2018年03月27日 08時40分

“格安SIM”でも“LINE”が支持される理由「シンプルでわかりやすくをモットーに」

お話を伺ったLINEモバイルの嘉戸彩乃社長 (C)oricon ME inc. [拡大する]

お話を伺ったLINEモバイルの嘉戸彩乃社長 (C)oricon ME inc.

 比較的安価で、契約期間の縛りなくスマートフォンを利用できることが魅力の格安SIM。最近では、深田恭子多部未華子永野芽郁が“3姉妹”として出演しているKDDIグループ(UQコミュニケーションズ)の「UQ mobile」や、葵わかなが名前を連呼する関西電力グループ(ケイ・オプティコム)の「mineo」など大手がテレビCMに注力するなど、活性化し続けている業界だ。そんな中、サービス提供開始は2016年10月と主要格安SIM事業の中では後発組だが、のんが1人佇むCMで話題となったLINEモバイルが、2017年「オリコン顧客満足度」調査格安SIMランキング総合1位を獲得。実際に使用した顧客からの支持をどのように得たのだろうか。

■徹底的に「ユーザーの声」に耳を傾ける

 同社の嘉戸彩乃社長は、調査結果を受けて「純粋にうれしいですね。新規加入を勧誘するよりも、すでにご契約いただいているお客様の満足を追求してきた評価だと思っています」と喜びを語った。“モバイル通信サービスとして最高であるべき”と考えているという同社が、瞬く間に評価トップに躍り出た背景には、徹底的にユーザーの声に耳を傾ける同社の姿勢があった。「LINEモバイルの立ち上げにあたっては、家電量販店の格安SIMコーナーに自ら訪れるなど、日々チェックしました。店員がどのように説明しているのか、お客様はどのような点が理解しにくいのかなど、リアルなヒアリングを積み重ねてきました」(嘉戸社長、以下同)と明かしている。

 また「“シンプルでわかりやすく”をモットーにした徹底的な“簡単への工夫”をした」という。本調査でも「申し込みから使用開始までがとてもスムーズだった。LINEの年齢認証ができるのも良い」(45歳/男性)「申し込みの仕方がわかりやすく、開通を急ぐ場合の対応が親切だった」(56歳/女性)「料金体系がシンプルで明確で分かりやすかった」といった声が多く上がったが、これも一般ユーザーの格安SIMに対する不安や不満を汲み取った上で、申し込みのわかりやすさ、スムーズさ、プランのシンプルさを追求した成果だと言えるだろう。

■アプリ・LINEと連動した独自サービスを強みに

 同社は、3ヶ月に1回のペースで独自のユーザー調査を実施しており、その声をもとにサービスに磨きをかけてきた。なかでも、同社が独自で提供するサービスに高い評価が上がっている。LINE上でデータ残量を確認できたり、月額利用料に応じてLINEポイントが貯まるなど、LINEを活用した使い勝手の良さを喜ぶコメントも多かった。

 こうした魅力的な独自サービスを取り揃える一方で、格安SIM事業者に多い新規加入キャンペーンはあまり頻繁に行っていない。嘉戸社長は「資本力を度外視した無理な獲得に走ると、どこかに必ずシワ寄せが出てしまいます。結果的にご契約いただいている方に負担をかけてしまうこともあります」と、キャンペーン連発のデメリットを上げている。

■生き残り厳しい業界だがキャンペーンに頼らない

 国内の格安SIMの事業者はまさに群雄割拠ながら、すでに撤退をした事業者も少なくない。多くの格安SIMでは「◯年縛り」を設けていないため解約率も高く、生き残りが厳しいのが現状だ。嘉戸社長も「今後淘汰はますます加速するだろう」と予測している。

 いかにキャンペーンが得だと言えども、事業者を次々と変えるのはユーザーにとって煩雑なのも事実。「すでにLINEモバイルを利用頂いているユーザーにとっては、新規加入のためのキャンペーンは、面白くない」と考えており、キャンペーンには頼らない。新規獲得に躍起になるよりも、顧客満足度を追及することで定着率をあげること。それがLINEモバイルの戦略のひとつだと言えそうだ。

 今年1月末にソフトバンクとの戦略的提携も発表。嘉戸社長は「端末ラインナップ、サービス、サポートの充実など、この提携を顧客に還元したい」と、今後もあくまでユーザーファーストを貫く姿勢をみせた。これを勢いに、さらなる認知の拡大が期待される。

(文:児玉澄子)

【調査概要】
調査時期:2017年6月21日(水)〜8月15日(火)
調査対象:合計2810名(18歳以上の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査 (オリコン顧客満足度調べ)

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オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

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