注文住宅とは?分譲や建売住宅との違い、メリットなどを解説

注文住宅とは?分譲や建売住宅との違い、メリットなどを解説

住宅の購入を検討するとき、「注文住宅」や「分譲住宅」「建売住宅」という言葉を聞きますが、具体的な違いを理解している人は多くないのではないでしょうか。注文住宅は自由度が高いことで知られていますが、メリットだけではなくデメリットも存在します。

ここでは、理想の住まいを実現するために、注文住宅と分譲住宅・建売住宅との違いのほか、注文住宅のメリットや建てる際の流れ・注意点について解説します。

注文住宅とは自分の理想に合わせて建てる一戸建てのこと

注文住宅は、個人の土地に自由な設計で建てられる一戸建て住宅ですが、自由度はハウスメーカーや施工会社ごとに異なり、契約の種類によっても異なります。特にオプションの設備は、特定の住宅設備メーカーの製品に限られがちです。

外壁の色や内装の素材など、ある程度の範囲で選択はできますが、全体的な構造や基本的なデザインを変更できないこともあります。

注文住宅を選ぶ際には、自分たちが自由に決めたい範囲、かけられる予算や時間を考慮して、ハウスメーカーや施工会社を選ぶことが重要です。自由度が高いフルオーダーから、一部が決まっているセミオーダーや規格住宅まで、ハウスメーカーや施工会社ごとにさまざまなオプションがあります。細かい要望まで明確にしておくことで、理想の注文住宅を実現できるでしょう。

注文住宅と分譲住宅・建売住宅との違い

分譲住宅と建売住宅は注文住宅と混同されがちで、一部の販売会社では区別が曖昧な場合もあるほどです。分譲住宅・建売住宅の特徴と、注文住宅との違いを見ていきましょう。

分譲住宅との違い

分譲住宅とは、分譲地と新築住宅がセットになっている販売形態です。分譲住宅は、一般的に分譲地内で統一されたデザインやプランで建てられています。分譲住宅の大きなメリットは、すぐに入居できる状態で販売されることと、土地選びの手間が省ける点です。

一方、デメリットとしては、建築前であっても自由度が限られていることが挙げられます。例えば、外壁の色や内装の素材、一部の設備は選べるものの、間取りや住宅の構造を変更するには制限があります。

注文住宅は、土地を購入して個人の要望に応じた設計で建てられるため、デザインや機能は施主の希望が反映されやすく、分譲住宅よりも自由度が高めです。

総じて分譲住宅は、すぐに入居できることと手軽さが魅力となりますが、カスタマイズの自由度は限定的です。一方の注文住宅は、より個性的で自分の好みに合わせた住宅を建てることができますが、時間やコスト、手間がかかる点が違いといえるでしょう。

建売住宅との違い

建売住宅とは、土地と新築住宅がセットになっている販売形態です。建売住宅は、分譲住宅と同様にすぐに入居できることが大きなメリットで、特に新しい住まいに急いで移りたい人に向いています。

また、注文住宅や分譲住宅と比較して、追加の建築費用がかからないため、コスト面でもメリットがあります。

しかし、建売住宅はデザインや間取りが汎用的であり、個々の要望に応えてもらえることが少ない点がデメリットです。個性的でおしゃれな住宅を手に入れたい人にとっては、向いていない形態といえるでしょう。

注文住宅と分譲住宅・建売住宅の違いをまとめると、下記のとおりです。

■注文住宅、分譲住宅、建売住宅の特徴

注文住宅

分譲住宅

建売住宅

住めるまでの期間

長い

短い

短い

コスト

比較的高い

比較的低い

比較的低い

自由度

高い
(規格住宅の場合は少し低い)

中間
(一部カスタマイズ可能)

低い

注文住宅と分譲住宅・建売住宅の違いを理解して、住宅選びの際の参考にしましょう。

注文住宅のメリット

注文住宅のメリット

注文住宅は、個々のライフスタイルに合わせたオーダーメイドの住まいです。注文住宅がなぜ多くの人々に選ばれるのか、メリットをご紹介します。理想の注文住宅を建てられるよう、メリットを理解しておきましょう。

自分の理想に合わせやすい

注文住宅は、個々のこだわりを最大限に反映できる住宅形態です。間取りや設備はもちろん、細部に至るまでカスタマイズができるため、満足度の高い、個性あふれるマイホームを実現できます。

こだわりを反映させるためには、建築士と直接コミュニケーションがとれるハウスメーカーや施工会社を選ぶことが重要です。営業担当者だけではなく、建築士が打ち合わせに同席することで、より具体的なマイホームのイメージを伝えやすくなります。

