住宅ローンを徹底比較! 金利動向をチェックし、支払い額を計算しよう

 マイホームやマンションは、一生に何度もない大きな買い物です。購入する際は、ローンを組む人が大半だと思いますが、借りる額が多いだけに、金利の違いが支払い額に与える影響はとても大きくなります。

 ここでは、最近の金利動向を見つつ、変動金利と固定金利それぞれの最低・最高金利を比較していきます。また、支払い額の計算方法などについても、簡単にご紹介します。

最近の金利動向は?

 住宅ローンを借りる時期を検討する際は、その前後の金利動向を調べることをおすすめします。ここでは、2017年夏まで、および今後の金利動向を見ていきましょう。

・これまでの金利動向
 これまで、歴史的といえるほどの低金利状態が続いています。これは、日銀の行った金融政策によって、大幅な金利の低下が実現しているためです。一時は「マイナス金利」が発表されるほどまで低下し、2016年8月に過去最低を記録しましたが、現在はプラス金利へと回復しています。しかし、それでもかなりの低水準にあることは変わらず、基本的には低金利であると考えてよいでしょう。なお、銀行間の競争も、低金利状態の大きな原因となっています。

・これからの金利動向
 2017年秋以降の金利についてですが、徐々に上昇する可能性はあるものの、金融緩和が続く間は、当面、低金利状態が続くと考えてよさそうです。逆に、すでに低すぎることもあり、これ以上下落するとは考えにくいでしょう。金利が上昇するのは、景気が本格的に回復してからだと考えられます。景気が回復すれば融緩和が終わり、本来の金利水準へと上昇していくはずです。

住宅ローン審査に通るために

 住宅ローンには、厳しい審査基準が設けられています。仮審査の時点で落とされてしまうという事態を避けるためにも、まず押さえるべきポイントをチェックしておきましょう。例えば、最低限のポイントとして、次のようなものが挙げられます。

・携帯電話料金が未納ではないか
・税金の未払いや滞納がないか
・既存の借入先や借入額が多くないか
・団体信用生命保険に加入できる健康状態であるか

 上記以外にも、就業形態や収入などのさまざま審査基準があります。これらは住宅ローン審査通過に当たって重要な項目ですから、万全な状態でローン審査を受けられるように準備しておくことが大切です。

住宅ローンは「金利」と「金利タイプ」で比較する

 住宅ローンを借りる際の選択基準は、借りた元金に対する年間の利息額の割合を示す「金利」がポイントです。例えば、3000万円の借り入れでも、金利が1%違うだけで毎月の返済額は1万円以上も違います。

 しかし、金利の低いローンを選べばよいというわけではありません。住宅ローンには、返済期間中に金利が変わるものと変わらないものがあるので、低金利という条件だけで選ぶと、将来金利が上がって返済額が増えることもあります。ですから、住宅ローンを比較する際は、金利だけでなく「金利タイプ」も見るようにしましょう。

住宅ローンは、「固定金利タイプ」と「変動金利タイプ」に大別できます。変動金利タイプはさらに「固定金利期間選択型」と「変動金利型」に分類することができます。

(1)固定金利タイプ/全期間固定金利型
 固定金利タイプの全期間固定金利型は、借り入れをした時点の金利が返済期間中、いっさい変動しません。借り入れ段階で返済額が決まるというメリットもあります。デメリットとしては、返済期間中に金融機関の「基準金利」が低下した場合も返済額が変わらない点が挙げられます。また、変動金利タイプよりも金利が高い場合がほとんどです。

 なお、住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して融資する住宅ローン「フラット35」は、最長35年の間、全期間固定金利となります。基準を満たした住宅であれば、低金利で、保証料や繰り上げ返済手数料も無料になるというメリットがあります。

(2)変動金利タイプ/固定金利期間選択型
 変動金利タイプの固定金利期間選択型は、借り入れからの一定期間、金利が固定され、その期間が終了したあと、変動金利型か固定金利期間選択型かを選びます。金利は固定期間が短いほど低く、長いほど高くなります。メリットは、固定期間中は返済額を確定できることと、固定期間終了後に金利が低下すれば、返済額が減少することです。デメリットは、固定期間終了後に金利が上昇すれば、返済額が増加することです。

(3)変動金利タイプ/変動金利型
 定期的に金利が変動する住宅ローンです。返済期間中に金利が低下すれば返済額が減りますが、上昇すれば返済額も上がります。変動金利タイプは半年ごとに金利の見直しが行われますが、多くの金融機関では返済額の見直しは5年ごととしています。たとえ見直し時に金利が大幅に上がっても、返済額は変更前の1.25倍が上限となります。限度額の制限はメリットである反面、毎月の支払いが利息分の返済だけとなり、元本が減らないという事態も起こり得ます。また、短期的にも長期的にも、返済計画を立てにくいのもデメリットです。

借り換えメリットを計算してみる

 住宅ローンの借り換えを検討する際は、それにより総返済額がどのくらいお得になるのかを算出する必要があります。ただし、借り換えの際は、新たに事務手数料や保証料といった諸費用がかかりますから、それらも含めて計算しなければなりません。つまり、総返済額(利息)の軽減額は、現在借入中の金利による総返済額から、新たな借入予定先の金利による総返済額と諸経費を引いたものになります。まずは、借り換えのメリットを計算してみましょう。

住宅ローン支払い額の計算方法

 住宅ローンの計算方法を知っておくことで、毎月かかる返済額や利息額を把握することに役立ちます。金融機関のシミュレーションを活用することもできますが、住宅ローンは長期間かけての大きな買い物になるため、自分自身で計算できるようにしておくことも大切です。

 支払い額(概算)の計算式としては、以下のようになります。

 ここでの利率とは、一月当たりの月利であり、年利/12で求められます。返済期間が35年の固定金利の場合、返済回数は420回です。また、毎月返済することで残高は減っていくため、利息も毎月変わっていきます。正確な利息は、月ごとの残高に月利を掛けることで算出することが可能です。具体的な計算例は次のようになります。

<例>
・借入金額:5,000万円
・返済期間:35年、ボーナス返済なし
・金利:全期間固定金利 年1.0%
・返済方法:元利均等返済

 この例では、毎月14万1,142円の返済になります。

銀行によって金利が大きく異なることも

 住宅ローンを借りる金融機関や金利の形態、期間などによって、金額が大きく違ってくることが分かりました。住宅ローンを検討する際は直近の金利動向を見つつ、どの形態の金利で借りるべきかをじっくり決めていくことをおすすめします。金融機関のシミュレーションなども活用しつつ、支払い額や利息について、ある程度自分でも計算できるようにしておくと、将来の家計を考える際に役立つはずです。

⇒住宅ローン シミュレーションはこちら(外部リンク)
オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

当サイトで公開されている情報(文字、写真、イラスト、画像データ等)及びこれらの配置・編集および構造などについての著作権は株式会社oricon MEに帰属しております。これらの情報を権利者の許可なく無断転載・複製などの二次利用を行うことは固く禁じております。