注文住宅の平均価格は?家を建てる費用の内訳を解説

注文住宅の平均価格は?家を建てる費用の内訳を解説

住宅金融支援機構が2023年8月に発表した「2022年度 フラット35利用者調査」によると、住宅を購入した人のうち、注文住宅(土地付き注文住宅・注文住宅)を選んだのは45.7%でした。約半数が注文住宅を選んでいます。

間取りや設備などでこだわりを叶えやすい注文住宅に憧れる人は多いですが、どこにいくら費用がかかるのかわからず、不安になることもあるでしょう。今回は、注文住宅の平均価格や、費用の内訳について解説します。

注文住宅の価格相場

注文住宅は、1,000万円前後から建てられるローコスト住宅から、設備やデザインにこだわった高級注文住宅まで、価格の幅が広いです。注文住宅の価格を考える上で、まずは目安として全国の平均価格を確認しておきましょう。

国土交通省住宅局が発表した「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」では、新築住宅の建築費用は全国平均で3,866万円でした。このうち、住宅建築にあたって土地を購入した場合の全国平均費用は5,436万円です。注文住宅の価格相場は、土地取得の有無によっても大きく変わります。

注文住宅でかかる費用の内訳

注文住宅を建てる費用は大きく、「土地」「本体工事」「付帯工事」「諸経費」の4つに分けられます。それぞれどのような費用がかかるのかご紹介します。

土地にかかる費用

注文住宅を建てるにあたって、土地を取得する場合も多いでしょう。前述の「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、土地取得費用の全国平均は1,819万円でした。しかし、三大都市圏(東京・大阪・名古屋)に限った場合は2,626万円になり、どこに家を建てるかでも大きく変わってきます。
また、土地を購入する場合、土地そのものの費用のほかに、契約に関わる手数料や印紙代、土地を取得したことによる税金などもかかります。

本体工事にかかる費用

本体工事とは、建物そのものを建てる費用のことです。土地の費用を除けば、注文住宅を建てる費用のうち、75〜80%が本体工事費用の相場とされています。新築住宅の建築費用は全国平均で3,866万円のため、約2,900万〜3,093万円が本体工事の費用といえるでしょう。

本体工事に含まれるのは、仮設工事や基礎工事、木工工事といった基礎・構造から、外装や屋根の工事、窓やドア、断熱材、タイルの取り付け、電線・水道管の配線・配管、空調工事、住宅設備の設置工事などです。
ハウスメーカーや工務店などの広告でうたわれる住宅価格や坪単価は、この本体工事代金だけを指している場合があるので、注意してください。

付帯工事にかかる費用

付帯工事とは、インテリアや電気設備の設置、電線や水道管の引き込み工事、外構工事などを指します。土地によっては、地盤調査や改良が必要になったり、古い家を解体する工事が必要だったりしますが、そういった工事も付帯工事に含まれます。付帯工事の費用は注文住宅を建てる費用のうち、15〜20%が相場とされているため、約580万〜773万円が付帯工事費用と考えられるでしょう。

なお、本体工事費用と付帯工事費用を合わせて、建築工事費用といいます。

諸経費

注文住宅を建てる際、忘れられがちですが意外とかかるのが諸経費です。諸経費は建築工事以外にかかる費用のことで、契約に関わる印紙代や手数料、住宅ローンを契約する際にかかる費用、家を購入したことによる税金や保険料などが含まれます。家具や家電、引越し代なども諸経費に含まれるものです。
諸経費は建築工事費用の5〜7%程度が相場とされていますが、現金で支払う場合が多いです。余裕を持って10%分くらいは現金で用意しておくと安心でしょう。

注文住宅の予算の決め方

注文住宅の予算の決め方

平均的な価格がわかっても、自分の建てる注文住宅の価格を決めるのは難しいと考える人は多いでしょう。ここでは、注文住宅の予算の考え方をご紹介します。

ローンの借入可能額から決める

注文住宅を建てる場合、多くの人は住宅ローンを利用するでしょう。そのため、住宅ローンの借入可能額から予算を考えることもひとつの方法です。住宅ローン借入可能額は、収入や年齢、借入残高、物件価値などで変わりますが、大まかに年収倍率で確認することができます。

年収倍率は住宅購入にかかる費用を世帯年収で割った数字で、「年収倍率=住宅の購入額÷世帯年収」で計算できます。
「2022年度 フラット35利用者調査」によれば、2022年の年収倍率の全国平均は、土地付き注文住宅で7.7倍注文住宅で6.9倍でした。例えば、世帯年収が700万円だった場合、土地付き注文住宅なら5,390万円、注文住宅なら4,830万円程度が借入可能と考えられるということです。

用意できる頭金から決める

頭金がなくても注文住宅を建てることはできます。しかし、頭金が多ければ返済負担が軽くなりますし、頭金の有無で金利が変わるローン商品もありますので、ある程度は準備できることが望ましいです。

一般的に、住宅購入の際は頭金として住宅価格の10〜20%を用意すべきとされています。そのため、頭金にあてられる貯蓄がいくらあるかで、注文住宅を建てる費用を考えることもできます。
例えば、頭金にあてられる貯蓄が300万円だった場合、注文住宅の予算は3,000万〜6,000万円と考えられるでしょう。

