2015年08月18日 09時10分

厚生労働省が2014年簡易生命表を発表、平均寿命 男80.50年、女86.83年

2014年の簡易生命表では平均余命が男女とも前年を上回った(写真はイメージ) [拡大する]

2014年の簡易生命表では平均余命が男女とも前年を上回った(写真はイメージ)

 厚生労働省はこのほど、2014年の簡易生命表を発表した。それによると、日本人の平均寿命は、男が80.50年、女が86.83年で、前年と比較して男は0.29年、女は0.22年上回った。主な年齢の平均余命をみると、男女とも全年齢で前年を上回った。平均寿命の男女差は前年より0.07年減少した。

 平均寿命が延びたのは、性・年齢別にみた死亡状況の改善によるもの。これを死因別にみると、男は悪性新生物および肺炎、女は心疾患(高血圧性を除く、以下同じ)と脳血管疾患の死亡状況の改善が大きい。

【寿命中位数等生命表上の生存状況】

 14年簡易生命表によると、男女それぞれ10万人の出生に対して65歳の生存数は、男8万8404人、女9万3996人となっている。これは65歳まで生存する者の割合が男は88.4%、女は94.0%であることを示している。同様に、75歳まで生存する者の割合は男74.1%、女87.3%、90歳まで生存する者の割合は男24.2%、女48.3%となっている。

 生命表上で出生者のうちちょうど半数が生存すると期待される年数を寿命中位といい、14年においては男83.49年、女89.63となっている。平均寿命と比べると男は2.99年、女は2.80年上回っている。

【死因別死亡確率】

 人はいずれ何らかの死因で死亡することになるが、生命表上で、ある年齢の者が将来どの死因で死亡するかを計算し、確率の形で表したものが死因別死亡確率である。

 14年の死因別死亡確率をみると、0歳では男女とも悪性新生物が最も高く、次いで、男は心疾患、肺炎、脳血管疾患の順、女は心疾患、次いで脳血管疾患と肺炎が同率で続いている。65歳では男女とも0歳に比べ悪性新生物の死亡確率が低く、他の3死因の死亡確率が高くなっており、75歳ではさらにこの傾向が強くなっている。一方、90歳では男女とも脳血管疾患の死亡確率が75歳より低くなっている。

 前年と比較すると、0歳、65歳、75歳および90歳で、悪性新生物の死亡確率は、男女ともに上昇している。また、心疾患の死亡確率は男では上昇し、女では低下している。「悪性新生物、心疾患および脳血管疾患」の死亡確率は男では0歳および65歳では5割を超えているが、女では0歳、65歳、75歳および90歳の全ての年齢で5割を下回っている。

【特定死因を除去した場合の平均余命の延び】

 ある死因で死亡することがなくなったとすると、その死因によって死亡していた者は、その死亡年齢以後に他の死因で死亡することになる。その結果、死亡時期が繰り越され、平均余命が延びることになる。この延びは、その死因のために失われた平均余命としてみることができ、これによって各死因がどの程度平均余命に影響しているかを測ることができる。

 14年の特定死因を除去した場合の平均余命の延びを主要死因についてみると、0歳、65歳および75歳においては、男では悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患、女では悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肺炎の順になっている。一方、90歳においては男では肺炎、心疾患、悪性新生物、脳血管疾患、女では心疾患、肺炎、悪性新生物、脳血管疾患の順になっている。

 「悪性新生物、心疾患および脳血管疾患」を除去した場合の延びは、0歳では男7.28年、女6.02年、65歳では男5.88年、女4.83年、75歳では男4.41年、女3.99年、90歳では男1.89年、女2.07年となっている。

【簡易生命表について】

 14年簡易生命表は、日本にいる日本人について、14年1年間の死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の人が1年以内に死亡する確率や平均してあと何年生きられるかという期待値などを死亡率や平均余命などの指標(生命関数)によって表したものである。これらの関数は、男女別に各年齢の人口と死亡数を基にして計算されており、その関数値は現実のわが国の年齢構成には左右されず、死亡状況のみを表している。従って、日本の死亡状況を厳密に分析する上で不可欠なものとなっている。また、0歳の平均余命である「平均寿命」は、すべての年齢の死亡状況を集約したものとなっており、保健福祉水準を総合的に示す指標として広く活用されている。

 なお、簡易生命表は、人口推計などによる日本人人口や人口動態統計月報年計(概数)による死亡数、出生数を基に毎年作成している。

 また、完全生命表は、国勢調査による日本人人口(確定数)や人口動態統計(確定数)による死亡数、出生数を基に5年ごとに作成している。

(保険毎日新聞)

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