家を建てるなら知っておきたい!費用相場や資金調達、土地探しを解説

家を建てるなら知っておきたい!費用相場や資金調達、土地探しを解説

家を建てたいと思っていても、まず何から手を付ければいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。家づくりにはさまざまな過程があり、スムーズに進めるためには正しい情報と準備が欠かせません。

ここでは、家を建てるときの全体の流れやスケジュール、費用の相場、資金調達方法、理想の土地選びなど、家づくりに必要な知識を詳しく解説します。

家を建てるまでの流れ

「家を建てる」という単純な言葉の裏には、いくつもの工程やスケジュールが隠れています。理想の家を建てるための要望を明確にすることから最後の引き渡しまで、さまざまな過程を踏む必要があるのです。

夢のマイホームを実現するために、家を建てる流れについて把握しておきましょう。

1. 具体的なイメージを描く

家を建てることを検討するなら、まずは具体的なイメージを描くことが大切です。理想の間取りやデザインのほか、使用する素材や色のコンセプトを明確にする必要があります。

2. 土地とハウスメーカー・施工業者を選定する

次に、描いたイメージに合う土地を選び、現地の環境や交通アクセス、日当たりなどを細かく調査します。

土地が決まれば、信頼できるハウスメーカー・施工業者を選定します。いくつかのハウスメーカーに自分たちの希望を伝え、プランや見積もりを出してもらいましょう。

3. 契約

ハウスメーカーが決定したら契約を結び、建築の準備に入ります。契約を締結する前に、複数のハウスメーカーの予算とスケジュールを比較検討することが大切です。

4. 着工

着工すると、まず地盤調査によって建築地の安全性が確認されたのち、基礎工事が実施されます。基礎工事では家の構造の基盤となる部分が作られ、基礎の完成後は家の骨組みを立ち上げていきます。

次に、家を風雨から守る屋根の設置です。外壁工事では家の外観が形成され、断熱材の取り付けや設備工事が施されて、居住空間の快適性が確保されます。最終段階では、内外装の仕上げや外構工事が行われ、家が形になっていきます。建築中は定期的に現場に足を運び、進行状況をチェックするのがおすすめです。

5. 竣工、入居

最終的に納得のいく出来栄えを確認したら、新しい家での生活がスタートします。

家を建てるスケジュールの目安

家を建てるスケジュールの目安

家を建てる際には、全体のスケジュールをあらかじめ見積もります。予算の設定とハウスメーカーの選定だけでも1〜3ヵ月かかることが一般的です。複数のハウスメーカーから見積もりを取り、比較検討しましょう。

次に、選んだハウスメーカーとの建築プランの打ち合わせや、住宅ローンの審査にも1〜3ヵ月程度必要です。着工前の詳細な打ち合わせと契約締結には約1ヵ月を見込み、着工から完成までの期間は木造住宅の場合、約3ヵ月半が目安となります。

建物完成後、最終確認や引き渡し手続きにはさらに1ヵ月程度かかることもあります。ですから、全工程には通常7〜9ヵ月、長ければ1年以上の時間が必要と考えておきましょう。

家を建てる費用相場と内訳

家を建てる際の総費用はさまざまな要素から構成されており、国土交通省がまとめた「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅の平均費用は5,436万円とされています。

平均費用に含まれているものは、下記のとおりです。各要素を総合して、全体の予算計画を立てることが重要です。

土地の購入費用

家を建てる費用のうち、大きな割合を占めるのが土地の購入費です。全国平均での土地購入資金は1,819万円ですが、三大都市圏(東京、大阪、名古屋)の平均は2,626万円とほかの地域に比べて高くなっています。
※「令和4年度住宅市場動向調査報告書」

なお、土地を選ぶ際は予算だけではなく、その立地の利便性や将来の資産価値も考慮する必要があります。

例えば、建物に多くの予算を割きたい場合は、都心から少し離れた郊外や駅から距離があるエリアを選ぶと、土地代を抑えられる可能性があるでしょう。一方で、立地の利便性を重視する場合は地価が高くなるため、建売住宅にして総費用を抑えることも選択肢のひとつです。

住宅の建築費用

土地購入後の注文住宅の建築費用は、地域や家の仕様によって異なります。前掲の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によれば、注文住宅の住宅建築資金の全国平均は3,935万円となっています。

