家の建て替えの費用相場は?建て替えの流れと費用の抑え方を解説

家の建て替えの費用相場は?建て替えの流れと費用の抑え方を解説

家を建て替えるときには、さまざまな費用がかかります。解体から入居まで、どのような流れで行えばいいのか、またどのぐらいの費用がかかるのか、知りたいと思っている人も多いのではないでしょうか。そして、建て替え費用を少しでも抑える方法についても知っておきたいところです。

この記事では、家を建て替えるときの費用の相場と建て替えの流れのほか、建て替え費用を抑える方法などについて解説します。ぜひ、家の建て替えの参考にしてみてください。

家の建て替えとは既存の家を解体して新たに家を建てること

家の建て替えとは既存の家を解体して新たに家を建てること

家の建て替えとは、既存の建物を基礎部分も含めてすべて解体し更地にした上で、新しい家を建てることです。家の建て替えは老朽化を理由とするものをはじめ、ライフスタイルの変化などにあわせて行います。

建て替え時には家の位置や向き、構造・形状を見直せたり、耐震性や断熱性の高い家にアップデートできたりするほか、ZEH住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などの省エネ住宅に建て替えれば光熱費が安く抑えられるといったメリットがあります。
また、新たに土地を購入する必要がないことや、これまで住み慣れた土地に住み続けられることも大きなメリットです。

リフォームとの違い

家の建て替えは、いわゆる「リフォーム」とは異なります。リフォームは既存の建物の基礎部分を残し、老朽化した部分の修繕や増築を行う工事であり、設備や壁などの部分的なリフォームから構造部分をすべて作り直すフルリフォームまで、一口にリフォームといっても範囲はさまざまです。

ちなみに、原状回復以上の修繕を行い、住宅性能や付加価値を向上させる工事は「リノベーション」といわれています。

家の建て替え費用の相場と種類

国土交通省住宅局が2023年3月に公表した「令和4年度 住宅市場動向調査」によれば、家を新たに建て替える費用の相場は、全国平均で4,487万円でした。土地を購入して注文住宅を新築した場合の費用の総額は、全国平均で5,436万円なので、土地取得にかかる費用がない建て替えのメリットは大きいといえます。

ちなみに、家の建て替えにかかる費用の種類は、下記のとおりです。
<家の建て替えにかかる主な費用>
・解体費用
・設計・建築費用
・登記費用
・地盤調査費用
・地盤改良工事費用
・仮住まいの賃貸費用
・引越し費用
・税金
このうち、大きなウエイトを占めるのは解体費用と設計・建築費用です。木造住宅の解体費用は一般的に1坪あたり3万〜5万円で、鉄骨造は5万〜7万円とされています。

設計・建築費用は、前述の国土交通省の調査で全国平均4,487万円ですが、建て替える家の床面積や住宅性能などによって大きく変動します。建て替えは基本的に注文住宅となりますが、建て替える家への要望が多かったり、素材や設備にこだわったりすると、フルオーダー住宅に近くなっていくため建築費用が増えていく傾向があることに注意してください。

参考
実家を建て替えたい!建て替えの流れと費用を解説

家の建て替えの流れ

家の建て替えは一般的に、下記のような手順で行います。一連の流れによって、概ね1年程度を費やす必要があります。
<家の建て替えの主な流れ>
1. 計画の立案
2. ハウスメーカー・施工会社の比較検討、選定
3. 仕様の見積もりと打ち合わせ
4. 住宅ローンの申込み
5. 敷地調査
6. 建築確認申請の提出
7. 仕様の決定
8. 仮住まいへの引越し
9. 解体工事
10. 地盤調査(地盤改良工事)
11. 建て替え工事
12. 新居の引き渡し、登記手続き
13. 新居への引越し
既存の家の解体後、地盤の安定性などを判断する地盤調査を行います。仮に、地盤が軟弱であることが判明した場合、地盤を強くする地盤改良工事が必要となる点に注意しましょう。

家の建て替えのタイミングとは?

家の建て替えのタイミングとは?

