格安航空会社ランキング!LCCは「運賃以外」で差別化の時代

※記事は2017年5月2日にダイヤモンド・オンライン(外部リンク)に掲載されたものです。

運賃が大手航空会社の半分から3分の1という低価格が魅力のLCCは、ここ数年、新規参入が相次ぎ、国際線、国内線ともに路線も充実するようになった。若者を中心に利用が急増し、身近な交通手段として認知されつつある

 ゴールデンウィーク期間に突入した。今年は5月1日(月)と2日(火)に休みを取れば、4月29日(土)からなんと9連休。“ロングバケーション”を生かし、飛行機での旅行や帰省を計画しているという人も多いことだろう。

 そこで気になるのは、運賃が大手航空会社の半分から3分の1という低価格が魅力のLCC(格安航空会社)だ。ここ数年、新規参入が相次ぎ、国際線、国内線ともに路線も充実。若者を中心に利用が急増し、身近な交通手段として認知されてきている。

 移動費を安く抑えられれば、旅先での観光や買い物に回すことができる。一方で、「安かろう、悪かろう」のイメージが根強いのも事実だ。各社はこうした印象を払拭しようと、激しいサービス合戦を繰り広げている。

 どのLCCを選べば、快適な空の旅を楽しめるのか。各社の満足度調査を、国内線と国際線に分けて行った「オリコン日本顧客満足度ランキング」を次ページで見てみよう。

「LCC 国内線」は、全4社を対象に、過去2年以内に国内線のLCCを利用した2,302人の調査に基づく。利用者の評判・口コミ等の詳細はこちら
(注)「Spring Japan」は日中合弁の航空会社、「peach」はANAホールディングス傘下の航空会社、「バニラエア」はANA系の航空会社、「ジェットスター・ジャパン」はJAL系の航空会社

「LCC 国際線」は、全15社を対象に、過去2年以内に日本発着の国際線LCCを利用した3,323人の調査に基づく。利用者の評判・口コミ等の詳細はこちら
(注)「エアプサン」は韓国の航空会社、「peach」はANAホールディングス傘下の航空会社、「バニラエア」はANA系の航空会社、「スクート」はシンガポールの航空会社、「チェジュ航空」は韓国財閥「愛敬」系の航空会社、「香港エクスプレス航空」は香港の航空会社、「ジェットスター・アジア航空」はシンガポールの航空会社、「ジェットスター航空」はオーストラリアの航空会社

 今回の顧客満足度調査の対象者は、過去2年以内にLCCを利用した18歳以上の国内在住者で、国内線は2302人、国際線は3323人の回答を得た。

 評価対象のLCCは、事前調査で一定の人数が社名を挙げた国内線4社と国際線15社。「購入手続きのしやすさ」「機内環境・設備」「座席の快適さ」など7項目に関する質問を行い、それぞれの満足度を10点満点で評価してもらうとともに、「重視する項目」も尋ねた。

 多くのユーザーが重視する項目で評価が高い場合は、ポイントに反映する仕組みになっている。

国内線では「Spring Japan」が2年連続の首位

 国内線では、日中合弁の「Spring Japan(春秋航空日本)」が、「購入手続きのしやすさ」や「客室乗務員」、「コストパフォーマンス」など6項目で1位を獲得し、前回調査に引き続き、堂々のトップだった。

 次点は、「機内環境・設備」の項目で1位を獲得した「peach」。3位には「バニラエア」、4位に「ジェットスター・ジャパン」と続いた。

 Spring Japanは2014年8月に就航し、成田国際空港と関西国際空港、広島空港、佐賀空港、新千歳(札幌)空港を結ぶ4路線を運航している。国内線を展開するLCCとしては後発ながら、2年連続で首位を守った秘訣は、「人」を磨いたところにあるようだ。

 7項目のうち、Spring Japanの強さが特に目立ったのは「客室乗務員」(72.17点)と、「空港スタッフ」(69.35点)だ。いずれも2位を1.5点前後上回っている。

 利用者からは、「価格が安いチケットなのにもかかわらず、丁寧な接客をしてもらえた」(30代女性)などと評価する声が挙がった。さらに「無駄がなく、アナウンスも馬鹿丁寧でないところがシンプルで良い」(40代女性)といった“LCCならでは”ともいえる意見もあった。

 このほか、「機内食」(66.19点)も1位で、2位のpeachを約2.5点も引き離し、ここでも強さを見せた。

 LCCの一番の売りはコストパフォーマンスといえる。Spring Japanはもちろん、ここでもトップだったが、1位〜4位で大きな差は見られなかった。もはや安いのは当たり前で、顧客争奪の主戦場は、質の高い接客をはじめとする快適なサービスをどれだけ提供できるかに移っている。

国際線は「エアプサン」が初のトップに!

 国際線のランキングでは、前回はサンプル不足でランク外だった韓国の「エアプサン」が初めて首位に躍り出た。「購入手続きのしやすさ」や「客室乗務員」、「コストパフォーマンス」など4項目で1位を獲得し、peachとの接戦を制した。前回1位だったバニラエアは3位という結果に。

 エアプサンは2010年に韓国・釜山(プサン)と福岡空港、関西国際空港を結ぶ2つの日本路線を開設した“古参”で、昨年も韓国・大邱(テグ)と関西国際空港、新千歳空港の路線に加え、2017年4月に大邱と成田国際空港を新規就航するなど事業を拡大し、利用者を増やしている。
 エアプサンが選ばれたのも、「空港スタッフ」によるところが大きいようだ。海外旅行では、乗り換えに不安を感じるという人は少なくないだろう。しかし、「到着遅延時にトランジット(乗り換え)案内の職員が待機しており、速やかにトランジットができた」(40代男性)との声があった。

 また、韓国でLCCが乱立する中、「日本など諸外国に活路を求めて顧客開拓の取り組みを強化している」(航空業界関係者)ことも、躍進につながっているようだ。

 一方、首位を明け渡した3位のバニラエアだが、それでも「機内食」の項目では1位を獲得した。また、4位にランクインしたシンガポールの「スクート」も、「機内環境・設備」と「座席の快適さ」の2つの項目で首位だった。

 実は、どの項目でも1位〜8位は5ポイント以内に収まる僅差。国際線の競争は特に激しく、まさに“群雄割拠”の様相を呈していると言えそうだ。

顧客獲得のカギは運航品質の向上にある

 LCCの利用は、国内線、国際線ともに年々右肩上がりで増え続けている。国土交通省の昨年7月時点の集計によると、2015年の国内線LCC旅客数は928万人で、2012年の172万人から5倍以上増えた。また国際線LCC旅客数は、2015年が967万人で、2012年の291万人から3倍以上増えたことになる。

 これは、訪日外国人客が急増する中、国が着陸料の引き下げや空港運営権の売却などの政策を進め、LCCの受け入れ環境を整えたことが背景にある。今後、中部国際空港(セントレア)でのLCCターミナル新設(2019年9月開業)などが予定されており、さらなる就航拡大を後押ししそうだ。

 しかし、路線の増加で過当競争が起きれば、運賃が下落して収益が悪化するケースが相次ぐ可能性がある。こうした中、バニラエアやスクートなど8社は航空連合を設立。運賃や乗り継ぎの経路について、加盟各社の路線から一括で選択できるようにして、利便性を高める狙いだ。

 価格競争を離れ、フルサービスキャリア並みに運航品質の向上を目指すLCCが今後、顧客から選ばれ、生き残るカギはここにあると言っていいだろう。この点で、各社はまだほとんど横並びの状況だ。今後の動向次第で、ランキングは大きく変動することになろう。
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