注文住宅の建築費は地域によって多少の差があり、特に首都圏では高い傾向です。土地付き注文住宅の場合は、購入条件として施工会社を指定されることが多く、それによって建築費が安くなることもあります。

付帯工事費や諸経費

家を建てる際には、建物本体価格のほかにもさまざまな付帯工事費用が発生します。具体的には、外構工事費や屋外給排水工事費、地盤工事費などが挙げられます。付帯工事費用は、建物本体価格の20%程度となることが一般的です。

さらに、住宅ローンの手数料や火災保険料、不動産会社の仲介手数料などの諸費用も考慮する必要があります。諸費用は金融機関や保険会社によって異なりますが、一般的には建物本体価格の10%程度です。

家を建てるための資金調達の流れ

家を建てるとき、適切な予算設定と資金調達は夢の実現に不可欠です。住宅ローンを利用して資金計画を立てる際は、将来のライフスタイルの変化や経済状況の変動にも対応できるよう、柔軟性を持たせましょう。

理想の家を無理なく、安心して実現するための資金計画について、順を追ってご紹介します。

1. 頭金の計画を立てる

頭金とは、住宅購入時に自己資金から支払う金額を指します。住宅ローンを利用する場合、頭金を準備するのは必須ではなく、頭金なしでのフルローンを組める可能性もあります。しかし、頭金を多くするほど借入額が減り、結果的に支払う利息も少なくなるため、総支払額を抑えられます。

頭金の額を決めるときに注意したいのは、諸費用や緊急時の予備費、日常の生活費の確保です。不動産取引時の諸費用は多くが現金払いとなるため、支払いができるように現金を確保しておく必要があります。

また、引越し費用や新生活のスタートに必要な家具・家電の購入費用、生活費を残しておくことは、安心して新居生活をスタートさせるためにも重要です。

2. 住宅ローンの金利タイプを選ぶ

住宅ローンを申し込む場合、金利タイプを把握することは返済計画を立てる上で重要です。主に3つの金利タイプがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
固定金利型
固定金利型は、契約から返済完了まで金利が変わらない安定した金利タイプです。初期の金利はほかのタイプに比べて高いものの、返済期間を通しての金利変動リスクがないため、長期間にわたる安定した返済計画が立てやすくなります。

変動金利型
変動金利型は、経済状況に応じて半年ごとに金利が調整される金利タイプです。当初の金利は低めですが、金利変動による返済額の増加リスクがあります。ただし、返済額の上昇幅には制限があり、短期間での返済計画に適しています。

固定金利期間選択型
固定金利期間選択型は、初期の一定期間は固定金利が適用され、固定期間終了後に金利タイプを再選択できる金利タイプです。初期の安定性と後期の柔軟性を兼ね備えていますが、再選択後の金利上昇リスクがあります。
金利タイプを選ぶ際には、将来の金利動向や家計の状況、返済計画の期間などを考慮する必要があります。自分のライフスタイルや経済状態に合った最適な選択を行うことで、住宅ローンの返済を無理なく進められるでしょう。

3. 借入額を決める

住宅ローンの借入額は、まず毎月の返済額を慎重に計算して決めることが重要です。この返済額は、現在の家賃を参考に設定するのが一般的ですが、持ち家の場合は固定資産税やメンテナンスなどの追加費用も考慮し、余裕を持たせる必要があります。

返済負担率、すなわち年収に対する年間返済額の割合を考慮することで、負担のない返済計画を立てられるでしょう。

家を建てるための土地探しのポイント

家を建てるための土地探しのポイント

適切な土地探しは、将来の住まいの快適性や価値を大きく左右します。立地を選ぶポイントとしては、通勤や通学の便、近隣の環境・施設のほか、安全な地域かどうか、自然災害のリスクは低いかなどです。

ここでは、理想の家を建てるための土地探しにおいて、重要なポイントを解説します。

都市計画図

家を建てる際には、土地がどの都市計画区域に属しているかを理解しておきましょう。各市区町村には都市計画があり、土地は市街化区域市街化調整区域に分けられています。役所で取得できる都市計画図で、購入を検討している土地がどの区域に含まれているか確認可能です。

