住宅ローンは固定? 変動? 金利の推移と種類を徹底解説

 住宅ローンは金利を固定にしたらいいの? それとも変動にしたらいいの? 多くの方がこの選択に悩むといわれています。実はあまり知らない「金利」のこと。金利が推移する要因や、金利がどのように決まるのかといった基本的なこと、その種類などを徹底的に解説します。

住宅ローンの金利とは?

 お金を借りたときにその対価として支払う利息。その割合のことを金利といいます。例えば、100万円を借り入れたとき、返済時には100万円をそのまま返すのではなく、月ごとの利息である「月利」もしくは年ごとの利息である「年利」に応じた額をプラスして返済します。この月利、年利が金利です。

 ちなみに、住宅ローンで表示されている金利は年利です。利息は住宅ローンの残高である元金にかかりますので、住宅ローンの返済が進んで元金が減れば、毎月の利息額も次第に減っていきます。

なぜ、金利は変動する?

 金利は一定でなく、周囲の状況によって変動します。例えば、お金を借りたい人が多かった場合、借りたい人は高い金利を払ってでもお金を借りようとします。逆に、借り手が少ない場合、貸す側は金利を低くしてでもお金を貸そうとします。この「お金の需要と供給のバランス」によって、金利は変動します。金利を変動させる要因となっているのは、「景気」や「物価」「為替相場」などです。


■景気による金利変動

 景気が良ければ、人は「もっとお金を使おう」と考えます。消費者の購買意欲の高まりを受けて、企業も生産数を増やしたり設備に投資したりして利益を得ようと考えるため、資金需要が高まり、金利が上がります。逆に、不景気が続けば、消費者の財布の紐は締まり、企業の資金需要が低下して、金利は下がります。

■物価による金利変動

 物価は経済活動が活発に行われていると上昇し、逆に経済活動が停滞していると下落します。物価が上昇すれば物を買うための資金需要が高まり、金利が上がりますが、物価が下落すると物を買うために必要な資金も減り、金利は低くなります。

 物価は、上昇しすぎても低下しすぎても、経済活動の停滞を招きます。そこで日銀は、「物価の安定」のために金融政策を行います。物価が上昇していれば、金融引き締めで金利を引き上げてお金を借りにくくし、物価が下落していれば、金融緩和で金利を引き下げてお金を借りやすい環境を作ります。

■為替相場による金利変動

 円安傾向にあり、輸入価格の上昇とともに国内の物価が上昇すると、一般的に金利も上昇します。逆に、円高傾向のときは、輸入価格の下落に伴って国内の物価も下落し、金利も低下します。円安は金利上昇、円高は金利低下につながりやすいといえるでしょう。

住宅ローンの金利の種類

 住宅ローンは、金利が変わらない「全期間固定金利型」と、金利が変動する「変動金利型」、またその2つの要素を組み合わせた「固定金利期間選択型」の3つのタイプに分けられます。

■全期間固定金利型

 住宅ローンを返済する全期間を通じて、適用される金利が変わらないタイプです。借り入れをした時点の金利がそのまま続きますので、前述した「景気」「物価」「為替相場」などの複合的な要因による金利変動が返済中に起きたとしても、その影響を受けることはありません。借り入れをした段階で返済計画が決まるのが最大のメリットです。一般的に、変動金利型よりも金利は高めに設定されています。

■変動金利型

 金利変動に合わせて、定期的に金利が変わるタイプです。金利が低下すれば利息額も減りますが、金利が上昇すればもちろん利息額も増えますので、リスクは高いといわざるを得ません。金利が大幅に上昇すると、利息額が元本の返済額を超え、その月の支払いはすべて利息分に充てられます。元本が減らないばかりか、月の支払いでまかなえない利息額は、未払い利息として蓄積されてしまいます。

 借り入れをする段階では、固定型よりも金利が低く設定されるのが一般的ですが、その先はどうなるのか分かりません。返済の見通しが立ちにくいのがデメリットだといえるでしょう。借り入れをした金額が少ない場合や、繰上返済の見込みがある人におすすめの金利タイプです。

■固定金利期間選択型

 借り入れからの一定期間に限り、金利を固定できるタイプです。固定期間終了後は、その時点の金利を見た上で、残りの期間を変動金利にするか、固定金利にするかを選びます。固定金利を選択した場合、金利は固定期間が短いほど低く、長いほど高くなります。

 固定期間中は返済額を確定できますが、借り入れの段階では固定期間終了後の見通しが立たないため、全体的な返済計画は立ちにくいといえます。

金利と返済の金利タイプを知って比較・検討を

 返済の金利タイプによって金利変動の影響が異なり、支払総額も違ってきます。「金利とは何か」「どんな外部要因によって変動するのか」を把握した上で返済の金利タイプを確認し、家計に合った住宅ローンを選ぶようにしましょう。

 固定金利型を選んだ場合も、長期に及ぶ返済期間中に金利が大幅に低下するようなことがあれば、借り換えたほうが得をすることもあります。

 返済をしている間は、金利の動きにできるだけ注目しておくことが大切です。
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