125cc以下の原付二種にバイク保険は必要?保険料の抑え方を解説

125cc以下の原付二種にバイク保険は必要?保険料の相場を解説

125cc以下の原付二種は、125cc超の軽二輪自動車と比べると維持費を抑えられることもあり、手軽に乗れるバイクとして人気があります。また、法定速度30km/hの50cc以下の原付一種に比べ、原付二種の法定速度は60km/hと、同じ原付バイクであってもスピードを出しやすい特徴があります。

しかし、スピードが出る分、事故のリスクが高くなるといえます。そのため、バイク保険(任意保険)に加入し、万が一の事態に備えておくことが望ましいでしょう。

今回は、125cc以下のバイクに乗るにあたって、バイク保険に加入するメリットや、保険料の相場について解説します。バイク保険の保険料を抑えるためのポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

125cc以下のバイクでもバイク保険は必要

バイクや車を運転していて事故を起こしてしまった場合、被害を補償するバイク保険には大きく分けて自賠責保険任意保険があります。

自賠責保険は「強制保険」とも呼ばれるように、公道を走行するあらゆるバイクや車が加入しなければならない保険です。125cc以下の原付二種の場合も、もちろん自賠責保険の加入が義務付けられています。

自賠責保険の補償対象は、事故の被害者を救済するために必要な最低限の対人賠償のみです。事故の状況によっては、多額の賠償が必要になることも想定されます。また、対人賠償のみのため、建物やガードレールといった対物の損壊についての補償は受けられません。

自賠責保険でカバーできない損害への補償が任意保険、通称「バイク保険」です。任意という言葉のとおり、バイク保険への加入は義務ではありません。ただし、物を損壊させてしまったことへの賠償、バイクの運転手や搭乗者が負傷した場合の治療費などは、自賠責保険の補償対象外です。こうしたリスクは十分に考えられるため、自賠責保険と併せてバイク保険にも加入しておく必要があります。

自賠責保険の補償範囲・保険料

自賠責保険は、自動車・二輪車を運転するすべての運転手に加入が義務付けられており、「死亡」「後遺障害」「傷害」の場合で、それぞれ支払い限度額と範囲が決められています。

■自賠責保険の支払限度額

対象

支払限度額
(被害者1人につき)

相手が死亡した場合
(逸失利益、葬儀費、慰謝料など)

3,000万円

相手に後遺障害が残った場合
(逸失利益や慰謝料など)

75万〜4,000万円

相手が傷害を負った場合
(治療関係費、ケガで仕事を休んだ分の休業損害、慰謝料など)

120万円

※国土交通省「自動車総合安全情報
※後遺障害による損害は、障害の程度に応じて逸失利益および慰謝料等が支払われる

また、125cc以下のバイクを含む原付バイクの自賠責保険の保険料は、契約月数に応じて下記のように定められています。

■原付バイク(125cc以下のバイク)の自賠責保険の保険料

保険期間

保険料

12ヵ月

6,910円

24ヵ月

8,560円

36ヵ月

1万170円

48ヵ月

1万1,760円

60ヵ月

1万3,310円

※損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率表」
※離島以外の地域(沖縄県を除く)に適用する基準料
※2023年12月時点

事故状況から見るバイク保険の必要性

前途のとおり、自賠責保険は補償範囲が限られているため、多額の賠償金が発生する事故の場合、自賠責保険ではカバーしきれない可能性があります。交通事故の高額賠償判決では、5億円以上の損害賠償を求められた例もあります。バイク事故で相手を死亡させてしまったり、後遺症を負わせてしまったりすると、高額な損害賠償責任が発生する可能性があるのです。

また、2022年の都内における交通事故うち、バイク乗車中の交通事故死者は、全体の30.3%を占めています。自動車に限らずバイクも多額の損害が発生する事故のリスクが高く、さらにバイク事故は排気量に関係なく発生するため、バイク保険への加入が必要でしょう。

※損害保険料率算出機構「2022年度(2021年度統計) 自動車保険の概要
※警視庁「二輪車の交通死亡事故統計(2022年中)

バイク保険の相場

金額が定められている自賠責保険に対し、任意のバイク保険は、契約者の年齢や等級に加え、バイクの排気量や保険会社によって異なります。そのため、一概にはいえませんが、50cc超の二輪車の保険料の平均は約2万9,100円です。

2021年度のバイク保険の契約台数(新契約)と、保険料の総額から算出した1年間の平均保険料は下記のとおりです。

■二輪車(50cc超)の保険料の平均

種別

二輪車

契約台数

202万4,860台

保険料総額

589億2,338万4,000円

1台あたりの平均保険料(年)

約2万9,100円

※損害保険料率算出機構「2022年度(2021年度統計) 自動車保険の概要
※1台あたりの年間平均保険料は契約台数・保険料総額より独自に算出

これは、すべての契約における平均データのため、条件により前後することが考えられます。

125cc以下のバイク保険の保険料の例

125cc以下のバイクの場合、バイク保険の保険料はどのくらいになるのでしょうか。一例として、2社の保険料を比較してみましょう。

A社のバイク保険の保険料

まず、A社のバイク保険の保険料の例を見ていきましょう。補償額や特約の有無でも金額が変わるため、実際はご自身に合った内容で見積もりを取ります。

■A社の保険料の例

保険料

2万2,050円/年
(通常保険料:25,050円/インターネット割引:-3,000円)

契約者の情報

・年齢:25歳
・乗車するバイク:カワサキ(125cc以下)
・居住地域:東京
・車両の使用目的:日常、レジャー使用
・年間予定走行距離:3,000km超5,000km以下
・運転免許証の色:ゴールド

