ペット保険の免責金額とは?免責あり・なしのメリットなどを解説

ペット保険の免責金額とは?免責あり・なしのメリットなどを解説

ペットが病気やケガで病院にかかったとき、ペット保険に加入していれば治療費の一部または全部が保険会社から支払われます。ただし、免責金額が設定されているペット保険では、一定範囲までしか保険金が支払われないため、気をつけなければいけません。そのため、ペット保険に加入する際は、免責金額についてしっかりチェックしておきましょう。

ペット保険の免責とは保険会社が補償責任を免れること

ペット保険の免責とは、保険の支払い対象になるような事態が起こった際に、保険会社が補償責任を負わないことをいいます。免責の内容は契約時点で明らかにされていて、これに該当する事態が起こった場合、保険会社は保険金を支払う必要がありません。

なお、ペット保険の免責を決める際には、「免責事由」「免責金額」「免責期間」が関係してきます。それぞれどのようなものか、詳しく見ていきましょう。

免責事由

免責事由とは、保険会社が保険金の支払い責任を負わない一定の理由のことです。免責事由としてあらかじめ定められたケースでは、保険金の請求ができません。どのようなケースが免責事由に該当するのかは、保険によって変わります。

一般的に、ワクチン接種にかかる費用や避妊手術の費用、健康診断費用といった治療以外の費用は免責事由として挙げられることが多いようです。ほかに、自然災害によるケガなども免責事由になります。

なお、ワクチン接種費用や避妊手術の費用などは、多くのペットに必要になる費用です。飼育にかかる費用としてしばしば紹介されますが、保険は利用できない可能性が高いので注意しなければいけません。

免責金額

免責金額とは、保険会社が保険金を支払う責任を免除される一定金額のことです。免責金額として設定された金額までは、保険契約者が自己負担をしなければいけません。

例えば、補償割合が50%、免責金額が1日5,000円というペット保険に加入していた場合に、診察費用が1万2,000円かかったときは、1万2,000円の50%である6,000円が補償金額になります。しかし、5,000円は免責金額なので、実際に支払われる保険金は1,000円です。

なお、ペット保険では、免責金額の設定がある保険とない保険があるほか、保険会社によって免責金額は異なります。ペット保険に加入する目的などに応じて選択しましょう。

免責期間

免責期間とは、補償の対象とならない期間のことです。ペット保険に加入した直後は免責期間となり、ケガや病気によって通院や入院、手術などをしても補償の対象になりません。これは、免責期間の設定がない場合、ペットの調子が悪いという人がペット保険に加入した直後に病院にかかって治療を始めるといったことを防ぐためです。免責期間の有無や日数は保険会社によって異なりますが、30日程度の場合が多いようです。

なお、ペット保険の中には、免責期間がないものもあります。ペットの不調は、いつ、どのように起こるかわかりません。免責期間のないペット保険なら、加入直後の病気やケガでも安心ですが、その分保険料が高めに設定されている傾向があるため注意が必要です。

免責金額の設定があるペット保険のメリット・デメリット

免責金額の設定があるペット保険のメリット・デメリット

ペット保険の免責金額は、一概にあり・なしのどちらにするか決めることはできません。各家庭によって適した保険の内容は変わるため、メリットとデメリットを踏まえて選択することが大切です。

ここでは、免責金額の設定があるペット保険のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

メリット:月々の保険料を抑えられる

免責金額の設定があるペット保険は、同程度の補償を受けられる免責金額の設定がないペット保険に比べて保険料が安く、月々の保険料を抑えることができる点がメリットです。

例えば、治療費を補償するペット保険で免責金額の設定があると、治療を受けた際に受け取れる保険金は少なくなりますが、その分保険会社の負担が減るため、月々の保険料は安くなります。

メリット:高額な治療費に対する補償が手厚い傾向

免責金額の設定があるペット保険のメリットは、1日あたりの保険金に支払い上限がない場合が多く、高額な治療費に対する補償が手厚い傾向にある点です。ペット保険の中には、1日あたりの保険金の支払い額や支払い日数、1回の手術あたりの給付金額などに上限が設定されているものがあります。