返済負担率から決める

返済負担率とは、収入に占める年間のローン返済額の割合を指すものです。「返済負担率=年間のローン返済額÷年収×100」で求められます。住宅ローンを契約する際、金融機関でも返済負担率は確認され、30〜40%を上限としている場合が多いようです。ただし、無理なく返済できる理想の返済負担率は、25%前後とされています。

返済負担率から、注文住宅の予算を考えることもできるでしょう。例えば、年収が500万円の場合、毎月の返済額が10万円(年間120万円)だとしたら、120万円÷500万円×100で24%です。理想的な返済負担率のため、これに合わせて借入期間や完済する年齢を考えると、注文住宅の予算が決めやすくなります。

注意したいのは、返済負担率は住宅ローン以外にも、すべての借入れを含めて考える点です。カーローンなど、住宅以外のローン返済がある場合は、その返済額も含めて返済負担率を計算してください。

注文住宅のコストを抑えたいときは?

注文住宅のコストを抑えたいときは?

「予算はあまりとれないけれど、注文住宅を建てたい」という場合もあるでしょう。できるだけコストを抑えようと考えたときでも、耐震装置や断熱材など、削ると将来的に住みづらい家になってしまうものもあります。ここでは、住みやすさを考慮した上で、注文住宅のコストを抑える方法をご紹介します。

形状をシンプルにする

総二階の家にすることで、建築費用を抑えることが可能です。総二階とは、1階と2階がほぼ同じ面積・形状の家のことで、柱や梁の組み方がシンプルなため、建築コストが低くなります。また、面積が同じでも、平屋よりも2階建てのほうが基礎の面積が少なく、工事費が抑えられます。
また、外壁のでこぼこが少ない四角の家のほうが、資材費や作業工程を少なくできるため、コストは低くなるでしょう。コストを抑えたい場合は、できるだけシンプルな外観を目指してください。

間取りをシンプルに、壁を少なくする

外観だけでなく、間取りもシンプルにすることで壁材やドア、壁紙などの資材を削ることができ、資材費や作業工程は少なくなります。部屋数を減らしたり、収納スペースをまとめたりといった工夫で、間取りはシンプルにできるでしょう。
また、和室は洋室よりも資材が高い傾向があるため、必要なければ洋室のみにして、和室を作らないという選択も、コストを抑えるために有効です。

水回りを集中させる

キッチンや洗面所、浴室、トイレといった水回りの設備を分散させると、排水管の工事費が上がります。ワンフロアにまとめ、できるだけ近くに配置することでコストを抑えられるでしょう。
特に、2階建て以上の場合、各階にトイレを設置しようと考える人は少なくありませんが、家族の人数を考慮して検討してください。1ヵ所のみにすることでコストを抑えられ、掃除の手間が減るメリットがあります。

設備にこだわりすぎない

注文住宅は設備にこだわることで、際限なくコストが上がっていきます。特にこだわりがある部分でなければ、ハウスメーカーの標準設備を選ぶと、大幅にコストダウンできるでしょう。
床暖房などの後からつけると高額になる設備は除き、建てた後に徐々に設備を追加していく方法もあります。家具やカーテンなどもオーダーではなく、市販品を選ぶことでコストが抑えられます。

価格を考えて理想の注文住宅を建てよう

注文住宅は理想を詰め込むと予算オーバーになってしまい、将来的に資金繰りに困ることになりかねません。全国の平均的な注文住宅の価格や返済負担率、頭金の有無などを考慮して、無理のない予算を考えましょう。その上で譲れない部分は何かを洗い出し、理想の注文住宅を手に入れてください。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、オリコン顧客満足度ランキングを発表しています。ハウスメーカーの項目ごとのランキングや、利用者の口コミ・評判なども確認できますから、注文住宅を建てる際は参考にしてください。

ハウスメーカー 注文住宅オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    80.8

    スウェーデンハウス

  • 2位

    78.3

    積水ハウス

  • 3位

    78.2

    ヘーベルハウス

  • 4位

    78.1

    住友林業

  • 5位

    77.1

    一条工務店

  • 6位

    76.8

    パナソニック ホームズ

  • 6位

    76.8

    三井ホーム

  • 8位

    76.4

    セキスイハイム

  • 9位

    76.2

    大和ハウス

  • 10位

    75.9

    ミサワホーム

  • 11位

    75.6

    トヨタホーム

  • 12位

    75.0

    イシンホーム

  • 13位

    74.8

    アイ工務店

  • 13位

    74.8

    住友不動産

  • 15位

    74.4

    クレバリーホーム

  • 16位

    73.1

    アキュラホーム

  • 17位

    73.0

    住宅情報館

  • 17位

    73.0

    富士住建

  • 17位

    73.0

    ユニバーサルホーム

  • 20位

    72.9

    イシカワ

  • 21位

    72.7

    アイフルホーム

  • 22位

    72.6

    桧家住宅

  • 23位

    71.9

    タマホーム

  • 23位

    71.9

    日本ハウスホールディングス

  • 25位

    71.2

    ヤマダホームズ

  • 26位

    70.1

    秀光ビルド

  • 27位

    69.3

    アイダ設計

  • 28位

    67.9

    オープンハウス・アーキテクト

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

当サイトで公開されている情報(文字、写真、イラスト、画像データ等)及びこれらの配置・編集および構造などについての著作権は株式会社oricon MEに帰属しております。これらの情報を権利者の許可なく無断転載・複製などの二次利用を行うことは固く禁じております。