中古車の維持費は月々・年間でいくら?節約方法も解説

中古車の維持費は年間・月々でいくら?節約方法も解説

中古車を購入する際には、維持費を考えた車選びも大切です。この記事では、中古車の維持費は軽自動車と普通自動車で年間・月々でどれくらい掛かるかについて解説します。さらに、維持費を安く抑えるための節約のコツも紹介しますのでぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. 中古車の維持費をシミュレーション! 月々・年間でどれくらい掛かる?
  2. 中古車に掛かる維持費は大きく4つに分けられる
  3. 維持費の詳しい項目と支払いタイミングを解説
    1. 自動車税(種別割)、または軽自動車税(種別割)
    2. 自動車重量税
    3. 自賠責保険の保険料
    4. 車検(自動車継続検査)費用
    5. 任意保険(自動車保険)の保険料
    6. 燃料代・ガソリン代
    7. 駐車場代
    8. 修理代、消耗品の交換
  4. 新車と比べて中古車の維持費は高い? 安い?
    1. 新車登録から13年経過後、18年経過後のタイミングで税負担が重くなる
    2. 車の状態によっては燃費効率が悪くなる
    3. 修理代が掛かるかもしれない
  5. 維持費を節約する3つの方法
    1. 任意保険(自動車保険)を見直して、保険料を安くする
    2. 普段の運転を見直し、ガソリン代を抑える
    3. これから車を購入する場合は、燃費の良い車種を選ぶ
  6. 購入前に希望の車の維持費を調べよう

中古車の維持費をシミュレーション! 月々・年間でどれくらい掛かる?

自動車の維持費は、車種によって税金や燃費効率も変わります。ここでは、人気車種であるホンダ N-BOX(軽自動車)とトヨタ アルファード(普通自動車)の二つの車種別で維持費をシミュレーションしてみましょう。

車種別の年間・月々の維持費シミュレーション
東京・練馬区在住、年間走行距離1万Kmを想定

車種

【軽自動車】ホンダ N-BOX

【普通自動車】トヨタ アルファード

年間の維持費

308,737 円

450,476 円

月々の維持費

25,728 円

37,540 円

自動車税/軽自動車税(年間)

10,800円

45,000円

自動車重量税(24カ月)

5,000円
(年間2,500円)

25,000円
(年間12,500円)

自賠責保険料(24カ月)

17,540円
(年間8,770円)

17,650円
(年間8,825円)

任意保険料(年間)

40,000円

40,000円

ガソリン代

66,667円

164,151円

駐車場代

180,000円
(月額15,000円)

180,000円
(月額15,000円)

(※) 自賠責保険(24カ月加入)、自動車重量税は、通常車検時にまとめて支払います。シミュレーションでは年間額・月額に換算しています。(※)ガソリン代は経済産業省 資源エネルギー庁「石油製品価格調査 12月6日結果」を参照しています。(※)自動車保険はオリコン顧客満足度(R)調査による「自動車保険の年間保険料」の最もボリュームの大きい価格帯を参照(※)車両重量や総排気量、燃費消費率は商品カタログの掲載情報を参照しています。
上の表の通り、軽自動車普通自動車では、税金面で維持費の差が大きくなります。また、ガソリン代は車の状態や走行スタイルによって燃費効率が変化しやすいので、実際にはこれよりも掛かる可能性を想定した方が良いでしょう。

ホンダ N-BOXでは年間の維持費が約30.8万円、トヨタ アルフォードでは約45万円となり、1年間で15万円ほどの差が生じます。月額に換算すると、1.2万円ほどのギャップがあります(N-BOXが約2.5万円、アルフォードが約3.7万円)。とにかく維持費を抑えたいという場合には、税金や保険料が抑えられる軽自動車を選ぶと良いでしょう。

なお、これらの項目に加えて、車検費用(法定部分以外)やタイヤ交換などの点検・メンテナンス費用や、故障した際には突発的な修理代が掛かることが見込まれます。

中古車に掛かる維持費は大きく4つに分けられる

車の維持費は、【税金】【保険】【検査・メンテナンス】【燃料代・駐車場代】の4つに分けられます。なかでも、次の赤字の項目は、自動車を所有する上で避けて通れない必ずかかる維持費です。
【税金】自動車税(種別割)/軽自動車税(種別割)、自動車重量税、
【保険】自賠責保険、任意保険
【検査・メンテナンス】車検、突発的な修理代、スタッドレスタイヤへの交換など部品交換
【燃料代・駐車場代】ガソリン代、駐車場代
これらの維持費の中でも、税金や自賠責保険の保険料は、車両の排気量や重量などの条件で支払う金額が定められています。一方で、車検費用の法定料金を除く部分や、任意保険、日々のガソリン代や駐車場代は、人によって費用感が変わるコストです。

