ハウスメーカーと工務店の違いは?選ぶ際のポイントを解説
この記事では、ハウスメーカーと工務店の基本的な違いやメリット・デメリットのほか、選ぶためのポイントを解説します。夢のマイホームを実現するために、ぜひ参考にしてください。
■ハウスメーカーと工務店の違い
・ハウスメーカーの特徴
・工務店の特徴
■ハウスメーカーのメリット・デメリット
・メリット:効率化により工期が短く、品質管理されている
・デメリット:費用が高め、デザインの自由度が限られる
■工務店のメリット・デメリット
・メリット:費用が比較的安価で、設計の自由度が高い
・デメリット:工期が長く、品質にばらつきがある
■ハウスメーカーか工務店かを選ぶためのポイント
・建てたい家のイメージを固め、実現できるかどうかを検討する
・複数のハウスメーカーや工務店に見積もりを依頼する
・予算内でこだわりが実現できるかどうかを見極める
■ハウスメーカーと工務店は、予算とこだわりのバランスを見極めて選ぼう
ハウスメーカーと工務店の違い
ハウスメーカーと工務店は家づくりにおいて重要な役割を果たすため、その違いを理解することが理想の家を実現する第一歩です。まずは、それぞれの特徴を詳しく解説します。
ハウスメーカーの特徴
ただし、ハウスメーカーに正確な定義は存在せず、一般的には「自社の生産設備を持ち、全国的に住宅を大量生産する企業」と捉えられています。
総合住宅展示場に出展する企業や、テレビCMを放映する住宅メーカーの多くがこれに該当しますが、大規模な地域工務店が含まれる場合もあり、一概には言い切れません。
工務店の特徴
しかし、最近では小規模に限らず、全国に拠点やモデルハウスを持つ工務店が増えているのも事実です。工務店は大きく分けると、「地域密着型」「フランチャイズ型」「中堅ビルダー型」があります。
地域密着型の工務店は、特定の地域に特化したサービスを提供するのが特徴です。地域密着型の工務店は、その地域の特性を熟知しており、地域に根差した建築を行います。
フランチャイズ型の工務店は、本部が開発した工法や規格にもとづいて建築を行うのが特徴です。これにより、建材コストの削減や技術情報の共有といった経営上のメリットを享受できます。
中堅ビルダー型の工務店は、規模が比較的大きく、ハウスメーカーのように住宅展示場への出展も行うのが特徴です。中堅ビルダー型の工務店は、隣接する県や市に支店を持ち、比較的広範囲のエリアで建築を手掛けることもあります。
ハウスメーカーのメリット・デメリット
メリット:効率化により工期が短く、品質管理されている
また、ハウスメーカーはアフターサービスも充実しているため、住宅の維持・管理において安心感が得られます。大手企業であることから経営基盤が安定しており、長期的なメンテナンスやサポートを期待できる点も魅力です。
さらに、ブランドの知名度が高いため、買い手に安心感を与えるほか、住宅の市場価値を高める効果が期待できます。ハウスメーカーの提供する豊富なプランは、住宅を購入する際の幅広い要望に応えることができ、顧客満足度を高める重要な要素です。
デメリット:費用が高め、デザインの自由度が限られる
また、ハウスメーカーのもうひとつのデメリットとして、デザインの自由度が限られることも挙げられます。標準化されたプランや仕様にもとづいて建築が行われるため、個々の細かな要望やカスタマイズに柔軟に対応することが難しいケースがあります。
特殊なオプションやプラン外の要素を追加すると、追加費用がかさむ可能性があり、結果として総費用がさらに高額になることもあります。これは、特に工務店に比べると顕著な差となり、ハウスメーカーを選択する際の注意点ともいえるでしょう。
工務店のメリット・デメリット
メリット:費用が比較的安価で、設計の自由度が高い
また、工務店は設計の自由度が高く、顧客の要望やこだわりを反映しやすいのが特徴といえます。一般的なプランに縛られることなく、個々のライフスタイルや趣味に合わせたカスタマイズが可能です。例えば、家族構成や趣味のスペースを考慮した個室の割り当てなど、顧客の細かな要望に即した設計が行えます。
