ペット保険の使い方とは?具体的な保険金の精算方法について解説

ペット保険の使い方とは?具体的な保険金の精算方法について解説

 ペット保険の加入を検討しているものの、窓口での精算方法や、保険金の請求方法がイメージできないという人もいるのではないでしょうか。

 この記事では、ペット保険の具体的な補償内容から、どのようにして保険金の精算を行うのかまで、ペット保険の基本的な使い方について解説します。
目次
ペット保険の補償内容
保険が適用される病気やケガの条件
すべての病気やケガに使えるとは限らない
■ペット保険に関する注意点
契約内容によって補償額が変わる
いつから補償が開始されているかを確認する
■ペット保険の保険金の請求方法
後日精算
窓口精算
■ペット保険の保険金の請求に必要なもの
診療明細書と領収書の原本
保険金請求書
■ペット保険の使い方を知って、比較検討をしよう

ペット保険の補償内容

 ペット保険の補償内容は主に、動物病院にかかった際の診療費、治療費、薬代などが補償される「通院補償」、入院そのものにかかる費用が補償される「入院補償」、手術費用や手術の際の麻酔費用が補償される「手術補償」の3つです。

 保険会社によっては、特約を付帯して補償範囲を広げることも可能です。賠償責任(他人やほかのペットにケガを負わせたときや、物を壊してしまったときなど)や、お別れのセレモニー費用(火葬や葬儀代など)を補償の対象とする商品もあります。

保険が適用される病気やケガの条件

 補償される具体的な病気やケガは、保険会社やプランによって異なるものの、一般的には保険期間内に発症した病気やケガは補償の対象となります。アニコム ホールディングス株式会社「家庭どうぶつ白書 2023」によると、犬は消化器疾患、皮膚の疾患、耳の疾患の請求割合が高く、猫は消化器疾患、泌尿器疾患、皮膚の疾患の請求割合が高くなっています。

 なお、通院、入院、手術ごとに支払い可能な保険金の上限や請求できる日数(回数)に制限があることが多いので注意が必要です。

すべての病気やケガに使えるとは限らない

 保険会社によっては、特定の病気やケガを補償対象外としている場合もあります。そのため、保険に加入する前に、補償内容を保険約款で確認することが重要です。

 また、通常、予防接種避妊去勢手術出産歯科治療(歯周病の治療や歯石取り)、または先天性の病気や加入前からかかっていた病気・ケガなどは、補償の対象外となることがほとんどです。

ペット保険に関する注意点

ペット保険に関する注意点

 ペット保険の補償額は、保険会社や契約内容によって大きく変わります。また、多くの場合、契約には待機期間があるため注意が必要です。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

契約内容によって補償額が変わる

 ペット保険の補償額は、契約している保険の補償割合によって異なります。補償割合とは、ペットに治療費が発生した際に加入者が受け取れる保険金の割合のことで、ペット保険の多くが50〜100%の補償割合を用意しています。中でも、50%か70%の2種類を用意しているところが多いようです。

 例えば、1万円の治療費がかかったとして、補償割合が50%の場合は、半額である5,000円が保険金として支払われ、5,000円が自己負担金となります。70%の場合は7,000円が保険金として支払われ、残りの30%である3,000円が自己負担金となります。補償割合が高くなるほど、その分保険料が高額になる傾向にあります。

いつから補償が開始されているかを確認する

 多くのペット保険には契約初年度に待機期間があり、契約してからすぐに補償が開始されるわけではありません。この待機期間は、保険金の不正請求を防ぐためだけではなく、潜伏期間のある病気を考慮して設けられています。

 一般的には、契約から30日間の待機期間が設定されていることが多く、その期間にペットが病気やケガで動物病院にかかったとしても、その分の費用は補償されないため注意が必要です。

 待機期間のないペット保険もありますが、実際に補償が始まるのは「補償開始日」以降です。審査や受付処理の期間もあるため、補償がいつからスタートするのかはあらかじめ確認しておきましょう。

ペット保険の保険金の請求方法

 ペット保険の保険金の請求方法は、大きく分けると「後日精算」、「窓口精算」の2つです。ここでは、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。 

後日精算

 後日精算では、動物病院の窓口でいったん診療費を全額支払った後、必要な書類をそろえて保険会社に郵送し、保険金を請求します。その後、所定の日付になると保険会社から指定の口座に保険金が振り込まれます。

 書類の作成や郵送に手間がかかることと、郵送費用がかかってしまうことはデメリットですが、ほとんどの保険会社がこの方法を採用しており、最もオーソドックスな請求方法といえるでしょう。また、どこの動物病院でも利用できることはメリットです。

 保険金の支払いまでにかかる日数は保険会社によって異なりますが、多くの場合30日程度です。 

窓口精算

 窓口精算はその名のとおり、ペット保険証を動物病院の窓口で提示して、その場で自己負担金のみを支払う方法です。人間が病院の窓口で健康保険証を提示するのに近いイメージで使うことができます。

 書類を提出する必要がなく、とても簡単で便利ですが、窓口精算に対応している動物病院しか利用できず、どこでも利用できるわけではないため、注意が必要です。また、窓口精算に対応しているペット保険は保険料が高額になる傾向があります。

ペット保険の保険金の請求に必要なもの

ペット保険の保険金の請求に必要なもの

 ペット保険の保険金が後日精算の場合、ほとんどの保険会社で診療明細書領収書保険金請求書の提出が求められます。それぞれの書類について注意すべき点があるので説明していきます。

診療明細書と領収書の原本

 動物病院を受診した際、診療明細書領収書が窓口で発行されます。ペット保険の保険金を請求する際には、診療明細書に被保険者名(飼い主の名前)、ペットの名前と品種、動物病院情報(病院名・所在地・連絡先・獣医師名)、診療日、入院期間、傷病名などの記載が必要であることが多いため、窓口で受け取った際に確認するようにしましょう。これらの書類がないと保険金を請求できなくなってしまうこともあるため、必ず持ち帰り、保管するようにしてください。

保険金請求書

 保険金請求書は、治療費が発生した際に保険金を請求するために提出する書類です。保険会社によって書式が異なります。加入している保険会社のサイトからダウンロードの上、必要事項を記入しましょう。

ペット保険の使い方を知って、比較検討をしよう

 この記事では、ペット保険の使い方について解説しました。人間と違って、ペットには公的な健康保険がありません。そのため、病気やケガで動物病院を受診した際には、基本的に全額自己負担となります。

 入院や手術が必要になった場合は、思いがけず経済的に大きな負担となることもあるでしょう。ペット保険はペットが若く健康なうちでないと加入できないこともあるため、できるだけ早期に検討するのがおすすめです。また、ペット保険を選ぶ際には、保険料はもちろん、補償割合、補償範囲、請求方法など、さまざまな条件を確認する必要があります。

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