ドコモ、顧客満足度で「トップ急浮上」のワケ ユーザーの「重視する項目」がガラリと変化
オリコン日本顧客満足度調査では、2014年と2015年の6月に、docomo、au、SoftBankとその他調査企業4社で、ユーザーに満足度調査を実施している。目まぐるしい進化を続ける通信業界において、ユーザーがキャリアに求める価値は何か。調査データの数値を見ると、わずか1年で大きな変化が起こっていることがわかった。
調査対象は国内に住む15歳以上の男女。3年以内にスマートフォンを購入、もしくは機種変更し、今現在保有している合計2万8333人だ。「通話品質」「ネットのつながりやすさ」「料金プラン」「店員の対応」「アフターサービス」などの大項目にひもづく各小項目を彼らに示し、100点満点で評価してもらっている。
ユーザー評価の「重視度」に変化アリ
同調査の大きなポイントとなるのが、ユーザーが回答する際の「評価項目への重視度」だ。2012年の調査では最重要項目が「料金プラン」(35.55ポイント)だったが、2013年は25.91、2014年は23.10、そして2015年は17.61と、下降線をたどっている。
一方で「通話品質」は、2013年に12.86ポイントでスタートし、年々ポイントを上げて2015年には17.81ポイントをマーク。「料金プラン」を抑えて、最重要視される項目となった。
1位になったdocomoをみると、今回調査した全13の評価項目中、9項目でトップを獲得。前年いずれのキャリアも70点を割り込んでいた「通話品質」に関しては、今回はdocomoが4.91ポイントアップで73.75。2位auが70.54ポイントで、3位SoftBankは66.90ポイントにとどまっている。
ユーザーにとっての重視項目で高満足度を獲得したことが、docomo総合1位への後押しとなったと言えそうだ。
続けて「ネットの繋がりやすさ」でも、docomoは昨年より3.27ポイント高いスコアを出している。ユーザーの声には「通話エリアの広さや通話音質が良く、データ通信の速度やつながりやすさも良好」(40代/男性)といったものや、「職場でちゃんとLTEが繋がる」(30代/男性)という建物の中でも電波が届くことを評価するものなどが見られた。
昨年は「通話音質」の項目でしか1位を取れなかった点を鑑みると、機能面やサービス面も含め、総合的に満足度が上昇しているとわかる。
若年層の支持低下が痛手?
ただユーザーの声をみると「以前に比べると電話も大変つながりやすい。またインターネットなどもつながりやすい」(50代/男性)「料金設定が安く、つながりやすくなったようです」(60代以上/男性)など、改善されたと感じているユーザーもいるようだ。
利用前は「SoftBankは他社より安いだろう」という期待値がある分、利用後の満足度が低く出てしまったと推察できる。
スマートフォンを使っていて、各キャリアのショップに行く時に面倒だなと感じたことはないだろうか??聞きたいこと、確認したいことはちょっとしたことなのに、店に入って番号札をもらい、呼ばれるまで延々と待つ……。億劫に感じた経験は、誰しもあるだろう。
そんな「ショップの対応」についての満足度(2014年は「ショップ対応」、2015年は「店員の対応」の項目で調査)を比較すると、docomoは68.33ポイント(前年比6.82アップ)、auは66.38ポイント(前年比4.19アップ)、SoftBankは64.03ポイント(前年比2.78アップ)と、各社そろって満足度がアップしている。
重要度が増している「会社の信頼性」
ユーザーの重視度においても、「会社の信頼性」は2013年の9.91ポイントから2014年は11.08ポイント、2015年は11.54ポイントとじわじわ上昇している。調査データを経年でみても、一度もポイントを下げずに上昇し続けたのは「通話品質」と「会社の信頼性」のみである。
docomoは「会社の信頼性」において満足度72.26点と唯一の70点台をキープ。長年培ってきたブランド力が、高満足度へと直結したようだ。