業界も調査済“結婚相談所が舞台のドラマ”プロデューサーを直撃インタビュー

 結婚相談所が舞台のドラマ『あいの結婚相談所』(テレビ朝日系)が放映中。“結婚”を夢見る男女を山崎育三郎演じる個性豊かな所長が結びつける。入会金200万円、成婚率100%の結婚相談所で繰り広げられる人間ドラマとは? プロデューサーの竹園 元(はじめ)氏にこのテーマを選んだ理由やドラマ制作の裏側を聞いた。
――『あいの結婚相談所』のドラマ化について、そして山崎育三郎さんを主演にしようと思った経緯を教えてください。

竹園結婚相談所をテーマにした原作マンガがおもしろいなと思ったのと、育三郎さんの俳優としての躍進ぶりから、ぜひ、この作品で主演でお願いしたいと思いました。

――山崎育三郎さんが主演に決まったことで、ドラマならではの斬新な演出へと繋がったのでしょうか。

竹園そうですね。ミュージカル俳優としても活躍されている育三郎さんがやってくださるのですから、歌の要素を散りばめられるんじゃないかと感じたんです。僕もミュージカルはよく観に行くのですが、育三郎さんは、テレビのフレームに収まり切らない魅力を持っている方なんですよ。本当にエンターテイナーとして素晴らしい方なので、その魅力を最大限、引き出したいと思ったんです。そこから、ミュージカルの要素を入れてみようと、原作者にも相談させていただきました。原作マンガのほうは姉妹で創作されていまして、偶然、お二人とも山崎育三郎さんのファンでいらっしゃった。喜んでと了承をいただきまして、本当に、よいご縁に恵まれましたね(笑)。

――新しい挑戦ということですが、ドラマ自体の仕上がりについてはどう感じていますか?

竹園ドラマの枠が、少し遅い時間というのも、チャレンジしやすいというのはありましたが、演じてくださるのが本物の方なので、歌が上手くて踊りにキレがあるという部分での説得力は予想以上でした。今、ドラマのエンディングにダンスを入れたりするのがブームになっている印象がありますが(笑)、そこに乗っかったのではなく、本物でいくぞという心意気でやっていますから。キャストには鹿賀丈史さん、前田美波里さんもいますし、やろうと思えば、いつでもみんなでできるんだぞと。もちろん、基本は原作のテーマを大事に、ラブストーリーをしっかり作り込んだ上での演出です。ミュージカル要素は味つけであり、より楽しむための構成になっていると思います。

結婚相談所の実情もキッチリ調査

――“結婚相談所”というテーマが気になるという視聴者もいる思います。ドラマはフィクションではありますが、リアリティという部分で意識したことは?

竹園結婚相談所といっても、大手のところから個人でやっている小規模な相談所まで、いろいろありますよね。原作はありますが、ドラマ化にあたって(業界の)調査、取材はキッチリ行いました。番組サイドとしても、実際の結婚相談所の現状を理解しつつ、制作しています。例えば、ドラマで出てくる会員のプロフィール表なども含めて、細かい部分でのリアリティはきちんと調べた上で作っています。

――変わってはいるけど、成婚率100%。視聴者に、こんな相談所があったらいいなと思ってもらいたい?

竹園現実では、成婚率100%というのはあり得ない。だからこその200万円という高額な費用なんですが、絶対にパートナーが見つかるんですから、いいと思いますよ(笑)。ドラマでは、最初は微妙だと思っていた人を紹介されたとしても、いつの間にか、藍野さんに乗っかっているうちに、運命の人だと納得していきますからね。

――“婚活ミステリー”というのも、キャッチーで気になりますね。

竹園原作マンガにもそのキャッチがついていて、これはおもしろいなと思ったんです。お互いに隠しごとがあったりするのを、藍野が見抜いていったり、解き明かしていく。それがミステリー要素になっていて、ドラマ部分に引き寄せられていく。あくまでも、そうしたストーリーが軸になっていますから。

芝居も踊りも本物にこだわる

金曜ナイトドラマ『あいの結婚相談所』(テレビ朝日系 毎週金曜・夜23時15分〜)

金曜ナイトドラマ『あいの結婚相談所』(テレビ朝日系 毎週金曜・夜23時15分〜)

――謎ときの部分で、外に出て動く若手の実動部隊がいたりするのも、ドラマとしての幅を広げています。

竹園そこは繊細な部分と言いますか、実際は、結婚相談所というのは、探偵的な、身元調査をしてはいけないんですよ。なので、ドラマの中でもやり過ぎないようにはしています。視聴者に誤解を与えないよう配慮しながら、エンターテイメント性を出すよう試行錯誤しながら作っているんです。

――音楽に関しては、どのように制作されているのですか?

竹園音楽は米米CLUBの金子隆博さんにお願いしているのですが、ミュージカルにも詳しい方なので、この台詞を歌にしてください、などとお願いしています。曲調に関しても、ドラマの流れと合うよう、何度もやりとりをしながら仕上げていただいているので、楽しんでいただけると思います。芝居も歌も踊りも、すべてにおいて本物の方たちが作り上げているので、途中からでも何話からでも、この世界観を味わっていただけたらうれしいです。
【INFORMATION】
金曜ナイトドラマ『あいの結婚相談所』(テレビ朝日系 毎週金曜・夜23時15分〜)
(STORY)
「成婚率100%!理想の相手が必ず見つかる!」がうたい文句だが、入会金は200万円の結婚相談所。元動物行動学の准教授“藍野所長(山崎育三郎)”は、なんでもすぐに動物や昆虫にたとえ、依頼者に対しても歯に衣着せぬ物言いで失礼千万、 「愛ほど邪(よこしま)な感情はありません」が口癖という、超個性的でぶっとんだキャラクター。そんな藍野とは対照的な、相談所のアシスタント、シスター・エリザベス(高梨臨)。修道服に身を包み、失礼な言動を繰り返す藍野所長に対し怒りを露にすることもある良識派! と思いきや、シスターであるにもかかわらず、依頼者がイケメンだとすぐに惚れ込んでしまい、藍野の指示を無視して“依頼者のため”と行動が先走り、失敗することもしばしば……。
文・根岸聖子
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