維持費の詳しい項目と支払いタイミングを解説

続いては、維持費の項目の具体的な内容と、支払いのタイミングを説明します。維持費の支払いタイミングは項目ごとにそれぞれで、日常的に掛かるものや、毎月・毎年、または2年おきにまとめて支払いが必要なものなどがあります。

自動車税(種別割)、または軽自動車税(種別割)

【支払いのタイミング】毎年
自動車税(種別割)、軽自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点での車の所有者に支払い義務が生じる税金です。普通自動車(3、5または7ナンバー)の所有者は「自動車税(種別割)」を、軽自動車の所有者は「軽自動車税(種別割)」を支払います。

自動車税、軽自動車税はどちらも地方税ですが、納付先と税率の決まり方に違いがあります。自動車税の納付先は都道府県、軽自動車税の納付先は市町村です。税率の決まり方については、自動車税は排気量に基づいて計算される一方で、軽自動車税の税率は一律で設定されています。
自動車税(種別割)と軽自動車税(種別割)の課税額 ※自家用乗用車の場合
■自動車税(種別割)【総排気量1L以下25,000円
※初年度検査日が2019年10月1日以降

■軽自動車税(種別割) 10,800円 
※初年度検査日が2015年4月1日以降

自動車重量税

【支払いのタイミング】新規登録時と車検時(車検費用に含まれる)
自動車重量税は、車両の重さによって課せられる税金です。普通自動車の場合、車両の重量が大きいほど税率は高くなりますが、軽自動車の納付額は一律で決まっています。自動車重量税は、車の新規登録時、ならびに車検実施時に車検費用に含まれる形で支払います。なお、初年度検査年月から13年、18年が経過した車の場合、税率が上がるので注意しましょう。
車検(継続検査)実施時の自動車重量税の課税額 ※自家用乗用車の場合
■普通自動車 【総重量 0.5トン以下】
エコカー:5,000円
エコカー以外:8,200円(初回検査実施から13年未満)

■軽自動車
エコカー:5,000円
エコカー以外:6,600円(初回検査実施から13年未満)

自賠責保険の保険料

【支払いのタイミング】新規登録時と車検時(車検費用に含まれる)
自賠責保険(強制保険)は、全ての自動車の所有者に加入が義務付けられており対人事故の損害賠償を補償するための保険です。新規登録時には3年分、それ以降は2年分(24ヵ月分)を車検費用に含まれる形で支払います。
自賠責保険の保険料 ※24ヵ月加入、沖縄以外の場合
■自家用乗用車(3・5・7ナンバー)17,650円

■軽自動車:17,540円

車検(自動車継続検査)費用

支払いのタイミング:新車購入3年後、それ以降は2年おき
車検(自動車継続検査)とは、車が保安基準を満たし、安全に運転できる状態を維持しているかを確認するための整備・点検制度です。新車の場合初回は3年後、それ以降は2年おきに検査を実施しなければならず、車検の期限が切れた自動車は公道を走れません。

車検費用は、「法定費用(自動車重量税、自賠責保険料、印紙・証紙代)」「基本料(検査費用・検査手数料)」の2つに分けられます。法定費用はどこで車検を受けても同じですが、基本料はどの業者で実施するかによって大きく変動しますので、検査実施前には見積りを取るようにしましょう。

任意保険(自動車保険)の保険料

支払いのタイミング:毎月、または毎年
任意保険(自動車保険)は自賠責保険では補償しきれない事故相手への損害賠償や、車両、ドライバー自身や同乗者への損害を補償する保険です。その名の通り、加入は任意ですが自賠責保険のみでは補償が限られる為、基本的には加入が必要です。

任意保険の保険料は、ドライバーの年齢や走行距離、使用目的、等級などの条件から事故のリスクの大小によって決まります。ただし、同じ条件でも保険会社によって保険料は異なるため、加入時には複数社を比較・検討し、見積りを取るようにしましょう。

燃料代・ガソリン代

支払いのタイミング:走行距離などによる
燃料代・ガソリン代は車の燃費性能や走行距離、運転習慣によって大きく変動します。また、ガソリン価格の変動によってもコストが変わってきますが、遠距離通勤や長距離ドライブを頻繁に行う人ほどそれだけ走行距離も増えるので燃料代は高くなります。

