注文住宅を建てる流れとは?お金の動きと注意点も解説
注文住宅を建てる際の具体的な流れやお金の動き、注意すべきポイントを理解することで、あなたの家づくりの計画が、スムーズで快適なものになるでしょう。
■注文住宅を建てる流れ
・1. 費用を確認し、予算を検討する
・2. 理想の家のイメージを作る
・3. ハウスメーカー選びと土地探しをする
・4. 間取りなどのプランの見積もりをしてもらう
・5. 工事請負契約を締結する
・6.詳細な打ち合わせを繰り返して建築プランを決定する
・7. 住宅建設の着工に入る
・8. 竣工後に引き渡しがあり入居する
■注文住宅を建てるときの資金計画
・注文住宅で支払いが発生するタイミング
・注文住宅の費用の種類
・住宅ローンの組み方
■注文住宅を建てるときの注意点
・余裕を持ったスケジュールにする
・想像しているイメージを具体的にして共有する
・土地については地盤から調べておく
・打ち合わせは何度でも行う
・契約内容をしっかり確認する
・追加費用の発生などに注意する
・ライフプランも考慮して、場所と間取りを検討する
■納得して注文住宅を建てるために大切な流れを把握しよう
注文住宅を建てる流れ
まずは、土地選定から設計、予算の管理、ハウスメーカーや施工会社の選定、そして実際の建築に至るまで、工程ごとに解説します。
1.費用を確認し、予算を検討する
予算設定では、自己資金の準備額や住宅ローンの借入額、親族からの援助の有無などを総合的に考慮しましょう。
2. 理想の家のイメージを作る
将来的な要望も視野に入れ、家族の成長や変化に柔軟に対応できる計画を立てることが重要です。この過程で住宅展示場の見学を行い、SNSや雑誌などで見つけたイメージを共有することで、より具体的な理想像を形成できます。
3. ハウスメーカー選びと土地探しをする
また、ハウスメーカーによっては土地探しのサポートも行っています。多くのハウスメーカーの住宅展示場を訪れ、条件次第でお得な土地建物の契約が可能かどうかを探ることもおすすめです。
土地を探すには、不動産情報サイトで相場を把握し、不動産会社に条件を伝えて連絡を待つ方法も効果的です。一部のハウスメーカーは土地探しを手伝ってくれたり、建築条件付きの土地を紹介してくれたりすることもあります。
独自のルートで土地情報を入手していることも多いため、ハウスメーカーと協力しながら土地探しを進めることで、希望に沿った物件に出合える可能性が高まります。
4. 間取りなどのプランの見積もりをしてもらう
提案力については、自分のイメージに近いか、あるいはそれを上回るアイディアがあるかを確認し、構造や工法については、耐震性や断熱性、遮音性などの品質面を確認します。また、予算内で提案されているかどうかも大切なポイントです。
事前に要望をしっかりと伝え、要望を反映した見積書を各社から受け取り、慎重に比較検討しましょう。注意すべき点として、依頼するハウスメーカーによっては、初回の見積もりが有料の場合があること。トラブルを避けるためにも、見積もりが無料かどうかを事前に確認しておくと安心です。
5. 工事請負契約を締結する
契約締結後にキャンセルすると手付金やそのほかの費用が発生する可能性があるため、締結前に契約内容やキャンセル時の規定を十分に理解しておくことが重要です。不明点があれば契約前に営業担当者に確認し、すべての条件を明確にしておきましょう。
6.詳細な打ち合わせを繰り返して建築プランを決定する
理想の住まいを実現するためにも、打ち合わせでは自分の要望や疑問点をしっかりと伝え、納得いくまで話し合うことが大切です。間取りや仕様については後悔しないよう、不明点をその場で解消し、細部にわたって内容を詰めていく必要があります。
マイホームの夢を現実に変えるための重要な工程なので、細心の注意を払って進めましょう。
7. 住宅建設の着工に入る
