2015年07月09日 08時20分

こんなの知ってた? 住宅ローン減税で「住民税」が安くなるケースとは?

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住宅ローン減税で住民税が安くなるケースとは?

 国や地方自治体では、マイホームの購入を促進するべく、様々な補助制度を用意している。そのひとつが、住宅取得等特別控除制度、いわゆる「住宅ローン減税」だ。住宅ローンを利用して家を購入すると税負担が軽減される制度で、具体的には、購入時から10年間にわたって所得税を軽くすることで、住宅購入費用の負担減をはかろうというものである。

 前述の通り、基本的には「所得税」に対しての控除が適用される制度だが、場合によっては「住民税」の減税を受けられることもある。それにはどんなケースが考えられるのか?  住宅ローン減税の仕組みとともに解説していこう。

■そもそも「所得税」や「住宅ローン減税」の仕組みって?

 まずは「所得税」の仕組みをざっと紹介しよう。所得税は、年間で103万円を超える所得(収入)がある場合に納める税金。といっても、給与などの収入に対して丸々税金がかかるわけではなく、収入から“給与所得控除”や“基礎控除”といった「控除」を差し引いた額に対して課税される。

 たとえば、社会保険料などを差し引いた給料が800万円の独身者の場合、800万円から「給与所得控除200万円」と「基礎控除38万円」を差し引いた562万円が課税所得金額となる。

 ちなみに課税所得金額562万円に適用される税率は20%。562万円×20%=112万4000円から、さらに42万7500円が控除され、最終的に69万6500円が納税すべき所得税額になる計算だ。

■住宅ローン減税を使うと、控除が増え税金が安くなる

 住宅ローン減税を使うと、これら基礎控除などに加え、「住宅ローン控除」という新たな控除枠が加わる。ちなみに、毎年の住宅ローン控除額は「年末のローン残高×1%」で計算され、たとえば年末のローン残高が3000万円の場合、その年の控除額は3000万円×1%で30万円。前述のケースのように所得税額69万6500円とすると、69万6500円−30万円で最終的な税額は39万6500円になり、確定申告をすることで“納め過ぎた”30万円の税金が戻ってくるというわけだ。

 この住宅ローン控除は毎年40万円を上限に10年間続くため(※長期優良住宅、低炭素住宅の場合は50万円×10年間)、最終的には数百万円単位の費用負担が軽減されるという、かなりお得な制度なのだ。

■引き切れなかったぶんは住民税を減額

 では、所得税だけでなく「住民税」の減税が受けられるのはどんなケースか? それは住宅ローン減税で控除できる額より、所得税額のほうが低かった場合だ。たとえば、控除額が40万円なのに、所得税額が30万円だったときなどだ。このケースでは、所得税額の30万円分は住宅ローン減税で全額控除されて実質0円に、さらに残りの10万円分についても「住民税」から控除される。

 つまり、所得税の減税を受けてなお、控除ぶんが余っている場合でも、住民税の控除によって制度の恩恵を最大限まで受けることが可能となる(※ただし、現状では住民税から控除可能な額は最大13万6500円まで)。

 なお、現行の控除が適用されるのは平成29年12月31日まで。近くマイホーム購入を検討しているなら、この期限をもふまえた計画を立てるといいだろう。

(文:前田智行/やじろべえ)

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