こだわりの度合いは人それぞれですが、自分の重視するポイントに対応してくれるハウスメーカーや施工会社を選ぶことが、理想の注文住宅を実現するためのコツです。綿密な打ち合わせを通して、機能性とデザインの両方を兼ね備えた注文住宅を造りましょう。

建築中の状況を確認できる

分譲住宅や建売住宅の場合、完成した物件を見て契約をするため、建築中の状況を見る機会は少ないでしょう。しかし、注文住宅では、契約後に建築が始まるため、自分の住宅が形になっていく過程を実地で確認できます。

注文住宅の建築過程を見る際のチェックポイントは、工事現場の清掃状態や整理整頓が行き届いているかどうかです。現場の状態を確認することで、施工者のプロ意識や現場管理の徹底度合いを見極められます。

一方で、専門知識がないと施工の良し悪しを判断するのは難しいかもしれません。そのため、気になる点があれば、建築過程で現場監督や営業担当者に気軽に質問し、確認をとることが大切です。

注文住宅のデメリット

注文住宅のメリットを紹介してきましたが、注文住宅はカスタマイズが可能な一方で、いくつかのデメリットもあります。

注文住宅を建てる前に把握しておきたいデメリットは、下記のとおりです。

完成するまでの期間が長い

注文住宅の場合、土地探しから設計、建築までを一から進める必要があるため、分譲住宅や建売住宅と比較して完成までの時間が長くなりがちです。入居までの期限が決まっている人には、セミオーダーや規格住宅の選択が適しています。セミオーダーや規格住宅は、ある程度設計されたプランにもとづいて建築されるため、フルオーダーの注文住宅に比べて建築期間が短縮されます。

コストが高め

分譲住宅や建売住宅に比べ、注文住宅のコストは高くなる傾向があります。特に、分譲住宅の場合は複数の住宅を一斉に建てるため、資材や設備の大量購入によりコストを抑えられますが、注文住宅では個別に資材や設備を注文するため、コストが高くなりがちです。

さらに、フルオーダーの場合は建築士によるオリジナル設計が加わるため、設計費用も高額になる可能性があります。

コストを抑えて注文住宅を建てたい場合には、セミオーダーや規格住宅、既製の住宅プランを選ぶといいでしょう。

また、最近では1,000万円台で建てられるローコスト住宅も増えています。予算に合わせてさまざまなオプションを検討することができるため、コストに関する懸念をある程度払拭することが可能です。

注文住宅の種類

注文住宅の種類

注文住宅には、ニーズや予算に応じて選べるさまざまな種類があります。注文住宅の中でも特に人気の「フルオーダー」と「セミオーダー」の違いに焦点を当て、それぞれの特徴を解説します。理想の住まいを実現するために、注文住宅の種類を理解しておきましょう。

フルオーダー

フルオーダーの注文住宅は、間取りや外観、細部に至るまでのすべてを自由に設計できます。フルオーダーの最大のメリットは、自分の理想とする住宅を実現できることです。個性的なデザインや機能性、特別な素材の使用など、細かな要望も反映できます。

一方で、自由度の高さはコストの増加に直結しているほか、建築期間の長期化につながる可能性があります。

フルオーダーは個性を重視し、一から自分の注文住宅を造り上げたい人や、特定の趣味やライフスタイルに合わせた住空間を求める人に向いているといえるでしょう。また、将来的な家族の変化にも柔軟に対応できる注文住宅を建てたい人にも適しています。

セミオーダー

セミオーダーの注文住宅は、既定の間取りや設備の選択肢の中から個人の好みに合わせてカスタマイズできます。セミオーダーの大きなメリットは、選択肢があらかじめ用意されているため、比較的短い時間で意思決定ができることです。

また、ハウスメーカーや施工会社がメーカーからまとめ買いすることにより、資材や設備をフルオーダーよりも割安で手に入れられる可能性があります。一方、選択の自由度がフルオーダーに比べて限られている点がデメリットです。完全なオーダーメイドではないため、細部までを自分の好みに合わせることはできません。

セミオーダー住宅は、特定のスタイルや設備にこだわりがなく、ある程度のカスタマイズを求める人に適しています。そのほか、建築期間や予算に制限がある場合や、住宅選びを簡素化したい人にも向いています。

注文住宅を建てる場合の注意点

注文住宅を建てるにあたって、失敗したくないと考える人は多いでしょう。注文住宅の建築を成功させるためには、いくつかの注意点があります。スムーズに注文住宅を造れるように、注意したいポイントをご紹介します。

