バイク保険の自賠責保険と任意保険の違いとは? 保険料の相場も紹介
ここでは、バイク保険に関する基礎知識や加入によるメリット、排気量や等級によって変化する保険料の相場についてご紹介します。また、125cc以下で一定の条件を満たしていれば加入できる、自動車保険のファミリーバイク特約についてもご紹介します。
バイク保険の基礎知識と相場
■バイク保険(自賠責保険と任意保険)とは
バイク保険には、自動車保険と同様、加入が義務付けられている「自賠責保険」と、保険会社を通して加入する「任意保険」の2種類があります。
自賠責保険の場合、原付バイクを含んだ、すべてのバイクが加入の対象となります。一点注意しなければいけないのが、車検が必要となる250cc以上のバイクは、車検時に自動的に自賠責保険の更新をすることができます。しかし、250cc未満のバイクは、自分で加入・更新の手続きをしなければなりません。万が一、未加入の場合は罰則が科せられますので注意しましょう。自賠責保険の役割としては、車と同様に事故を起こしてしまった際の「対人賠償」の補償となります。自分自身や、損害を与えた物については補償されません。
なお、保険金の限度額は、被害者1人につき以下のとおりで、これ以上の補償が必要でも支払われません。
死亡時…3000万円
傷害時…120万円
後遺障害…4000万円
一方、任意保険は自賠責保険ではカバーしきれない、運転手自身のケガによる入院や通院に必要となる治療費などの「搭乗者傷害」や、他人の車や物に衝突した場合の「対物賠償」についても補償してくれます。自賠責保険で補償できず、自己負担になってしまう部分をカバーしてくれるのです。
特に、事故で被害者が亡くなった際、賠償金が1億円を超えることは珍しくはありません。自賠責保険でまかなえない分は自己負担となるため、任意保険への加入が推奨されているのです。
■任意保険加入のメリット
任意保険に加入することで、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?
まず、交通事故で人以外に相手の車・バイク、電柱、ガードレールなどを傷付けてしまった際の、対物補償が挙げられます。補償額は無制限に設定することが可能です。
また、自賠責保険では自己負担となってしまう、自分のケガの治療費も補償されます。運転者や同乗者が事故の際に死傷した場合に保険金が支払われる「搭乗者傷害保険」と、同じく事故で死傷した運転者や同乗者に対して保険金を過失の割合を問わず全額補償してくれる「人身傷害補償保険」があります。
さらに、バイクならではの保険としては、相手のいない単独事故で補償される「自損事故保険」などもあります。
バイク任意保険の等級制度
また、契約期間中に保険事故が発生すると、事故の種類によりますが、翌年に3等級か1等級下がってしまいます。無事故で高い等級を維持していくことで、保険料を安く抑えることができるのです。
■保険料の相場は?
まず、自賠責保険の保険料は、どこの保険会社で加入しても同じ金額(沖縄や離島を除く)となります。排気量と1年から5年の契約期間によって保険料が異なり、長期契約であるほど割引率は高くなるしくみです。
125t以下の場合の保険料は、1年契約で7500円、2年で9950円、3年で1万2340円、4年で1万4690円、5年で1万6990円となります。125t超から250t以下の場合は1年契約で8650円、2年で1万2220円、3年で1万5720円、4年で1万9140円、5年で2万2510円になります。250t超の小型二輪は、車検と同時に支払うことになります。
<自賠責保険料金表>
原付(125cc以下)
保険期間 | 保険料 | (参考)1年当たりの保険料 |
1年 | 7500円 | 7500円 |
2年 | 9950円 | 4975円 |
3年 | 1万2340円 | 約4113円 |
4年 | 1万4690円 | 約3673円 |
5年 | 1万6990円 | 3398円 |
保険期間 | 保険料 | (参考)1年当たりの保険料 |
1年 | 8650円 | 8650円 |
2年 | 1万2220円 | 6110円 |
3年 | 1万5720円 | 5240円 |
4年 | 1万9140円 | 4785円 |
5年 | 2万2510円 | 4502円 |
任意保険の場合、それぞれの保険会社と排気量、等級、年齢によって保険料が異なります。排気量は大きいほど、等級と年齢は低いほど、保険料は高くなります。
例えば、250t超のバイクの場合、事故の際の被害が大きくなる可能性がある分、6等級、21歳以上で、およそ2万2000円から3万円の保険料となっています。
■125cc以下なら、自動車保険のファミリーバイク特約でカバー可能?
排気量が125cc以下のミニバイクであれば、自動車保険の「ファミリーバイク特約」を契約することで、リーズナブルに任意保険に加入できます。自分や同居している家族が任意の自動車保険の加入者であれば、人身傷害ありでも、保険料が1万円台後半で加入できます。家族内であればバイク(125cc以下)が何台でも補償され、年齢などの条件も問わず加入することが可能です。
デメリットとしては、何年間無事故であっても、等級が更新されません。つまり、将来的に125cc以上のバイクに乗るときは、6等級から始める必要があります。また、主契約である自動車保険を解約すると、自動的にファミリーバイク特約も解約されてしまいます。