いつかは訪れる「ペットロス」への対策
ここでは、ペットロス症候群とはどんな症状を指すのか、またペットロスになってしまう原因や、そうならないために「日頃からどんな対策ができるのか」をご紹介します。
ペットロスとはどういうものか
・突然涙が止まらなくなる
・疲労感が続く
・腹痛や頭痛などの体調不良が続く
・食欲不振
・やる気の低下
・喜びや楽しさを感じられなくなる
・孤独感や不安感にさいなまれる
・ペットの死に関わることになった人や物を責め続ける
・幻聴や幻覚を感じる
・不眠
症状が悪化すると「うつ病」になってしまい、メンタルクリニックを受診する必要が出てくることもあります。
悲しみの5段階とは
1. 拒否・否認
ペットが亡くなったという事実を拒否・否認する段階になります。ペットがまだ生きているのではないか、獣医師や周囲の人の言葉は嘘なのではないかという心理状態となり、ペットの葬儀などにも踏み出すことができません。ペットが使っていた食器やおもちゃの処分もできなくなります。
2. 怒り
生きているあいだにもっと何かしてやれたはずという、後悔による自分や家族への怒りのほか、ペットの治療や薬の処方などをしていた獣医師など、他者への怒りが発生します。
3. 交渉・取引
何かと引き換えにペットを生き返らせてほしいと、願掛けや神頼みをしてしまうことがあります。
4. 抑うつ
強い悲しみによってやる気が失われ、ネガティブな感情ばかりになります。何に対しても楽しみや喜びを感じなくなり、無気力な状態になってしまうことが多いようです。
5. 受容
時間の経過とともに、ペットの死を受け入れる段階です。時折悲しみに襲われることはあっても、徐々にポジティブな感情も持てるようになり、日常生活も問題なく送れるようになっていきます。
ペットロスから回復できない原因とその対策
■病気による早死のケース
病気などで早死にしたなど、飼い主の行動によっては避けることができた可能性があるような死に方をした場合は、「早期の治療や生活習慣の改善はできなかったのか」と、自分を責める感情が大きくなってしまいます。
対策:病気を予防するためには、毎日適度な運動をさせてあげたり、健康管理できる餌を与えたりすることも大切です。また、病気の早期発見のためや、治療となった際に治療費の問題で躊躇するようなことのないよう、ペット保険に加入しておくこともおすすめです。
■突然の事故死などのケース
ペットが突然、事故死などをしたケースでは、「なぜ防げなかったのか」など、後悔や罪悪感から立ち直ることが難しくなってしまいます。
対策:事故死を避けるためにも、犬の場合はリードをつけずに散歩をしない、猫や鳥などの場合は誤って外へ出してしまわないよう注意するなど、日頃からの対策が必要となります。
■ペットへの依存度が高い人のケース
「家族がペットだけ」「ペットとの交流が生きがいである」など、ペットへの依存度が高い人ほど、ペットロスは長期化しやすくなります。
対策:ペットへの依存度が高い場合、ペットの死の瞬間に立ち会えるかどうかでも、ペットロスの症状は変わります。「寂しい思いをせず天国に行けた」と考えられることで、ペットロスで生じる罪悪感を小さくすることができるでしょう。また、すぐに火葬や葬儀をするのではなく、ペットが亡くなったあとに「お別れの時間」を設けることもできます。
あれこれと考えず、思いきり泣いてしまうということも大切です。大人の男性に特にありがちですが、悲しみを抑圧してしまうことはペットロスを悪化させてしまうことにつながります。また、強く孤独を感じている人の場合は、信頼できる友人やペットロスの経験者に話を聞いてもらったり、アドバイスを受けたりすることもおすすめです。