建築期間中は、時折施工現場を訪れて建築状況を確認するのがおすすめです。現場を確認することで進捗度合いを把握し、万が一の問題が発生した際には早期に対処できます。また、定期的に現場に足を運ぶことで、ハウスメーカーとのコミュニケーションも促進され、より満足のいく家づくりにつながります。
工事期間中は建物が形になっていく過程を見守る楽しい時期でもありますので、完成への期待を膨らませながら待ちましょう。
8. 竣工後に引き渡しがあり入居する
また、第三者機関による完了検査も通過する必要があります。建物が建築基準法やそのほかの関連法規に適合しているかを確認するためのものです。
この検査を経て、問題がなければ正式に住宅の引き渡しが行われます。これらの工程は、新しい家への安全と品質を保証するためにも重要であり、依頼主には慎重なチェックが求められます。
注文住宅を建てるときの資金計画
ここからは、注文住宅の資金計画の基本から支払いのタイミング、費用の種類、住宅ローンの組み方まで、具体的に解説します。お金の動きを把握して、資金計画の立て方や予算管理に役立ててください。
注文住宅で支払いが発生するタイミング
次に、着工時には建築費用の約30%を中間金として、さらに着工中にも同様の金額を支払います。竣工時には残代金として残りの約30%を精算します。工事期間中には、住宅ローンとつなぎ融資を利用することが一般的です。
住宅ローンは竣工後に実行されるため、着工から竣工までの期間はつなぎ融資により建築費を支払います。つなぎ融資は、住宅ローンが実行されるまでの一時的な借入れで、土地代金の支払いや住み替え時の旧宅売却までの費用にも使用できます。
つなぎ融資の利用を検討する場合は、金融機関がつなぎ融資を扱っているかを確認し、ハウスメーカーの営業担当者と資金計画を相談しながら無理のないスケジュールを立てましょう。
注文住宅の費用の種類
次に付帯工事費用として、庭やアプローチの外構工事や屋外の給排水工事などがあり、これは全体の約20%を占めます。さらに、住宅ローン手数料など建物工事以外の諸費用も必要で、これは工事費全体の約10%が目安です。
建て替えの場合は、加えて旧宅の取り壊し費用も発生します。ハウスメーカーの営業担当者が示す建築費は、通常は本体工事費のみを指すことが多く、付帯工事費や諸経費は含まれていないため、総費用を把握する際には追加費用も考慮しましょう。
住宅ローンの組み方
事前審査では、年収や勤続年数などをもとに融資の可否が判断されます。この段階では、建築計画が仮決めの状態であっても構いません。提案された間取り図や見積書を提出することで、簡易的な審査が行われます。
一方、本審査は、ハウスメーカーと建築請負契約を結び、詳細設計が確定し、建築確認申請が承認された後に行います。「工事請負契約」の写しや「建築確認済証」などの提出が必要です。
金融機関に書類を提出後、より詳細な審査が実施されます。事前審査に通過していても、転職や借入状況の変化があると本審査で不承認となることがあるため注意しましょう。
注文住宅を建てるときの注意点
ここでは、スケジューリングの重要性やイメージの共有、頻繁な打ち合わせ、契約内容の確認など、注文住宅建築の成功に欠かせない要素を詳しく解説します。
余裕を持ったスケジュールにする
余裕を持ったスケジュールにすれば、土地選びから建築計画、施工、最終的な引き渡しまでを無理なく進められます。特に土地探しは、理想の立地や条件に適合する物件を見つけるまでに時間がかかる可能性があるため、早めのスタートが賢明です。十分な時間をかけることで、希望に沿った注文住宅の実現がスムーズになります。
想像しているイメージを具体的にして共有する
現在の住環境における不満点や具体的な要望をリストアップし、それを建築計画に反映させることで、完成してからの後悔を防ぐことができます。
例えば、家族の成長やライフスタイルの変化を見越した間取り、特定の機能を備えたキッチンやバスルームなど、自分たちの要望に合った家づくりをすることが重要です。