家が老朽化したとき

一般的に家は、約20〜30年で老朽化します。国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」によれば、木造・合成樹脂造の住宅の耐用年数は22年です。家のメンテナンス状況にもよりますが、概ね20〜30年前後で、建て替えやリフォームのタイミングが訪れると考えたほうがいいでしょう。

なお、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の住宅であれば、耐用年数は47年とされていますが、木造の戸建てが約85%を占める日本においては少数派といえます。

ライフスタイルが変わったとき

出産で家族が増えたり、子供が進学・就職・結婚で家を出たりといったライフスタイルの変化も、家の建て替えのタイミングです。その際には、子供部屋の増築や部屋数を減らすため2、3階部分を縮小するといった建て替えを行うケースがあります。

また、離れて暮らしていた高齢の親と同居する際にも、建て替えが必要になるケースが想定できます。その際は、バリアフリー化などを前提として建て替えることになるでしょう。

地震対策が必要になったとき

地震大国である日本では、ある日突然やってくる大地震に備えて、高い耐震性能を持つ家を建てる必要があります。1981年5月31日以前に建築確認申請が行われた家は「旧耐震基準」であり、「震度5程度の地震でも建物が崩壊せず、大きな損傷を受けない」レベルの耐震性能しかありません。

旧耐震基準の家は、震度6強から7に達する程度の大地震に耐えうる「新耐震基準」に適合した家に建て替えましょう。ただし、新耐震基準の家でも複数回の大地震に見舞われている場合は、耐震性能が低下している可能性があるため、あらためて耐震診断を受けるようにしてください。
建て替えの際には、各ハウスメーカーが誇る耐震・免震・制震技術を導入することをおすすめします。

参考
地震に強い家を建てるハウスメーカーは?特徴や比較ポイントを解説

家の建て替え費用を抑える方法

家の建て替えにかなりの費用がかかることについて、頭を悩ませている人も少なくないでしょう。ここでは、家の建て替え費用を抑える方法について解説します。

複数のハウスメーカー・施工会社の見積もりを比較する

家を建て替える際には、新しい家の建築を依頼するハウスメーカーや施工会社を複数選んで見積もりを取り、比較検討しましょう。
比較する際には費用はもちろん、新しい家に対する要望や条件に合うかどうか、また耐震性能や断熱性能などの住宅性能とのバランスを見ながら、しっかり検討するようにしてください。

参考
大手ハウスメーカー18社の特徴を一覧で紹介!選ぶときの比較項目は?

自治体の助成金・補助金などを利用する

家の建て替えにかかる費用負担を軽減するのに、自治体の助成金・補助金の制度を活用する方法があります。自治体によって制度の名称や助成内容、制度そのものの有無は異なりますが、解体費用の一部を助成する制度や、既存の建物の耐震診断・耐震改修などの費用の一部を助成する制度が設けられているのです。

このほか、経済産業省に申請・登録したハウスメーカーにZEH住宅への建て替えを依頼すると、補助金が支給されます。
これらの制度を活用すれば、家の建て替えにかかる費用負担を減らすことができるでしょう。

引越しのタイミングを閑散期にする

2回の引越しにかかる費用を少しでも減らすには、引越しのタイミングを閑散期に行うのもポイントです。引越しのピークは進学・就職や転勤などが多い2〜4月で、反対に5〜8月や11〜12月は引越しの閑散期とされています。

家の建て替えのスケジューリングをする際に引越しのタイミングを繁忙期からずらせば、引越し費用を安く抑えることが可能です。また、引越し業者の予約が取りやすくなるメリットもあります。

解体工事を分離発注する

家の建て替えをハウスメーカー・施工会社に依頼すると、まずは家を基礎部分まで解体しますが、その工事はハウスメーカーに委託された解体業者が行います。解体と建築の両工事の費用で住宅ローンが組めるメリットはあるものの、ハウスメーカーが解体業者に委託する際に中間マージンが発生するデメリットもあるのです。

そこで、ハウスメーカーとは別に自分で探した解体業者に分離発注すると、中間マージンが取られないため、費用を抑えることが可能です。ただし、自分で解体業者を探す手間が発生することに注意してください。

家の建て替えに関する注意点

家の建て替えに関する注意点

家の建て替えにおいては、気をつけておきたいポイントがあります。ここでは、家の建て替えに関する、4つの注意点について解説します。

再建築付加物件だと建て替えできない

家が建っている土地によっては、現行の建築基準法に抵触する「再建築不可物件」とみなされて、建て替えができない場合があります。再建築不可物件とは、一度更地にすると新しい家に建て替えられない土地を指し、道路に接していなかったり、接している道路の幅が2m未満だったりする場合があてはまります。

