山崎育三郎インタビュー “歌って踊る”結婚相談所所長を熱演
山崎このドラマでは、到底結ばれないであろうワケありの男女を、(山崎演じる)藍野さんならではの方法で成婚に導いていくんです。彼自身は、自分の美学に則って行動しているだけなんですが、それが周囲からすると、ちょっと笑えたり、変わっているな、という印象になっている。物語の軸に藍野さんというキャラクターが色をつけていくところが、このドラマのおもしろさというか。なので、本人は至って真面目、といったスタンスでやっています。突然、歌い出したりするので、現場でもヘンな空気になりますけど(笑)。でも、それが視聴者のみなさんの反応だと思ってやっています。特に、ゲストで登場してくださる方たちは、“えっ!?”“そう来たか!!”というリアクションになる。自分としては、毎回、サプライズを与えられたら、という気持ちで挑んでいます。
――原作がありますが、映像ならではの味つけがかなり濃くなっていますね。
山崎原作では歌も踊りもありませんからね。音楽があると世界観がより華やかになって、広がりが出ますから、すごく斬新な演出です。ドラマの中で歌ったり踊ったりというシーンで言えば、今までも経験ありましたが、お芝居の中で、自分の想いを台詞のように歌ったりっていうのはなかった。このチャレンジに関しては、正直、恐怖心が若干あります。でも、これはやりきるしかないなと(笑)。他の登場人物がつっこんだり、この人何!? と、視聴者と同じ反応になることで成立していますから。よくできているし、おもしろいです。
ミュージカルシーンの肝は自然な違和感
山崎そうですね。自分はこれまで、ミュージカルを中心に活動してきましたが、今回の役は、舞台での自分ともまた違うんです。ミュージカルでは、周りも歌ったり踊ったりしているし、時代設定もクラシカルなものが多く、衣装やメイクもきっちり作り込んでいる。ミュージカルではそうやって全体で成立させていたのが、今回は、僕ひとりだけがやることになっていて。なので、藍野さんとしては自然にやりつつも、どこか違和感があったり、クスッと笑えたりする隙間がないと、どうやって観たらいいのかわからないんじゃないか? と思ったんです。真剣さとコミカルさの絶妙なバランスが大事だなと。本当に、急に歌い出しますから(笑)。
――そのために、どういったテンションで臨んでいるのでしょうか。
山崎常に高めに保っているので、非常にエネルギーを使います。振り付けの先生がいる場面もありますが、基本的には自分で考えているので、一度現場で動いてみて、藍野さんというキャラクターで成立させるようにしているんです。芝居をする相手もいますから、そこでのコミュニケーションで生まれるものも大事にしつつ。振り付けや歌はすべてオリジナルですから、ピアノも練習しなければいけない。台詞を覚えるだけじゃなく、歌とピアノ、振り付けといった部分まで、やることは本当に多いです。
――物語としても、いろんな要素が入っていますし。
山崎そうなんです。謎を解いていくサスペンス要素もあれば、ラブストーリーもあり、コメディ要素も入っている。それがひとつのドラマに全部凝縮されているので、やっていて楽しいです(笑)。藍野さんが強烈なキャラクターなだけに、他のみなさんもとてもエネルギッシュです。鹿賀丈史さん、前田美波里さんというミュージカル界の大先輩たちも一緒ですし、とても心強いです。
結婚に大事なのは全てのバランス
山崎結婚相談所というのは、平均して40〜60万円くらいかかると聞いたのですが、成婚率100%で200万円というのは、僕としては、むしろ安いんじゃないかと思い始めています(笑)。一生のパートナーで100%運命の人に出会えるんだったら、ちょっと藍野さんのところに行ってみようかって気になります。
――確かに(笑)。まず“結婚に恋愛は必要ない”と、藍野さんは視聴者にとってもショッキングなことを言い出しますが、結婚には何が大事だと思いますか?
山崎実際のところは、すべてだと思うんです。恋愛感情も、育ってきた環境や価値観など。やっぱり、そのバランスが大事なんじゃないかな。それが藍野さんはデータですべて見えているっていう(笑)。
――観ていくうちに、藍野さんというキャラクターに対する興味が深まっていくと思うのですが、彼自身の人生についても描かれていく予定でしょうか?
山崎基本的には、“どういう人なんだろう?”って思ったまま、この先も観ていただければと(笑)。ミュージカルファンの方はもちろん、ミュージカルは苦手という方、一般のドラマファンの方にも楽しんでいただきたいので、ぜひ、一度観てみてください。1話完結ですから、観やすいですよ(笑)。
【Profile】
山崎育三郎(やまざき・いくさぶろう)。1986年1月18日生まれ。2007年にオリジナル演出版ミュージカル「レ・ミゼラブル」のマリウス役に抜擢。その甘く気品のある歌声、確かな演技力で多くの観客を魅了する。ミュージカルを中心に数多くの舞台へ出演。15年10月に出演したドラマ 日曜劇場「下町ロケット」(TBS系)の真野賢作役で話題を集める。本人出演のテレビ朝日系 金曜ナイトドラマ『あいの結婚相談所』(テレビ朝日系)のダブルテーマソング『Congratulations / あいのデータ』を8月16日に発売する。
【INFORMATION】
金曜ナイトドラマ『あいの結婚相談所』(テレビ朝日系 毎週金曜・夜23時15分〜)
山崎育三郎(やまざき・いくさぶろう)。1986年1月18日生まれ。2007年にオリジナル演出版ミュージカル「レ・ミゼラブル」のマリウス役に抜擢。その甘く気品のある歌声、確かな演技力で多くの観客を魅了する。ミュージカルを中心に数多くの舞台へ出演。15年10月に出演したドラマ 日曜劇場「下町ロケット」(TBS系)の真野賢作役で話題を集める。本人出演のテレビ朝日系 金曜ナイトドラマ『あいの結婚相談所』(テレビ朝日系)のダブルテーマソング『Congratulations / あいのデータ』を8月16日に発売する。
【INFORMATION】
金曜ナイトドラマ『あいの結婚相談所』(テレビ朝日系 毎週金曜・夜23時15分〜)