また、ガソリンには「ハイオク」「レギュラーガソリン」「軽油(ディーゼル)」の3種類があります。車種によってどの種類のガソリンが必要かは決まっており、価格は「ハイオク>>レギュラーガソリン>>軽油(ディーゼル)」の順で安くなります。

駐車場代

支払いのタイミング:毎月など
自宅に駐車スペースがない場合は、マンションやアパートが所有する駐車場やその他の月極駐車場で借りる必要が生じます。駐車場の費用は地域や施設によって異なりますが、特に都市部や駅周辺で高額になることが一般的です。なお、月極駐車場を借りる際には、初期費用として「初回使用料、契約手数料、保証金、礼金」が掛かることがあります。借りる前には支払方法や契約内容をしっかりと確認しましょう。

修理代、消耗品の交換

支払いのタイミング:不定期
車は使用するうちにパーツが消耗し故障が生じやすくなるため、消耗品の交換が必要となります。定期的なメンテナンスによる故障の早期発見は、将来的な高額な修理代を防ぐためにも大切です。また、雪道を走行する場合には、スタッドレスタイヤへの交換や、チェーンを巻くなどの季節ごとの対応も必要になるでしょう。

新車と比べて中古車の維持費は高い? 安い?

中古車は、新車と比べて車体価格も安く購入時の初期費用が抑えられる一方で、維持費がかえって高くなるのではないかと不安な方もいるでしょう。結論からいうと、新車でも中古車でも、維持費にはあまり違いはありません。ただし、次の3つの点で、新車よりも維持費が掛かる可能性があります。

新車登録から13年経過後、18年経過後のタイミングで税負担が重くなる

毎年支払う自動車税(種別割)、軽自動車税(種別割)と、車検実施時に支払う自動車重量税は、新車登録から13年経過後と18年経過後の2つのタイミングで税率が上がり、税負担が大きくなります。ディーゼル車は11年経過のタイミングから税率が上がります。例外として、エコカー(電気自動車、ハイブリッド車など)は重課税の対象外です。

自動車税(種別割)は13年経過で15%程度、軽自動車税(種別割)は13年経過で20%程度税率が上がります。
■自動車税(種別割) ※初年度検査日が2019年10月1日以降の場合
総排気量1L以下
13年未満:25,000円
13年経過後:28,750円

■軽自動車税(種別割) ※初年度検査日が2015年4月以降の場合
13年未満:10,800円 
13年経過後:12,900円 
自動車重量税は普通自動車の場合、13年経過で40%程度、18年経過でそこからさらに10%程度税率が上がります。
■普通自動車【総重量 0.5トン以下】の自動車重量税
【エコカー】5,000円
【エコカー以外】
13年未満:8,200円
13年経過後:11,400円
18年経過後:12,600円

■軽自動車(自家用乗用車)の自動車重量税
【エコカー】5,000円
【エコカー以外】
13年未満:6,600円
13年経過後:8,200円
18年経過後:8,800円

車の状態によっては燃費効率が悪くなる

燃費が悪くなると、より多くのガソリンが必要になり、ガソリン代が余計に掛かってしまいます。車の年式が古いことと燃費が悪いことは直結しませんが、しっかりと整備されていない場合、パーツの劣化によって燃費が悪くなります。燃費が悪くなる主な原因としては、エンジンオイルの劣化や、タイヤの空気圧、センサーの故障などが挙げられます。パーツの劣化は事故にも繋がりかねませんので、燃費が悪くなったと感じた際には、早めにメンテナンスに出すようにしましょう。

修理代が掛かるかもしれない

使用歴のある中古車はどうしても、新車と比べるとパーツの劣化や故障のリスクが高くなります。修理代が掛かると、維持費が一気に高くなるでしょう。故障のリスクを抑えるためにも、定期的にメンテナンスを受け、消耗品を交換して車のコンディションを整えましょう。

また、修理があるかもしれないことを想定して、中古車の購入時には中古車販売店やディーラーで提供されている保証の内容を確認することも大切です。特に中古車販売店では店舗によって保証期間や保証対象の条件が異なるため、可能な限り複数社で比較しましょう。

維持費を節約する3つの方法

維持費を節約する3つの方法

車の維持費には税金や自賠責保険料など支払い額が決められている項目もありますが、任意保険料やガソリン代など少しの見直しで節約できる可能性がある項目もあります。ここでは、少しでも維持費を節約したい方に向けて3つの見直し項目を紹介します。

