

4億3,961万円

後遺障害

58歳女性、専門学校教諭

※損害保険料率算出機構「2022年度 自動車保険の概況

また、自賠責保険で補償されるのは「他人に与えた人的損害」だけで、物的損害については補償外です。つまり、バイクで転倒し、相手のバイクや車を傷つけてしまったら、それは自腹で弁償するしかありません。高級外車のボディをへこませてしまったら、数十万単位での賠償金が発生してしまいます。

こうしたことを考えても、万一の備えは自賠責保険だけでは十分とはいえず、さまざまな補償に対応できるバイク保険が必要になるのです。

バイク保険の必要性については、下記の記事をご覧ください。
バイク保険(任意保険)は無駄?その必要性を解説

バイク保険の保険料を安くするには?

バイク保険の保険料を安くするには?

車よりも安いとはいえ、バイク保険の保険料が負担だという人もいるでしょう。ですが、ポイントを押さえることで、保険料を安くすることが可能です。
最後に、バイク保険の保険料を安くする方法をいくつかご紹介します。

自分に合ったバイク保険になっているか確認する

バイク保険の保険料は、さまざまな要素によって算出されます。ですから、検討しているバイク保険の内容をしっかり理解して、自分に合ったものになっているかを確認することで、保険料を安く抑えることができるでしょう。
また、定期的に内容を見直すことも大切です。例えば、年齢条件です。満年齢が26歳に達したら、保険会社に連絡して「26歳以上を補償」に切り換えれば、保険料が安くなります。

ダイレクト型の保険会社に切り替える

バイク保険には、契約スタイルによって「代理店型」と「ダイレクト型」の2種類に分かれます。
インターネット上で保険会社と直接契約手続きを行うダイレクト型は、保険代理店があいだに入る代理店型と比べ、保険料が割安に設定されています。
これまで代理店型のバイク保険に加入していた人は、次回更新時にダイレクト型を検討してみるのがおすすめです。これまでと同等の補償内容で、保険料を安く抑えることができる場合があるでしょう。

複数の保険会社から見積もりを取る

バイク保険は自賠責保険と異なり、同じ補償内容でも保険会社によって保険料が違います。ですから、自分に合ったバイク保険の内容が固まったら、複数の保険会社から見積もりを取ることが大切です。
また、その際には保険料の高低だけでなく、ロードサービスをはじめとする付加サービスや、補償の細かな条件についてもチェックしておきましょう。

それぞれの保険会社から個別に見積もりを取ることで、詳しい条件での比較検討ができます。また、一括で複数の保険会社の見積もりを取れる比較サイトなどを活用すれば、比較的手軽に情報を集めることが可能です。

安全運転を行う

バイク保険の保険料を抑える方法には、安全運転を心掛け、事故を起こさないことも挙げられます。無事故を積み重ねていけば保険の等級が上がり、更新のたびに割引率が高くなっていきますし、無違反を続ければ、やがてゴールド免許割引も受けられるでしょう。
今すぐ保険料を節約できる方法とはいえませんが、安全運転によって長くバイクを楽しめるというメリットも生まれます。

原付の場合はファミリーバイク特約を利用する

車を持っていて、自動車保険に加入しているなら、自動車保険の「ファミリーバイク特約」をつけるという方法もあります。
ファミリーバイク特約とは、自動車保険に付帯できる特約で、125cc以下のバイクに対人補償保険、対物補償保険、人身傷害保険をつけられます。車と原付バイクの両方を所有している人は、バイク保険に入るよりも保険料を抑えられる場合があるので、おすすめです。

ファミリーバイク特約については、下記の記事をご覧ください。
ファミリーバイク特約は250ccで使える?任意保険との違いを解説

手厚いバイク保険で、安心のバイクライフを

いざというときに備えるのが、バイク保険の役割です。万一の事態が起こって後悔しないように、自分に合ったバイク保険で万全の備えを用意して、バイクを心ゆくまで楽しみましょう。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「バイク保険 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。保険料や商品内容の充実さなど、さまざまな視点のランキングを確認できますので、バイク保険加入を検討している人は参考にしてください。

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