市街化区域は、開発や整備を進めることができるエリアで、家を建てるのに適した場所です。一方、市街化調整区域は、市街地の無秩序な拡大を防ぐため、基本的に住宅建設が制限されています。

ですから、家を建てるためには、まず希望する土地が市街化区域内にあるかを確認することが不可欠です。

ハザードマップ

せっかく建てた家が台風や水災、地震などの自然災害で台無しにならないよう、リスクを事前に把握しておきましょう。災害リスクを把握するためには「ハザードマップ」の確認が必須です。

国土交通省や地方自治体がそれぞれハザードマップを作成しており、さまざまな自然災害が予想される地域と影響の度合いを確認できます。ハザードマップは土地選びに役立つだけでなく、避難場所の位置を確認したり、災害発生時の適切な行動計画を立てたりするのにも便利です。

建ぺい率と容積率

土地選びには、地域特有の建築規制への理解が必要です。特に建ぺい率容積率は、建てられる家の大きさに直接影響します。建ぺい率は、敷地面積に対して建物の1階部分が占めてもいい割合のことです。容積率は、敷地面積に対して延べ面積(建物全体の床面積)が占めてもいい割合を指しています。

2階建ての家を建てる場合、建築面積は1階部分の面積に等しく、延べ面積は1階と2階の面積を合わせたものになります。土地を探す際には、まず土地の建ぺい率と容積率を確認し、希望する家が建てられるかを検討するのが必須です。市区町村の都市計画課などに問い合わせて確認し、理想の家を実現するための計画を立てましょう。

高さ制限や境界線

家を建てる際、建築基準法によるさまざまな制限を理解することが必須です。建築基準法では、特に日照権の保護を目的に、家の高さに制限を設けています。北側の日照を確保するため、特定の地域や条件下で建物の高さが制限されることがあります。

同様に、土地に接した道路の幅や建物までの距離に応じた高さ制限もあり、日照だけではなく、通風や景観の保持にも関わる要素です。

さらに、民法にもとづく都市計画では、隣地境界線から一定の距離を保つことも規定されています。土地を購入する際には、不動産会社から詳細な説明を受けるようにしましょう。

道路幅

建築基準法には接道義務の規定があり、敷地が一定の条件を満たす道路に接していなければ、家を建てられません。接道義務の主な目的は、火災が発生した場合に、消防車や救急車が迅速に現場に到着し、消火や救助活動を行うためです。

道路には公道と私道の2種類があります。公道は国や地方自治体が管理する道路で、私道は個人や団体が所有し、道路として使用しているものです。公道と見分けがつかない私道も多いため、敷地の接道状況を正確に把握する必要があります。

ハウスメーカーを選ぶ際のポイント

ハウスメーカーを選ぶ際のポイント

家を建てることを決めても、どのハウスメーカーに依頼すればいいのか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。理想の家づくりを実現するハウスメーカー選びには、営業担当者が信頼できるかどうか、ハウスメーカーごとの対応エリアや得意分野が自分の要望に合っているかといったことが影響します。

続いて、ハウスメーカーを選ぶ際のポイントについて確認していきましょう。

営業担当者

信頼できる営業担当者がいれば、理想の家づくりの実現に大きく近づきます。営業担当者を見極める際には、下記3つのポイントを意識しましょう。
知識面
こちらの質問に対して、営業担当者が的確に答える能力と専門知識を持っているかを確認します。税金や補助金など、資金計画に関する知識の深さも重要です。

提案力
営業担当者の過去の提案実績とヒアリング能力に着目します。実績が豊富な担当者は、過去の経験を活かした具体的で実用的な提案が期待できるでしょう。また、ヒアリング能力が高い担当者は、顧客の要望を深く理解した上で提案をしてくれます。

人柄
営業担当者の人柄が表れるのは、親身な対応と身だしなみです。営業担当者の対応が心地よく、信頼できるかどうかは、家づくりの過程でのストレスの有無に大きく影響します。

対応エリア

ハウスメーカーを選ぶ際、地域密着型であることは重要なポイントのひとつです。多くのハウスメーカーは施工エリアを限定しており、その範囲外では依頼が難しいことがあります。希望するハウスメーカーが自分の建築予定地域に対応しているかどうかを、事前に確認することが重要です。