任意保険(自動車保険)を見直して、保険料を安くする

任意保険を今よりも安く抑えたい場合、まず次の3点を検討しましょう。
■保険会社の乗り換え
補償範囲を限定する(運転者限定、年齢限定など)
車両保険を見直す
任意保険は、保険会社によって同じ条件でも保険料が異なる場合があります。改めて複数社で見積もりを取ることでより安い自動車保険が見つかるかもしれません。

また、保険会社の乗り換えは考えていない場合も、補償範囲を見直すことで保険料が安くなる場合があります。例えば、補償対象となる運転者を限定する運転者限定では、「本人限定」「本人・配偶者限定」「家族限定」などを選択することで、保険料が抑えられます。同じように補償対象の年齢を限定することでも保険料が割安になります。

加えて、特に中古車の場合は車両保険の契約内容を見直すのも一つの手です。ただし保険金額は契約時の車両の市場価値(時価額)がベースとなるので、中古車で年数が経ち、時価額が低い場合、保険金額で十分に修理費用がまかないきれない場合もでてきます。車両保険金額を見た上で、加入するかしないか検討してください。

普段の運転を見直し、ガソリン代を抑える

日常的に運転する方や長距離を運転する方にとって、ガソリン代は維持費のかなりの部分を占めるでしょう。実は、燃費効率は同じ車種でも運転の仕方によって変わるため、車の運転方法を見直すことでガソリン代を安く抑えることができるかもしれません。燃費が悪くなる運転には主に次の3つが挙げられます。
急発進、急加速
急停車
荷物を積み過ぎている
燃費が悪くなる原因の一つが、急発進、急加速です。発進時には特にガソリンを多く消費します。急発進を避け、アクセルやブレーキを緩やかに踏むようにしましょう。発進時には最初の5秒間で時速20km程度を目安に緩やかなアクセルワークを心がければ10%程度の燃費が改善するとのこと(※)

また、頻繁に急停車したり、信号待ちの停止線ギリギリで減速していないでしょうか? 減速時には早めにアクセルから足を離すことでエンジンブレーキが作動します。これによって2%程度燃費が良くなるという結果もでています(※)。急停車を避け、早めの減速を心がけましょう。

さらに、荷物の積みすぎも燃費が悪くなる原因です。100kgの荷物を積んで走ると3%程度も燃費が悪くなるといわれています(※)。運ぶ必要はないけど、積みっぱなしになっている不要な荷物は車から降ろして走行しましょう。
(※)参照:一般社団法人 自動車工業会

これから車を購入する場合は、燃費の良い車種を選ぶ

車種によって燃費性能は大きく変わりますので、これから車を購入する方は希望の車種を探す際に燃費性能も調べましょう。燃費が良くなればガソリン代もおさえられます。各車種の燃費は、自動車メーカーの公式WEBサイトの他、国土交通省のWEBサイトで調べることができます。

より性能の良い車を選びたいという場合、同じ車種でもハイブリッド車の方が燃費性能は良くなります。例えば、トヨタのヤリス(総排気量 1.49L)ではハイブリッド車の場合、燃費値は29.0~36.0Km/L、同じヤリス(総排気量 1.49L)でもエンジン車の場合はエンジン車の場合の燃費費は18.8~21.6Km/Lです。
(※)参照:国土交通省「自動車の燃費性能に関する公表(WLTCモード)」 ※令和5年12月1日時点

購入前に希望の車の維持費を調べよう

この記事では、中古車の維持費について解説しました。維持費は購入後に継続して掛かるものですので、購入前には希望車種を見つけたら実際に大まかなシミュレーションをしてみることをおすすめします。また、維持費を少しでも安く抑えるためには、自動車保険の見直しや、運転スタイルを見直し燃費を改善させるほか、これから購入される場合には、燃費性能の良い車を探すなどの方法があります。

また、中古車を購入する際には信頼できる中古車販売店選びも重要です。オリコン顧客満足度(R)では毎年、中古車販売店で自動車を購入したユーザーにアンケート調査を実施し中古車販売店 満足度ランキング】を発表しています。口コミも掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
※本記事内容は掲載日(2023年12月7日)時点の一般的な情報に基づいて編集作成しております。当社がその内容を保証するものではありません。サービスをご検討される際には各社の公式サイト上で最新情報をご確認ください。
オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

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