ペット保険の相場はどのくらい?加入の必要性や選び方を解説

ペット保険の相場はどのくらい?加入の必要性や選び方を解説

 ペット保険の保険料は、保険会社やプランによって異なるのはもちろん、ペットの種類や大きさ、年齢によっても大きく変わり、補償範囲や補償割合、特約の有無などによっても変動します。

 この記事では、ペット保険の保険料の相場と選び方について解説します。ペット保険への加入を検討している人や、どの保険に入ろうか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
■そもそもペット保険とは?
ペット保険の補償対象となる動物
ペット保険の補償内容
■ペット保険の保険料の相場
犬の保険料の相場
猫の保険料の相場
うさぎの保険料の相場
ハムスターの保険料の相場
鳥類の保険料の相場
■ペット保険のメリット
補償が得られる
治療の選択肢が増える
特約をつけられる
■ペット保険のデメリット
保険料は掛け捨て
補償されない病気や手術などがある
補償回数や限度額がある
年齢ごとに保険料が上がる
■ペット保険を選ぶ際のポイント
保険料が適正か
かかりやすい病気が補償されているか
年齢や既往症など、加入条件を満たしているか
待機期間があるか
保険金の請求方法
■ペット保険は相場や条件を確認し、必ず比較検討を

そもそもペット保険とは?

 ペット保険とは、ペットが病気やケガなどで治療を受けた際の費用を補償するもので、飼い主の経済的な負担を軽減する民間の保険です。ペットには人間と違って公的な保険制度がなく、病気やケガなどの治療を動物病院で受けたときに負担する費用は、基本的に全額飼い主の自己負担となります。

 特に入院や手術、長期の通院が必要となった場合は、高額な医療費がかかることも珍しくありません。そのようなとき、飼い主の経済的な負担を一部軽減してくれるのがペット保険です。

ペット保険の補償対象となる動物

 ペット保険の補償対象となるのは主に犬と猫ですが、保険会社によってはうさぎやハムスターなどの小動物、鳥類などを対象にしているところもあります。

ペット保険の補償内容

 ペット保険の補償内容は、主に「通院」「入院」「手術」の3つです。保険会社によっては、入院・手術のみを補償するタイプと、それに加えて通院を補償するタイプの2種類を用意しているところもあります。その場合、通院補償がついているタイプの保険は、つかないタイプに比べて保険料が高額になります。

・通院
通院補償がついていると、ペットが病気やケガで治療を受けた際の費用が補償対象となります。ただし、予防接種や健康診断のように、それ自体治療が目的でない処置の費用は補償されません。

・入院
入院補償があれば、ペットが病気やケガで入院した際の診療費(診察、治療、投薬)と入院費(宿泊、食事)が補償対象となります。

・手術
手術が必要な病気やケガの診療費を補償対象とすることもできます。一般的に「手術そのものにかかる費用」が補償の範囲とされており、これには麻酔費用も含まれます。

ペット保険の保険料の相場

ペット保険の保険料の相場

 ペット保険の保険料の相場は、ペットの種類や年齢、補償内容によって変動します。ここでは、各社のWebサイトを参考に、保険料について比較してみました。

犬の保険料の相場

 犬の場合、大きさと年齢によって保険料が変わります。一般的に、小型犬よりも大型犬のほうが保険料は高額になり、年齢が上がるにつれて保険料も上がる保険会社がほとんどです。

 0歳のチワワ、補償割合を70%(通院補償あり)として試算すると、各社の保険料は下記のようになります。

■ペット保険の保険料(0歳、チワワ、補償割合70%)

保険会社

保険料(月払)

A社

1,790円

B社

1,820円

C社

1,950円

※2024年3月23日時点

 また、5歳のラブラドール・レトリーバー、補償割合を50%(通院補償あり)として試算すると、各社の保険料は下記のとおりです。

■ペット保険の保険料(5歳、ラブラドール・レトリーバー、補償割合50%)

保険会社

保険料(月払)

D社

3,070円

E社

3,450円

F社

4,390円

※2024年3月23日時点

猫の保険料の相場

 猫の場合、品種によって保険料の違いを設けている会社はほとんどありません。しかし、「品種好発性疾患」のリスクがある血統書付きの猫は、診療費が高額になる場合もあるため、飼い猫の品種に合った保険を選ぶ必要があるでしょう。また、猫も犬と同様に、年齢が上がるほど保険料が高くなります。

 0歳のミックス、補償割合を70%(通院補償あり)として試算すると、各社の保険料は下記のようになります。

■ペット保険の保険料(0歳、猫・ミックス、補償割合70%)

保険会社

保険料(月払)

