ペット保険で薬代が補償される?対象になる場合とならない場合を解説

ペット保険で薬代が補償される?対象になる場合とならない場合を解説

 ペットが病気やケガをして動物病院にかかると、薬が処方されることがあります。このような薬代も、ペット保険の補償の対象になります。ただし、薬の中にはペット保険の補償対象にならないものもあります。何がペット保険の補償対象になって、ならない薬代は何かを知っておきましょう。

 この記事では、ペット保険の対象にならない薬の費用や、飼い主だけで薬をもらった場合に対象になるのかといった、ペットの薬と保険の関係について解説します。
目次
■治療目的なら薬代は保険の補償対象になる
ペット保険の対象にならない費用
■ペットにかかる治療費や薬代は病院次第
■ペット保険の補償対象でよくある質問
飼い主だけで薬をもらいに行った場合は補償対象になる?
薬浴はペット保険の補償対象になる?
■ペットの病気やケガの治療費・薬代はペット保険で備えられる

治療目的なら薬代は保険の補償対象になる

 ペットの薬代は、治療を目的としている場合に限りペット保険の補償対象になります。例えば、病気の治療のために処方された飲み薬や、ケガの治療のために処方された塗り薬、診察時に治療のために塗布されたり投与されたりした薬代などは、基本的にすべてペット保険の補償対象です。

 ただし、治療目的ではなく予防のために処方されるフィラリアやノミ・ダニの予防薬、病院で購入した治療目的ではないシャンプーの代金などは、ペット保険の補償対象になりません。

ペット保険の対象にならない費用

 基本的にペット保険の補償対象となるのは治療を目的としたものに限られ、動物病院で受けた施術のすべてが対象になるわけではありません。後で慌てないよう、どういった費用が補償対象外なのか知っておきましょう。

 下記は、動物病院への支払いのうち、ペット保険の補償対象にならないものの一覧です。

ペット保険の補償対象にならないもの
・既往症・先天性異常などによる病気の治療費
保険期間開始前に発症した既往症や、保険期間開始前に見つかった先天性異常の治療費

・ワクチンなどで予防できる病気の治療費
ワクチンを接種することで防げる病気の治療費(ワクチンを接種しても発症した場合など、例外的に対象になる場合がある)
 
・予防目的の費用
ワクチンの費用やフィラリアの予防薬、ノミ・ダニ予防薬など、予防を目的とした費用

・病気やケガの治療にあたらない費用
去勢・避妊手術や爪切り、肛門腺しぼりなど、動物病院で支払った病気やケガの治療以外の費用

・検査費用
健康診断など検査のための費用(体調不良の原因を探るための検査費用などは補償対象)

・健康食品や医薬部外品の費用
動物病院で処方されたサプリ代など医薬品以外の費用

・代替医療費
アロマテラピーなど、代替医療にかかる費用

・治療費以外の費用
マイクロチップ埋め込み費用や往診料など、治療費以外の費用

・自然災害による傷病の治療費など
地震など自然災害によるケガなどの治療費

・保険契約者や被保険者の過失による傷病の治療費など
飼い主の重大な過失によるペットのケガなどの治療費

 ※関連記事:
  ワクチン接種はペット保険の補償対象?防げる病気や費用について解説

ペットにかかる治療費や薬代は病院次第

ペットにかかる治療費や薬代は病院次第

 動物病院は自由診療のため、ペットの治療費は治療を受ける病院によって異なります。薬価についても同様です。

 ここでは、一例として一般処置(治療費)の相場を見てみましょう。なお、これは薬をペットに与えるのに必要な費用で、薬代は別途かかります。薬の種類によっても価格が変わるため、薬の代金は一概に言えません。

 公益社団法人日本獣医師会が2023年に発表した「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」によると、内服薬を1回調剤した場合の費用は、500円未満と答えた病院が最も多く31.6%でしたが、次いで「無料」とする病院が28.3%です。治療中に医師や看護師がペットに薬を飲ませる経口投与の場合も、500円未満という病院が最も多く39.1%でしたが、29.7%は「無料」と答えています。

 このように、薬をペットに与えるだけでも、治療費がかかる病院とかからない病院があります。

 ※参考:
  公益社団法人日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査

ペット保険の補償対象でよくある質問

 ペット保険の薬に対して、補償対象となるか迷う場合があります。ここでは、よくある質問とその答えをご紹介しましょう。

飼い主だけで薬をもらいに行った場合は補償対象になる?

 獣医師法によって、診察なしでの薬の処方は禁じられています。薬の種類によっては可能な場合もありますが、基本的には診察せずに薬だけもらうことは不可能と考えてください。詳細は加入しているペット保険の規約によりますが、ペット保険は基本的に診療費に対して補償を行うものです。飼い主だけでペットの薬をもらいに行った場合は、ペット保険の補償対象外の可能性が高いでしょう。

 ただし、「診察を受けた際に、たまたま薬が品切れで後から取りに行った」といった場合は、対象になる可能性もあります。詳細は加入しているペット保険に問い合わせてみてください。

薬浴はペット保険の補償対象になる?

 皮膚病などの治療のために行う薬浴は、ペット保険の補償対象になる場合が多いでしょう。ただし、補償範囲はペット保険によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

 なお、保険加入前から皮膚炎がある場合は、その他の病気と同様に補償の対象外になります。

 前述の「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」によると、薬浴の費用は3,000円〜5,000円未満が28.1%で最多、中央値は4,000円でした。薬浴は繰り返し行う必要がある場合が多いため、その分費用もかさみがちです。ペット保険を利用することで、負担を軽減できるでしょう。

ペットの病気やケガの治療費・薬代はペット保険で備えられる

 ペットの病気やケガの治療に必要な診察代や薬代は、基本的にペット保険の補償対象になります。人間のような健康保険制度がないペットは、治療費が高額になることも珍しくありません。ペットの万が一のときに必要な治療を受けさせるため、ペット保険の加入を検討しましょう。

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