注文住宅は高い?建築費が高くなる理由やコストを抑える方法を解説
この記事では、注文住宅がほかの住宅タイプに比べて費用が高くなりがちな理由を深掘りし、賢くコストを抑える方法を解説します。
予算を明確に設定し、セミオーダーの選択や効率的な間取り設計などの工夫をすれば、コストを抑えることができるかもしれません。
注文住宅の所要資金はどれくらい?
注文住宅では、個々の希望に合わせたカスタム設計が可能で、土地の取得費用と建築費が分離されています。注文住宅を建てるときの土地取得費用を含めた所要資金は、全国平均で約4,694万円※です。
※住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」
注文住宅と建売住宅の所要資金の違い
この価格差が生まれるのは、ハウスメーカーが土地を一括購入することで諸費用を抑えることができるためです。
さらに建売住宅では、設計の標準化や建材の大量発注によりコスト削減が図られます。設計や発注を効率化することにより、品質を維持しつつ価格を抑えられるのが建売住宅の特徴です。
注文住宅が高くなる理由
設計やデザインの自由度が高い
さらに、特別な建材や最新の設備を選ぶと、コストはさらに上昇します。重要なのは、本当に必要な機能やデザイン要素かどうかを検討し、こだわるポイントを見極めることです。
資材や設備が高くなりやすい
注文住宅では小規模な発注が多く、結果として資材の単価が上昇します。資材費の単価が上がることで、注文住宅の建築費が建材や設備の価格面でも高くなるのです。
つまり、個別の要望に応えるための高い設計自由度とオリジナリティは、結果的に建築費の上昇をもたらすことになります。
工期が長くなる傾向がある
これは、建売住宅のように、既定の設計で複数の住宅を同時に建てる場合とは異なり、注文住宅の1つひとつが独自の設計を要するためです。人件費や資材の管理においても特別な注意を要し、結果として建築費全体が上昇することになります。
注文住宅の工期とコストを抑制する方法として挙げられるのは、特定の建材や仕上げ方法を標準化することや、工程管理を徹底することです。
無駄な労力や時間を削減し、全体の工期を短縮できれば、費用を抑えることにつながります。
注文住宅の建築費を抑える方法
ハウスメーカーに予算を明確に伝える
また、見積もりの段階では、実際の予算よりも少し低めに設定することで、余裕を持った資金計画を立てられます。資金計画は、希望に沿ったマイホームの実現には不可欠です。ハウスメーカー選びでは、コスト意識だけではなく、品質や信頼性とのバランスをとることも重要となります。
セミオーダーを検討する
またセミオーダーでは、デザインの初期段階からすべてを考える必要がないため、設計や建築の工程が迅速化され、より早く新しい家に住めるのもメリットです。特定の要素にのみこだわりを持ち込み、ほかの部分ではコスト効率を重視する家づくりに適しています。
セミオーダーの注文住宅なら、こだわりと予算のバランスをとりながら、効率的に理想の家を手に入れられるでしょう。
水回りをまとめるなど、効率的な間取りにする
例えば、キッチンや浴室、トイレなどを近接させることで配管の長さを短縮でき、工事の手間と材料費を抑えられます。
また、2階建ての家では2階にトイレを設けることもありますが、トイレを1階だけにすることでもコストの削減が可能です。このように、水回りを効率的に配置することは、建築費を抑えるための重要な要素となります。
なお、水回りをまとめることで、住宅建築時の設計や建築費の削減だけではなく、将来的なメンテナンス費用の削減にもつながります。効率的な間取りの計画は、長期的な住宅の運用コストを考慮する上でも重要なポイントといえるでしょう。
総2階建ての家にする
総2階建ての家は、1階と2階の柱や壁が同じ位置であるため、建築時の資材の利用効率が高まり、余分な資材を購入する必要がなくなるので、建築費の削減ができるのです。
また、壁や柱の配置が整然としているため、建物全体の構造的な一貫性が保たれ、耐震性が向上するのもメリットです。これは地震の多い地域において特に重要な要素であり、大きな安心材料になります。
さらに、壁や柱が同じ位置にあることから、メンテナンス時にコストが削減できるのもメリットのひとつです。一般的に、建築物の構造が単純であればあるほど修理や改修が容易で、結果としてメンテナンスコストは低下します。総2階建ての家は、運用コストの面でも経済的な選択となるでしょう。
シンプルな構造は将来的な改築や拡張の柔軟性も高めるため、長期的な住宅計画においても有利となります。このように、総2階建ての家は初期費用の節約だけではなく、耐震性の向上やメンテナンスコストの削減、将来的な柔軟性の面でもメリットが豊富です。
注文住宅の建築費を抑えるには、自分のニーズと予算を見極めよう
また、自分のニーズと予算を見極め、賢くバランスをとることも必要になってきます。夢のマイホームのコストを抑えるために、正しい知識を身に付けておきましょう。
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