事前に綿密な計画を立て、自分たちの理想を形にすることが、満足度の高いマイホームの実現につながるでしょう。
土地については地盤から調べておく
地盤が弱い場合、住宅の重みに耐えきれず、将来的に建物が沈下したり傾いたりするリスクがあります。そのため、建物の安全性と長期的な居住の安定性を保証するためには、地盤調査は不可欠です。
安心して住むために地盤の状態を事前にしっかりと把握し、必要に応じて地盤改良などの対策を講じましょう。
打ち合わせは何度でも行う
建築士は希望と現実のギャップを埋めるためにさまざまな提案を行いますが、時には施主の希望とは異なる意見を出すこともあります。
こうした意見の食い違いをしっかりと修正し、共通の理解に至ることが家づくりの成功につながります。打ち合わせは何度も行うことが望ましく、遠慮せずに自分たちのイメージや細かい要望を伝えることが重要です。
建築士もより良い家づくりを目指しているため、施主からの要望は大歓迎です。多くの時間と資金を投じる家づくりだからこそ、納得いくまで何度でも話し合うといいでしょう。頻繁な打ち合わせは信頼関係を築き、細かなニーズにも対応できるため、結果的には理想に近い家の実現に役立ちます。
契約内容をしっかり確認する
まず、提案されている建築計画が土地の条件や希望に合致していることと、建築士による実現可能な間取りプランであることを確認しましょう。
また、土地の形状や建築規制に適合した間取りであるか、オプション仕様による追加費用の有無もチェックする必要があります。
住宅ローンの事前審査を通過した後は、新たな借入れをすることは避けてください。本審査では最新の借入状況が反映されるため、借入状況に変更があると希望額の融資が受けられなくなる可能性があります。
口頭のみの確認はできるだけ避け、見積書は細部までしっかりと確認し、契約書や仕様書にも反映されているかを確認することが重要です。このほか、本契約後のキャンセル条件も確認しておきましょう。ホームインスペクション(住宅診断)を利用すれば、基礎や構造体などの重要な部分に問題がないかを専門家にチェックしてもらえます。
追加費用の発生などに注意する
これらの状況に直面した際は、営業担当者からの説明をしっかりと理解し、適切な対応をとることが重要です。また、工期の延長は住宅ローンにも影響を及ぼす可能性があるため、延長に伴う追加の利息負担が発生することを理解しておく必要があります。
このような状況を避けるためにも、建築工事の進行を常にチェックし、予期せぬ費用増加や工期の遅れに備えておきましょう。
ライフプランも考慮して、場所と間取りを検討する
例えば、子供の成長や両親の介護、職場での異動や転勤、転職などの生活環境の変化に柔軟に対応する間取りや設備を考慮したいものです。
また、将来的に部屋の数を増やすことができるような間取りの柔軟性、高齢者に優しいバリアフリー設計、在宅ワークに適した作業スペースの確保なども加味しましょう。家族のライフステージに合わせた設計を行うことで、家族全員が長く快適に過ごせる住空間を実現できます。
注文住宅は現在だけではなく、将来にわたって家族が幸せに暮らせるよう計画することが大切です。
納得して注文住宅を建てるために大切な流れを把握しよう
資金計画を立てる上では、支払いタイミングの理解、費用の種類把握、適切な住宅ローンの選択がポイントとなります。注意点としては、余裕のあるスケジュール、イメージの共有、頻繁な打ち合わせ、契約内容の確認、追加費用への警戒、地盤調査、ライフプランに合わせた場所と間取りの選択が重要です。夢のマイホームを実現するためにも、全体の流れや注意点をしっかりと把握しておきましょう。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年ハウスメーカーと注文住宅の顧客満足度ランキングを発表しています。デザインや金額の納得感、モデルハウス、営業担当者の対応などさまざまな視点でのランキングを確認できますので、ハウスメーカー選びの参考にしてください。