工務店は地域密着型であることが多く、その地域の気候に合わせた設計を提案してくれることもあります。さらに、担当者との密接なコミュニケーションが期待できるのも魅力のひとつです。営業担当者だけではなく施工スタッフとも直接やりとりできる場合があり、より細やかな要望の伝達ができ、理解が深まる可能性があります。担当者との相性も考慮して工務店を選びましょう。
デメリット:工期が長く、品質にばらつきがある
まず、工期の長さです。ハウスメーカーの場合、建築資材の調達から施工に至るまでのプロセスがシステム化されており、建築資材は加工された状態で現場に搬入できるので、建築期間が短くなります。しかし、工務店では現場での資材加工が必要となることも多く、建築にかかる時間が長引く可能性があります。
次に、品質のばらつきが問題となることもあります。ハウスメーカーは品質管理が徹底されているため、建物の品質に一定の均一性がありますが、工務店では施工する業者によって品質に差が出る点には注意が必要です。また、アフターサービスや保証の面でも、工務店によっては十分な体制が整っていないことがあり、長期的な安心感に欠ける可能性もあります。
さらに、施工エリアの狭さもデメリットのひとつです。多くの工務店は地域密着型で事業を展開しており、サービス範囲が限定されるため、エリアを広げて工務店を探そうとしても選択肢は限定されます。これらの点は、工務店を選択する際に検討すべき重要な要素となるでしょう。
ハウスメーカーか工務店かを選ぶためのポイント
建てたい家のイメージを固め、実現できるかどうかを検討する
住宅展示場を訪れたり、複数の工務店の施工例を確認したりすることで、幅広い選択肢から理想に近い家のイメージを絞り込むことができます。
例えば、完全な自由設計を望む場合のほか、特定の内装材や断熱材を使用したい場合には、その要望がハウスメーカーの標準プランで実現可能か、それとも工務店のカスタマイズ能力に頼るべきかの判断が必要です。
理想の家づくりにおいては、こだわりのポイントに優先順位をつけ、それにもとづいて選択肢を絞り込む必要があります。自分たちがどのような暮らしを望んでいるのかを明確にし、それに適したパートナーかどうかという観点でハウスメーカーや工務店を検討しましょう。
複数のハウスメーカーや工務店に見積もりを依頼する
この段階では、単に価格だけではなく、提案内容からわかる品質やサービスのレベルも比較・検討することが重要です。複数の見積もりを比較することで、コストパフォーマンスが最も高い選択肢を見極めることができます。
また、さまざまな提案を比較することで、自分たちの要望に最も合致するプランや、考慮していなかった新しいアイディアを見つけられることもあるかもしれません。最終的な決定を下す前に複数の会社を比較することは、理想の家づくりをする上で欠かせないステップといえます。
予算内でこだわりが実現できるかどうかを見極める
例えば、ハウスメーカーで理想の間取りが難しい場合、間取りは妥協できるが長期保証やアフターサービスは妥協できないといったように、自分たちの優先順位を決めていきます。こだわりのポイントが決まったら、ハウスメーカーや工務店に対して予算や希望条件を伝え、それにもとづいた提案を依頼します。
提案されたプランと予算を比較し、最も理想に近い選択肢を見極めるには、モデルハウスや実際の施工例を参考にすることもおすすめです。最終的には、理想と現実のバランスを見つけ、妥協点も含めた総合的な判断をすることが求められます。予算内で最適な家づくりを実現するには、現実的な視点と柔軟な考え方が不可欠といえるでしょう。
ハウスメーカーと工務店は、予算とこだわりのバランスを見極めて選ぼう
ハウスメーカーと工務店を選ぶ際には、それぞれのメリット・デメリットを把握し、理想の家のイメージを固めて、実現したいポイントの優先順位をつけるのがおすすめです。そして複数の企業から見積もりを取り、予算とこだわりのバランスを見極めて、ハウスメーカーと工務店のいずれかを検討しましょう。
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