B社

1,580円

A社

1,690円

C社

1,950円

※2024年3月23日時点

うさぎの保険料の相場

 うさぎはデリケートな動物で、環境の変化などに敏感です。草食動物であるうさぎは消化器系の病気にかかりやすいので、動物病院に通いやすいよう、通院補償のあるプランを選択することをおすすめします。

 0歳、補償割合を70%(通院補償あり)として試算すると、各社の保険料は下記のようになります。

■ペット保険の保険料(0歳、うさぎ、補償割合70%)

保険会社

保険料(月払)

G社

2,400円

H社

2,810円

※2024年3月23日時点

ハムスターの保険料の相場

 ハムスターの寿命は2〜3年と短く、うさぎと同様にデリケートです。悪性の腫瘍や皮膚病にかかりやすく、その場合は通院や手術が必要になります。

 0歳、補償割合を70%(通院補償あり)として試算すると、各社の保険料は下記のようになります。

■ペット保険の保険料(0歳、ハムスター、補償割合70%)※2024年3月23日時点

保険会社

保険料(月払)

H社

1,420円

I社

2,890円

鳥類の保険料の相場

 インコやオウム、文鳥など、家庭で飼育されている鳥を対象としたペット保険もあります。鳥がかかりやすい病気は、呼吸器疾患や卵詰まりなどがありますが、感染症にも注意が必要です。鳥は犬や猫に比べて表情を読み取りにくく、体調不良がわかりにくいので、いざというときのためにペット保険に加入しておくと安心です。

 各社の保険料は下記のようになります。

■ペット保険の保険料(0歳、鳥、補償割合70%) ※2024年3月23日時点

保険会社

保険料(月払)

H社

2,230円

G社

2,450円

ペット保険のメリット

ペット保険のメリット

 ペット保険に加入するメリットは、いくつかあります。具体的にどのような点で恩恵が得られるのか、詳しく見ていきましょう。

補償が得られる

 ペット保険に入っていない場合、ペットの治療費は全額飼い主の自己負担となります。そのため、急な病気やケガで長期の通院が必要になったり、手術・入院が必要になったりしたときは、高額な治療費の請求に頭を抱える人も少なくありません。ペット保険に加入していると、治療費の一部が補償されるため、飼い主の負担を減らすことができます。

治療の選択肢が増える

 高額な治療でも保険が適用されれば負担が軽減されるので、治療費を気にせずペットの健康を最優先に考えることができます。

特約をつけられる

 保険会社によっては、保険に特約をつけることができます。例えば、賠償責任特約は、ペットが他人に噛み付いてケガをさせたり物を壊したりなどの賠償責任が生じた場合に、限度額の範囲で保険金が支払われる仕組みです。

 また、ペットの葬儀費用を補償対象とする特約もあり、大切なペットとお別れしなければならなくなった際、精神的にも負担を軽減してくれます。

ペット保険のデメリット

ペット保険のデメリット

 ペット保険に加入していれば、治療費が補償されるため安心ですが、その一方でペット保険にはデメリットもあります。ひとつずつ見ていきましょう。

保険料は掛け捨て

 ほとんどのペット保険は保険料が掛け捨てであり、解約時や満期時に返戻金はなく、あったとしてもごくわずかです。ペットが病気やケガをせず、健康に過ごせることは喜ばしいことではありますが、動物病院にかかる機会がなければ、補償を受け取る機会もなく、支払った保険料が戻ってくることはありません。

補償されない病気や手術などがある

 ペット保険は、動物病院で受けた処置すべてを補償するわけではありません。基本的に、健康診断やワクチン接種などの「予防」を目的とした行為や、妊娠・出産、避妊・去勢手術、マイクロチップの挿入費用などは補償の対象外となります。

 また、ペット保険の補償対象外となる病気もあります。下記のような病気やケガは、保険会社によっては補償対象外となるので注意が必要です。

<ペット保険の補償対象外となりやすい病気やケガ>
・停留睾丸
・臍ヘルニア、鼠径ヘルニア
・歯周病
・膝蓋骨脱臼(パテラ)
・椎間板ヘルニア
・股関節形成不全
 さらに、先天性異常などペット保険に加入する前からかかっていた病気やケガ、自然災害によるケガ、予防接種で防ぐことができる病気になった場合の治療費用は、ほとんどの場合、補償の対象外となります。アロマセラピーなどの代替医療やサプリメントにかかる費用も補償の対象になりません。

 加入後、認識違いでトラブルにならないよう、補償の対象に何がなっていて何がならないか、契約の際は約款や重要事項説明書を確認することをおすすめします。

補償回数や限度額がある

 ペット保険には、年間の支払回数や1日の支払金額に上限があるものがあります。例えば、「診察は年間20回、手術は2回まで」といった回数制限がある保険では、これを超えた分は補償されません。