見積もり条件

・運転者年齢条件:21歳以上補償
・対人賠償:無制限
・対物賠償:2,000万円
・対物超過特約:なし
・人身傷害定額払:200万円
・自損事故傷害(1人につき):1,500万円
・無保険車傷害(1人につき):2億円
・他車運転危険補償特約:あり(自損型)
・被害者救済費用補償特約:あり

※2023年11月時点

B社のバイク保険の保険料

続いては、B社のバイク保険の保険料の例です。補償金額はもちろんですが、設定できる年間走行距離の幅の違いや特約の内容も保険会社によって異なります。

■B社の保険料の例

保険料

1万7,800円/年
(通常保険料:20,800円/インターネット割引-3,000円)

契約者の情報

・年齢:25歳
・乗車するバイク:カワサキ CHEER112(125cc以下)
・居住地域:東京
・車両の使用目的:日常、レジャー使用
・年間予定走行距離:3,000km以上4,000km未満
・運転免許証の色:ゴールド

見積もり条件

・運転者年齢条件:21歳以上補償
・対人賠償:無制限
・対物賠償:無制限
・人身傷害補償特約:なし
・自損事故保険:1,500万円
・無保険車傷害保険:2億円
・搭乗者傷害保険:300万円

※2023年11月時点

バイク保険はロードサービスの対象になる

バイク保険はロードサービスの対象になる

125cc以下のバイクの場合、バイク保険に加入するメリットのひとつとして、ロードサービスの対象になる点が挙げられます。ロードサービスとは、パンクやガス欠といったトラブルが発生した際に応急処置をしてもらえたり、自走不能のバイクを搬送してもらえたりするサービスのことです。

保険会社によっては、帰宅するための交通費や、事故当日に帰宅できなかった場合の宿泊費をサポートしてもらえるケースがあります。サービス内容は保険会社ごとに異なるため、どのようなサービスを受けられるのか事前に確認しておくといいでしょう。

保険料を抑えるならファミリーバイク特約がおすすめ

自動車保険に加入している場合、「ファミリーバイク特約」を付加することで、バイク事故の補償を受けられる上、保険料を抑えることができます。

ファミリーバイク特約とは、125cc以下のバイクを対象に、自動車保険に付帯できる特約のこと。自動車保険の契約者、またはその家族が125cc以下のバイクに乗る際、必要な補償を受けることができます。

ファミリーバイク特約には、自損事故タイプ人身傷害タイプの2種類があります。

自損事故タイプとは、単独事故や相手に過失のない事故を補償する特約です。自身の過失が100%の場合にのみ、損害が補償されます。一方の人身事故タイプは、自損事故タイプの補償範囲に加え、相手に過失がある事故についても補償の対象となります。

ファミリーバイク特約の保険料や補償内容は保険会社によって異なるため、ご自身に合った保険を比較・検討しましょう。

ファミリーバイク特約のメリット

ファミリーバイク特約は、保険料が抑えられる可能性がある以外にどのようなメリットがあるのでしょうか。ファミリーバイク特約の主なメリットは次のとおりです。
<ファミリーバイク特約の主なメリット>
・保険契約に定められている年齢制限の影響を受けない
・他人名義のバイクでの事故も補償対象となる
・保険を利用しても等級に影響がない
ファミリーバイク特約は、主契約者とその家族であることが補償の条件となるため、保険契約上の年齢制限の影響を受けません。
また、自己所有しているバイク以外も補償の対象となることから、友人などのバイクを借りて事故を起こした場合も補償される点がメリットです。
さらに、特約部分の保険金の支払いは主契約の等級に影響しないため、万が一家族がバイクで事故を起こしたとしても、自動車保険の等級が下がることはありません。

ファミリーバイク特約のデメリット

ファミリーバイク特約には、下記のようなデメリットもあります。
<ファミリーバイク特約の主なデメリット>
・自動車保険に付帯する特約のため、単体での加入はできない
・等級による保険料の割引が適用されない
・ロードサービスは利用できない
ファミリーバイク特約は、自動車保険に付帯する特約のため、車を保有していて任意の保険に加入していなければなりません。

また、ファミリーバイク特約は等級に影響しない点がメリットですが、等級による割引を受けられない点はデメリットといえます。ロードサービスが利用できない点にも注意しましょう。

ファミリーバイク特約を付帯した場合の補償内容

1台ごとにバイク保険に加入した場合と、自動車保険にファミリーバイク特約を付帯した場合の共通点と違いは次のとおりです。
<共通して受けられる補償>
・対人賠償
・対物賠償
・自損事故・人身傷害
・無保険車傷害
<ファミリーバイク特約では受けられない補償>
・搭乗者傷害
・車両保険
つまり、運転者だけでなく搭乗者の補償も付加したい場合や、車両保険に加入したい場合には1台ごとにバイク保険に加入する必要があります。反対に、これ以外の補償であればファミリーバイク特約でも補償されます。

125cc以下のバイクでもバイク保険に加入し、万が一に備えよう

125cc以下の原付二種についても、万が一に備えてバイク保険に加入しておく必要があるといえます。自身に合った補償内容を検討するため、複数の保険会社から見積もりを取り、バイク保険を選ぶことが大切です。また、ファミリーバイク特約を活用することで保険料を抑えられることもあります。

今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひ自身に適したバイク保険への加入をご検討ください。バイク保険の契約や乗り換えを検討している方は、オリコン顧客満足度ランキングで口コミを調べてみてはいかがでしょうか。
オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

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