税金の負担が軽くなる! 「住宅ローン減税」のすべて
制度の概要や適用条件についてご紹介します。
住宅ローン減税とは?
「住宅ローン減税を申請すればたくさんお金が戻ってくる」というわけではなく、納めた税金に応じて戻ってくるという点に注意しましょう。
住宅ローン減税の適用条件
新築、中古、リフォームを問わず、主な条件は以下の4点です。
(1)住宅とその敷地を取得するための借入金であること
自分自身が住むための住宅および土地であることが前提であり、別荘や、賃貸に出すために購入した家屋には適用されません。
(2)床面積が50平方メートル以上あり、半分以上が居住スペースであること
床面積の半分以上が居住用なら住宅ローン減税の適用となるため、半分は店舗や事務所として利用したり、貸家にしたりしても構いません。
なお、床面積は、売買契約書などに記載されているものではなく、「登記簿記載の面積」です。
(3)返済期間が10年以上の住宅ローンを組んでいること
原則として、金融機関や勤務先から借り入れている必要があります。
(4)控除を受ける年の合計所得金額3000万円分まで
合計所得金額が3000万円を超える分については、住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできませんが、3000万円以下の分については適用されます。
さらに、中古、リフォームのそれぞれにおいて以下の条件を満たす必要があります。
<中古住宅の場合>
築25年を超える家屋は、住宅ローン減税の対象外となります。リノベーションを前提として中古住宅を購入する際は、築後年数を忘れずに確認しましょう。また、耐火建築物でなければ、築後年数は20年未満が条件となります。
・耐火建築物で、築25年未満であること
・耐火建築物でなければ、築20年未満であること
<リフォームやリノベーションの場合>
リフォームやリノベーションも、住宅ローン減税が適用されます。ただし、前述したとおり、住宅ローン減税は自身が所有して自身が住むための住宅でなければなりません。そのため、親名義の実家のリフォームなどは対象外となります。
・工事費用が100万円以上であること
・規模の大きいバリアフリー工事、省エネ改修工事であること
購入前やリフォーム前に、「住宅ローン減税の対象になるか」という視点で条件面を再確認するようにしましょう。
住宅ローン減税の計算方法
まず、当該年度に納めた税額から差し引くことができる住宅ローン控除額を、下記の計算式によって算出します。
住宅ローン控除額=住宅ローンの年末残高×1%
これによって算出された金額を最大控除額である40万円と比較して、安いほうが住宅ローン控除額となります。つまり、年末の住宅ローンの残高が3000万円だった場合、計算式で求められる金額は30万円で最大控除額より安いため、そのまま30万円が住宅ローン控除額になるというわけです。
この金額を、まずは所得税から控除し、控除しきれない分は住民税から差し引かれます。ただし、納めた金額以上が戻ってくることはありません。
初年度の確定申告を忘れずに!
払いすぎた税金が戻ってくれば家計は助かりますが、元々支払っている所得税以上の金額が戻ってくることはありません。自分が税金をいくら払っているのかを確認しておくことをおすすめします。また、繰上返済をして早めにローンを完済できるなら、目の前の住宅ローン控除にこだわりすぎないことも大切です。長期的な目線で損益を判断し、しっかりした返済計画を立てましょう。