相性のいいハウスメーカー・施工会社を選ぶ

注文住宅の建築では、適切なハウスメーカーや施工会社を選ぶことが重要です。注文住宅を建てる際の主な選択肢は、ハウスメーカー・施工会社と工務店、設計事務所と工務店といった組み合わせになります。

ニーズに合わせて、どの組み合わせにするかを検討し、複数の担当者との綿密な話し合いを通じて最適なパートナーを選ぶことで、理想の注文住宅が造れるでしょう。

プランニングの期間は余裕を持つ

注文住宅を建てる際には、まず現在のライフスタイルや希望する間取りを検討し、プランに落とし込むことが大切です。暮らしの質を高めるためには、設備やインテリアの選択、動線の設計など、生活の快適性について考えることが欠かせません。理想的な間取りが決まったら、次に建築の細部について計画します。壁紙や床材、設備の選択など、細かな部分にも注意を払うことが大切です。

設計期間は特に慎重に進めるべきであり、入居希望時期から逆算して余裕を持ったスケジュールを組むことが望ましいといえます。建築士やインテリアコーディネーターなどからアドバイスを受けながら計画を進めると、細部に至るまで考慮された理想の住宅を実現できるでしょう。

予算オーバーに注意

注文住宅は無限の可能性を秘めていますが、同時に予算管理の難しさも発生します。理想を追求して細かなこだわりが積み重なると、予想以上にコストが膨らむリスクがあります。例えば、追加の設備や高級素材への切り替えは、予算オーバーの原因となりがちです。

こだわりを持つことは大切ですが、それを実現するための予算の枠組みを念頭に置くことが重要です。注文住宅では、最初に設定した予算内で最大限の満足を得るためのバランスが求められます。注文住宅を建てる場合は、あらかじめ実現したいものの優先順位を決めておくといいでしょう。

プランの情報共有は具体的に

前述したように、注文住宅は自由度が高いためこだわりを反映させられますが、すべての希望を叶えようとすると予算オーバーのリスクがあります。

重要なのは、譲れないポイントを明確にすることです。特に取り入れたい素材や設備などは、言葉だけではなく写真や図面を用いて伝えることで、ハウスメーカーや施工会社と明確なイメージを共有できます。

注文住宅を建てる流れ

注文住宅を建てる流れ

注文住宅を建てるまでの流れが気になっている人も多いのではないでしょうか。予算の検討から建築工程を経て竣工に至るまでの流れを把握することで、理想の注文住宅が形となるでしょう。

1. 予算の総額を検討

注文住宅を建てると決めたら、まずは予算の総額を検討することから始めましょう。

予算を設定する際には、自己資金の額や借入額、返済計画、親族からの援助の可能性といったさまざまな面から考慮することが重要です。総合的に判断し、現実的な予算を設定することが、注文住宅の建築を成功させるカギといえます。

2. 理想とするイメージの整理

注文住宅を建てる際には、家族全員の理想のイメージを共有することが大切です。イメージの共有にあたっては、立地や間取り、現在の住環境での不満点など、多岐にわたる項目を綿密に話し合いましょう。

理想のイメージを具体化するためには、新築の分譲住宅を見学したり、SNSや雑誌で気に入った住宅の写真を共有したりするのも効果的です。情報を共有することで具体的なイメージが形成され、建築士や施工会社とのコミュニケーションもスムーズになります。

3. ハウスメーカー・施工会社の選定

注文住宅を建てる際には、ハウスメーカーや施工会社それぞれの特徴や強みに加え、営業担当者との相性も考慮して会社を選びましょう。

注文住宅の建築では、担当者と何度も打ち合わせをする必要があるため、営業担当者との相性はスムーズかつ納得のいく注文住宅を造る上で大切なポイントです。

4. 土地を探す

土地探しを始める前に、まず不動産情報サイトを利用して、希望エリアの土地価格の相場を把握することが大切です。初期段階での情報収集は、土地選びの基準設定に役立ちます。

具体的に土地を探す際は、不動産会社に足を運び、自分の希望する条件を伝えることが重要です。また、一部の施工会社では、土地探しのサポートや建築条件付きの土地の紹介を行っているところもあります。不動産会社やハウスメーカー、施工会社と密に連絡をとりながら土地探しを進めることで、理想的な土地に出合う可能性が高まるでしょう。

5. プランと見積もりの確認

土地探しとハウスメーカー、施工会社の選定が完了したら、プランと見積もりを確認します。事前に具体的な要望を伝え、要望に沿ったプランで見積もりを作成してもらい、複数のハウスメーカーや施工会社の提案を比較することが大切です。