しかし、上限が決まっていると、それを超える高額な治療を受けた場合に十分な補償を受けられなくなってしまうことがあります。

なお、「免責金額の設定があれば必ず上限がない」「免責金額の設定がないと必ず上限が設定されている」というわけではありませんが、傾向として、免責金額が設定されている保険のほうが、上限なしで利用できるペット保険が多いようです。

ただし、1日あたりの保険金の支払い額や支払い日数などに上限が設定されていないペット保険でも、通常、年間の給付金額の上限は設定されています。年間の給付金額の上限は保険会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

デメリット:免責金額以下の治療費は保険金が支払われない

免責金額の設定があるペット保険のデメリットは、免責金額以下の治療費に対して保険金が支払われないことです。

少額の治療を繰り返し受けるような場合は保険が適用されにくく、メリットを感じられない可能性があります。そのため、免責金額の設定がされているペット保険は、日々の小さな治療にかかる費用を抑えるために利用するのではなく、大病や入院、手術などをして高額な治療費がかかった際の負担を軽減することを期待する場合に加入する保険だといえるでしょう。

免責金額の設定がないペット保険のメリット・デメリット

免責金額の設定がないペット保険のメリット・デメリット

免責金額の設定がないペット保険にも、メリットとデメリットがあります。ペット保険を選ぶ際は、メリットだけでなくデメリットにも目を向けて比較検討することが大切です。免責金額の設定がないペット保険のメリットとデメリットについてご紹介します。

メリット:治療費の全額が補償対象になる場合がある

免責金額の設定がないペット保険のメリットは、治療費の全額が補償の対象になる場合があることです。自己負担分がないため、少額の治療でもペット保険を利用しやすく、細かい治療費の積み重ねを心配することなく、安心して動物病院にかかることができます。

ただし、免責金額がないからといって、治療費の全額が補償されるとは限らない点には注意してください。ペット保険では、補償割合があらかじめ決められており、免責金額がないペット保険では、かかった治療費のうち、補償割合に応じた金額が補償されます。例えば、治療費が1万円で補償割合が70%の場合、7,000円が補償金額となり、残りの3,000円については自己負担することになります。

デメリット:保険料が高額になりやすい

免責金額の設定がないペット保険は、同等の補償内容で免責金額の設定があるペット保険に比べ、保険料が高額になりがちな点がデメリットです。補償割合や治療費が同じでも、免責金額の設定がなければ、保険会社が補償する保険金が高くなるため、月々の保険料が高めに設定されています。

また、免責金額のないペット保険は、1日あたりの保険金の支払い額や支払い日数などに上限が設定されていることが多く、高額な治療費が必要になった際、十分な補償を受けられない可能性もあります。

そのため、免責金額の設定がないペット保険は、治療費を気にせず気軽に病院にかかりたい場合などに適しているといえますが、高額な治療を行う場合は注意が必要です。

ペット保険に加入する際には免責について確認をしよう

ペット保険に加入する際は、免責事由免責金額免責期間の3つについて確認を行いましょう。ペット保険の免責は、あり・なしどちらの場合にもメリットとデメリットがあります。ご家庭の経済状況やペットのケガや病気のリスク度合いなどを踏まえて、適したペット保険を選んでください。

例えば「ペットの薬代などは極端に高いわけではない」「高額な治療費が必要になった場合、支払うことはできるが貯金が減ることに対して心もとなさを感じる」「いくらでもペットにお金を払えるというわけではない」といったご家庭なら、月々の負担を抑えつつ、高額な治療費に備えることができる免責金額の設定があるペット保険の加入を検討することをおすすめします。

一方、「日々の細かい治療費が気になる」「1回あたりの治療費の支払い額を抑えたい」という場合は、免責金額がなく、補償割合が低めの保険がおすすめです。

ペット保険は免責金額のあり・なしをチェックしてから加入しよう

ペット保険を契約する際は、契約内容や実際に受け取ることができる保険金の額を理解しておく必要があります。また、免責事由や免責金額、免責期間をチェックしておかないと、期待した補償を受けられないかもしれません。さまざまなパターンを想定してシミュレーションをしながら、家庭とペットの状況に適したペット保険を選ぶことが大切です。

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