また、ハウスメーカーの事業所が建築地に近い場合は、施工中や完成後のトラブルに迅速に対応してもらえるというメリットがあります。ハウスメーカーを選ぶ際には、対応しているエリアを考慮することが、理想の家づくりの成功につながる重要な要素といえるでしょう。

得意なデザイン

ハウスメーカー選びで重要なのは、自分の好みに合ったデザインで施工できるかどうかです。ハウスメーカーはそれぞれが得意とするデザイン分野を持ち、おしゃれに感じるデザインは人によって異なります。

ハウスメーカーのカタログや過去の施工事例を確認することで、各社のデザインの特性を理解できるでしょう。さらに、住宅展示場やモデルルームに足を運ぶと実際のデザインを肌で感じることができるため、自分の好みに合うハウスメーカーを選ぶ際におすすめです。

得意な工法

ハウスメーカーがどんな構造や工法に対応しているかは、家の性能や建築費用に大きく影響します。主な構造には木造や鉄骨造、鉄筋コンクリート造があり、それぞれに対応した工法があります。

■注文住宅の主な構造と工法

構造

工法

木造

木造軸組工法
木造枠組壁工法(2?4工法)

鉄骨造

軽量鉄骨工法
重量鉄骨工法

鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート工法(RC)

構造や工法の選択は、耐震性や耐火性などの性能や建築費用を考慮して行うことが重要です。

例えば、耐火性や耐震性を重視する場合は、費用が高くなるものの、鉄筋コンクリート造を選ぶのがいいでしょう。それぞれの構造や工法の特徴を理解し、自分の要望に合ったハウスメーカーを選ぶことが、理想的な家づくりにつながります。

価格帯

ハウスメーカーを選ぶ際には、予算を把握し、予算内で建てられる会社を選定することが大切です。大手ハウスメーカーとローコストハウスメーカーは、それぞれ異なる価格帯で家を建てています。

どのハウスメーカーを選ぶにしても、予算オーバーにならないよう、着工後の変更や追加費用の発生に注意が必要です。計画変更時の追加費用の有無や金額は、後々のトラブルを避けるためにも契約前に詳細をしっかりと確認しておきましょう。

専門家のアドバイスのもとで、理想の家づくりを

家を建てるにあたっては、複雑でさまざまな工程があります。理想の家づくりを成功させるためには、各工程で重要なポイントを理解し、事前に綿密な計画を練っておくことが大切です。各工程を事前に設定したスケジュールに沿って、不動産会社やハウスメーカー、施工会社などの専門家に相談をしながら丁寧に進めていきましょう。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年ハウスメーカーと注文住宅の顧客満足度ランキングを発表しています。デザインや金額の納得感、モデルハウス、営業担当者の対応などさまざまな視点でのランキングを確認できますので、ハウスメーカー選びの参考にしてください。

ハウスメーカー 注文住宅オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    80.8

    スウェーデンハウス

  • 2位

    78.3

    積水ハウス

  • 3位

    78.2

    ヘーベルハウス

  • 4位

    78.1

    住友林業

  • 5位

    77.1

    一条工務店

  • 6位

    76.8

    パナソニック ホームズ

  • 6位

    76.8

    三井ホーム

  • 8位

    76.4

    セキスイハイム

  • 9位

    76.2

    大和ハウス

  • 10位

    75.9

    ミサワホーム

  • 11位

    75.6

    トヨタホーム

  • 12位

    75.0

    イシンホーム

  • 13位

    74.8

    アイ工務店

  • 13位

    74.8

    住友不動産

  • 15位

    74.4

    クレバリーホーム

  • 16位

    73.1

    アキュラホーム

  • 17位

    73.0

    住宅情報館

  • 17位

    73.0

    富士住建

  • 17位

    73.0

    ユニバーサルホーム

  • 20位

    72.9

    イシカワ

  • 21位

    72.7

    アイフルホーム

  • 22位

    72.6

    桧家住宅

  • 23位

    71.9

    タマホーム

  • 23位

    71.9

    日本ハウスホールディングス

  • 25位

    71.2

    ヤマダホームズ

  • 26位

    70.1

    秀光ビルド

  • 27位

    69.3

    アイダ設計

  • 28位

    67.9

    オープンハウス・アーキテクト

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

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