ただし、ハウスメーカーや施工会社によっては初回の見積もりが有料となることもあるため、見積もりが無料であるかどうかを事前に確認しておきましょう。

6. ハウスメーカー・施工会社との契約締結

ハウスメーカーや施工会社の提案を検討した後、最終的に選んだ会社と工事請負契約を締結することになります。契約締結後のキャンセルは、手付金やペナルティが発生する可能性があるため、慎重に検討してから契約の締結を行いましょう。

契約内容には、工事の範囲や完成予定日など多くの項目が含まれるため、契約を結ぶ前に契約書の内容を十分理解して、不明点は事前に確認することが大切です。

7. プランの打ち合わせ

ハウスメーカーや施工会社との契約を締結した後は、具体的な住宅プランや仕様を決めるための重要な打ち合わせが始まります。取りの詳細や住宅設備、内装・外観の仕様決定など、さまざまな項目を決めなければなりません。

建築してから後悔しないためにも、この時点でしっかり話し合うことが大切です。

8. 着工

プランが確定したら、いよいよ着工します。着工前には、地域の慣習やマナーに則り、近隣への挨拶回りを行ったり、地鎮祭の儀式を実施したりするのが一般的です。依頼主の判断で立ち会いや実施を決められるため、事前にハウスメーカーや施工会社に相談しておきましょう。

建築工事の進行に合わせて、現場を訪れて施工の進捗状況を確認することも大切です。建築現場への定期的な訪問は、建築の進行状況を把握するだけではなく、工事の品質や進捗に関する疑問や懸念を直接担当者に伝えるいい機会となります。

9. 竣工

工事が完了すると、ハウスメーカーや施工会社と依頼主が、建物の最終チェックを行います。建物の細部に至るまで慎重に確認し、問題がないかどうかを確認します。

建物の仕上がりや使用された材料、約束された仕様が適切に反映されているかなど、さまざまなポイントの確認が必要です。安心して新居での生活を始めるために、細心の注意を払って最終チェックをしましょう。

注文住宅は時間をかけて検討しよう

注文住宅は、個人の理想や要望に合わせて建築される一戸建て住宅で、分譲住宅や建売住宅と比べて自由度が高いのが特徴です。自由度の高さが注文住宅の最大の魅力ですが、完成までの期間が長くなりがちで、コストが高額になりやすいことがデメリットとして挙げられます。

注文住宅の種類にはフルオーダーとセミオーダーがあり、カスタマイズの度合いが異なります。納得のいく家づくりのためには、相性のいいハウスメーカーや施工会社の選定、十分なプランニングの期間、予算の管理、プランの情報共有が重要です。

注文住宅を建てる流れとしては、まず予算の設定、プランの整理、ハウスメーカー・施工会社の選定、土地探し、見積もり、契約締結、プランの打ち合わせ、着工、竣工と進んでいきます。自分だけの理想の住宅を実現するためには、時間と費用をかけるだけの価値があるといえるでしょう。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年ハウスメーカーと注文住宅の顧客満足度ランキングを発表しています。デザインや金額の納得感、モデルハウス、営業担当者の対応などさまざまな視点でのランキングを確認できますので、ハウスメーカー選びの参考にしてください。

ハウスメーカー 注文住宅オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    80.8

    スウェーデンハウス

  • 2位

    78.3

    積水ハウス

  • 3位

    78.2

    ヘーベルハウス

  • 4位

    78.1

    住友林業

  • 5位

    77.1

    一条工務店

  • 6位

    76.8

    パナソニック ホームズ

  • 6位

    76.8

    三井ホーム

  • 8位

    76.4

    セキスイハイム

  • 9位

    76.2

    大和ハウス

  • 10位

    75.9

    ミサワホーム

  • 11位

    75.6

    トヨタホーム

  • 12位

    75.0

    イシンホーム

  • 13位

    74.8

    アイ工務店

  • 13位

    74.8

    住友不動産

  • 15位

    74.4

    クレバリーホーム

  • 16位

    73.1

    アキュラホーム

  • 17位

    73.0

    住宅情報館

  • 17位

    73.0

    富士住建

  • 17位

    73.0

    ユニバーサルホーム

  • 20位

    72.9

    イシカワ

  • 21位

    72.7

    アイフルホーム

  • 22位

    72.6

    桧家住宅

  • 23位

    71.9

    タマホーム

  • 23位

    71.9

    日本ハウスホールディングス

  • 25位

    71.2

    ヤマダホームズ

  • 26位

    70.1

    秀光ビルド

  • 27位

    69.3

    アイダ設計

  • 28位

    67.9

    オープンハウス・アーキテクト

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

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