 また、多くの保険で補償限度額が設定されています。補償限度額とは、最大で補償される補償金額のことです。「入院」、「通院」、「手術」それぞれの補償に対して、「1日あたりの利用限度額」を設定した上で、年間の利用回数を制限しているタイプの保険と、回数の制限なく利用できるものの「1年あたりの利用限度額」が決められているタイプの保険があります。

年齢ごとに保険料が上がる

 犬や猫の場合、ペット保険の保険料は一定ではなく、更新時に切り替わることがほとんどです。一般的に、ペットの年齢が上がるにつれて保険料は高額になります。これは、ペットの年齢が上がると、病気やケガのリスクも高まることによるものです。

 保険料は毎年上がるわけではなく、0〜2歳、3〜5歳、6〜8歳などのように、一定の区切りを設けている保険会社が多くなっています。

ペット保険を選ぶ際のポイント

ペット保険を選ぶ際のポイント

 ペット保険を選ぶ際は、いくつかポイントがあります。下記のような点を意識して検討しましょう。

保険料が適正か

 まず保険料についてチェックします。前述したように、保険料はペットの種類や大きさ、補償内容、補償対象などにより大きく変わるため、しっかり確認しましょう。

 多くの保険会社のWebサイトでは、見積もりシミュレーションができるので、そちらも参考にしてください。相場と比べて保険料が極端に高い場合、より条件に合った保険があるかもしれません。

かかりやすい病気が補償されているか

 ペットの種類によって、かかりやすい病気は異なります。自分のペットがどのような病気にかかりやすいのか、また、その病気が補償対象外になっていないか、加入前に確認しましょう。

・犬がかかりやすい病気
犬は、哺乳類の中でも、消化器系の病気にかかりやすい動物です。そのため、下痢や軟便、嘔吐などの症状が出やすくなります。皮膚病にもかかりやすく、特にラブラドール・レトリーバーなどの垂れ耳の犬種は、外耳炎を発症することも多いようです。
また、犬種によってかかりやすい病気があり、例えばトイプードルは糖尿病、チワワは弁膜症、ミニチュアダックスフントは椎間板ヘルニア、柴犬はアトピー性皮膚炎にかかりやすいことがわかっています。

・猫がかかりやすい病気
猫は、体の老廃物を尿として出す能力が犬の半分程度しかなく、腎臓病にかかりやすいといわれています。食べ物がドライフード中心にもかかわらず、犬と比べて水を飲むことへの欲求が低いことも、腎臓病にかかりやすい一因です。このほか、膀胱炎や胃腸炎、糖尿病、感染症にもかかりやすいとされています。

年齢や既往症など、加入条件を満たしているか

 ペット保険のほとんどの商品には、加入時の年齢に制限を設けています。また、ペット保険の加入はペットが健康体であることが原則であるため、過去にかかった病気によっては加入を断られることもあります。

待機期間があるか

 待機期間とは、保険契約が開始されてから一定の期間、病気になっても保険会社から保険金が支払われない期間のことを指します。この期間は保険会社によって異なりますが、契約から30日間と定められている場合が多いようです。

 この待機期間中に発症した病気はその後も保険が適用されないため、病気になった場合、その治療費はすべて自己負担となります。ただし、ケガについては待機期間中でも補償対象となる場合が多いです。ペット保険に加入する際は、待機期間の有無や期間、待機期間中の補償内容などを確認することが重要です。

保険金の請求方法

 ペット保険の保険金の請求方法は、主に「後日精算」、「窓口精算」の2つです。保険会社によって採用されている方式が異なるので、自身の希望する方式があるか確認しましょう。

後日精算
後日精算とは、動物病院で治療費を全額支払った後、診療費明細書や領収書、保険金請求書を保険会社に送付し、保険金を請求する方式です。請求書類が保険会社に届き、必要な審査・手続きが行われた後、指定の口座に保険金が振り込まれます。最もオーソドックスな保険金の請求方法です。

窓口精算
窓口精算は、動物病院の窓口でペット保険証を提示すると、補償割合に応じて自己負担金額が計算され、その場で精算を完了させることができます。この請求方法は、各ペット保険会社が提携している動物病院に限り行うことができます。

ペット保険は相場や条件を確認し、必ず比較検討を

 今回は、ペット保険の保険料の相場と、ペット保険の選び方について解説しました。ペット保険の保険料は、ペットの種類や大きさ、年齢などの条件によって大きく変わるため、まずは自分のペットの飼育環境に合った保険会社やプランがあるかを探してみてください。

 人間の保険にもメリットとデメリットがあるように、ペット保険も同様です。保険料だけでなく、補償内容や補償範囲、請求方法など、複合的に見て判断することをおすすめします。複数の保険会社とプランを比較して、ご自身とペットにはどの保険が合っているか検討しましょう。

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