2014年01月07日 11時00分

<『みんなの家庭の医学』おさらいニュース>風邪? 鼻水の出ない鼻づまりの危険性

風邪? 花粉症?? あなどれない「鼻水のでない鼻づまり」 [拡大する]

風邪? 花粉症?? あなどれない「鼻水のでない鼻づまり」

 冬本番となり、発熱・鼻づまりなど風邪の症状に悩む人も多いのでは? 今回のORICON STYLEと朝日放送『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』(毎週火曜午後8時放送※)のコラボ企画“おさらいニュース”では、厚生労働省が3年ごとに行っている「国民生活基礎調査」をもとに、同番組が発表した『今日本人が悩んでいる8つの症状』で3位にランクインした【鼻水・鼻づまり】に注目。よくある不調に思えるが、その裏に潜む危険な病のサインとは?

■花粉症かと思っていた「ウェゲナー肉芽腫症(にくがしゅしょう)」

 同番組では57歳の主婦Sさんの症例を紹介。25年前の春ごろ、耳が詰まるような感覚と、強い鼻づまりを感じたSさんだが、鼻をかむも鼻水は出ず。何度か繰り返して、ようやく粘り気のある“青っ洟(ぱな)”のようなものが出た。花粉症と思い込み、以降はマスクやうがいといった花粉症対策を始めるも、症状の改善はみられず、やがて歯の激痛や関節痛にも襲われるようになったという。

 謎の鼻づまりから3ヶ月後、Sさんは突如、両足の裏に剣山の上を歩くような激痛を感じて総合病院を訪れた。そこで「ウェゲナー肉芽腫症(にくがしゅしょう)」との診断を受けた。

 この病気は、リウマチや膠原病などの自己免疫疾患の一種。主にウィルスなどを攻撃する免疫細胞が、何らかの原因で誤作動を起こし、正常な細胞を攻撃してしまう病。最大の特徴は、全身の血管を攻撃し、炎症を起こすこと。放っておくと、肺や腎臓の血管まで炎症が進み、呼吸困難や腎不全などを招くこともある危険な病だ。

■鼻水の出ない鼻づまり…青っ洟の正体は?

 そんな病にいち早く気付くことができるサインが「鼻水のでない鼻づまり」。この病の特徴は、血管の炎症を起こす際の副産物として肉芽腫と呼ばれる特殊な出来物を作ること。理由は解明されていないが、特に鼻、耳、眼球などに多く肉芽腫が発生するといわれている。

 耳にできると、痛みや難聴といった症状、目にできると眼球の突出や視力低下がみられ、鼻の場合は鼻づまりを引き起こしてしまうそうだ。Sさんが鼻をかんで、ようやく出た青っ洟のようなものは、ほとんどが肉芽腫から流れ出た膿の一部と考えられる。

 Sさんの場合、花粉症の鼻づまりと思い込み病からの警告を見過ごしたことで鼻の血管の炎症はさらに拡大。上あごなどの神経の炎症が進み、口の中に痛みが出てしまったと考えられる。さらに、血管の炎症は体中の関節や足の裏の神経にまで広がる事で、全身の関節痛や、剣山の上を歩くような激しい足裏の痛みに襲われたのだ。

 この病の原因は、環境汚染や元々の体質などが疑われているが、未だ判明していない。しかし、かつて数百人だった患者数は、ここ25年で約6倍に増加。厚生労働省では1984年から研究班が立ち上がり、日々原因の解明、治療法の研究がなされている。

 よくある体調不良の1つである「鼻づまり」だが、この病は何より早期発見が大切。そのため、普段との異変を感じたら、すみやかに耳鼻咽喉科やリウマチ・膠原病内科を受診してほしい。

※1月7日(火)の放送は午後7時からの3時間SP。

「みんなの家庭の医学」番組HP

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