再建築不可物件では建て替えできないため、建築確認申請が不要な範囲のリフォームをしたり、接道義務を果たす土地に改良したりすることになります。建て替えの解体をする前に、必ず確認を行うようにしてください。

家の建て替えに伴う手間と費用が発生する

家の建て替えでは、既存の家を解体して新しい家を建てているあいだ、仮住まいを探して引っ越す必要があります。さらに、新居の完成後には仮住まいから引っ越すことになるため、引越しは最低でも2回行わなければなりません。

また、引越し費用はもちろん、仮住まいの家の家賃もかかります。一時的に親族の家などに身を寄せる方法もありますが、新居の施工期間は長期に及ぶため、現実的に難しい場合が多いでしょう。家の建て替えには、一定の手間と費用負担を見込んでおく必要があるので注意してください。

既存の家より小さくなる可能性がある

建物を建てる際のルールである建築基準法や都市計画法は、時代の変化に合うように改正されています。
家の建て替えを行う際、旧法基準で建てられていた既存の家が現在の法令には適合せず、結果としてこれまでより床面積が小さくなったり、高さが制限されたりする可能性があるので注意しましょう。

近隣住民への配慮をする必要がある

家の建て替えは、構造から基礎部分まで重機などを使って解体する大掛かりな工事になります。基礎部分の解体は大きな音や振動、粉塵が発生し、近隣で暮らす住民に対して影響を与えます。

同じ土地に住み続けられるのが家の建て替えのメリットではありますが、一時的な工事とはいえ近隣住民とのトラブルになると、今後の生活にマイナスの作用をしかねません。事前告知や挨拶など、最大限の配慮を欠かさないようにしましょう。

家を建て替える際のハウスメーカー選びは、顧客満足度ランキングも参考に

家を建て替えることは、土地の取得費用をかけずに、住宅性能の高い家に住むことができるというメリットがあります。ライフスタイルの変化に応じて、同居する家族の理想の暮らしを叶える家を建てるようにしてください。
ただし、家の建て替えにかかる費用は高額です。少しでも費用を抑えて満足度の高い家を建てられるように、ハウスメーカーや施工会社は慎重に選びたいところです。実際にハウスメーカーを選ぶ際は、要望と予算をすり合わせ、ユーザーからの口コミなどをもとに、依頼先を決定すると良いでしょう。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「ハウスメーカー 注文住宅 満足度ランキング」を発表しています。デザインや金額の納得感、モデルハウス、営業担当者の対応など、さまざまな視点でのランキングを確認できますので、ハウスメーカー選びの参考にしてください。

【2024年】ハウスメーカー 注文住宅 満足度ランキング|オリコン顧客満足度

ハウスメーカー 注文住宅オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    80.8

    スウェーデンハウス

  • 2位

    78.3

    積水ハウス

  • 3位

    78.2

    ヘーベルハウス

  • 4位

    78.1

    住友林業

  • 5位

    77.1

    一条工務店

  • 6位

    76.8

    パナソニック ホームズ

  • 6位

    76.8

    三井ホーム

  • 8位

    76.4

    セキスイハイム

  • 9位

    76.2

    大和ハウス

  • 10位

    75.9

    ミサワホーム

  • 11位

    75.6

    トヨタホーム

  • 12位

    75.0

    イシンホーム

  • 13位

    74.8

    アイ工務店

  • 13位

    74.8

    住友不動産

  • 15位

    74.4

    クレバリーホーム

  • 16位

    73.1

    アキュラホーム

  • 17位

    73.0

    住宅情報館

  • 17位

    73.0

    富士住建

  • 17位

    73.0

    ユニバーサルホーム

  • 20位

    72.9

    イシカワ

  • 21位

    72.7

    アイフルホーム

  • 22位

    72.6

    桧家住宅

  • 23位

    71.9

    タマホーム

  • 23位

    71.9

    日本ハウスホールディングス

  • 25位

    71.2

    ヤマダホームズ

  • 26位

    70.1

    秀光ビルド

  • 27位

    69.3

    アイダ設計

  • 28位

    67.9

    オープンハウス・アーキテクト

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

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