家を建てるなら平屋か二階建てどちらがいい?メリットや費用を解説
今回は、平屋と二階建てのメリット・デメリットについて、わかりやすく解説します。平屋と二階建てにかかる税金やメンテナンス費用についてもふれていますので、参考にしてください。
目次
平屋とは一階建ての住宅のこと
平屋には階段がないため、高齢者や子供にとって安全で快適に暮らせる住宅です。
また、地震に強いことや、家族間のコミュニケーションがとりやすいことなど、二階建て住宅にはないさまざまなメリットがあります。
日本では長らく二階建て住宅が主流でしたが、近年ではデザイン性に優れた平屋や独自性の高い平屋を取り扱うハウスメーカーも増え、平屋に対する注目が高まっています。
平屋のメリット
ここからは、平屋の主なメリットを5つご紹介します。
生活動線がコンパクトになる
平屋はワンフロア構造であるため、生活する上で階段の昇り降りが不要です。
また、暮らしに必要なものがすべてひとつのフロアに集まっているため、無駄な移動が減り、生活動線をコンパクトにまとめられます。
お年寄りや子供が生活しやすい
転落事故などの心配が減り、家族全員が安心して暮らせることもメリットです。
消費者庁の資料によると、65歳以上の高齢者が転倒事故により負傷した事例のうち、自宅での転倒事故が48%を占めています(※)。
自分や家族が高齢になったときにも安心して暮らし続けるためには、二階建て住宅よりも平屋のほうが適しているケースもあるでしょう。
※消費者庁「10月10日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう!」
地震や台風に強い
地震や台風などによる揺れに強く、建物へのダメージが少ないことがメリットです。
耐震性や耐風性を重視するのであれば、二階建て住宅よりも平屋のほうが優れているといえるでしょう。
家族とのコミュニケーションがとりやすい
これにより、家族全員が集まるリビング・ダイニングを中心に、気軽に声を掛け合える設計が可能です。
このような家族の絆を深めやすい環境は、二階建て住宅にはない平屋ならではのメリットといえます。
外壁のメンテナンス費用が安く抑えられることがある
住宅は時間が経つにつれて劣化するため、外壁の定期的なメンテナンスが必要です。
通常、メンテナンス費用は外壁の面積が大きければ大きいほど高くなります。
外壁のメンテナンス費用が安く抑えられるケースが多いことも、平屋のメリットのひとつといえるでしょう。
・平屋住宅を建てるには?おすすめハウスメーカー8選
平屋のデメリット
続いては、平屋の主なデメリットについて詳しく見ていきましょう。
二階建て住宅よりも建築費用がかかる
必要な生活空間を1階のみですべて確保するには、基礎部分や屋根の面積が大きくなり、結果として二階建て住宅よりも建築費用が増加します。
費用を抑えるためには、間取りを工夫して住宅の機能をコンパクトに集約する必要があります。
日当たりや風通しが悪くなる場合がある
特に、建物の中心部は、昼間でも薄暗くなってしまうことがあります。
また、周囲に高い建物が多い場合、より日当たりや風通しが悪くなる場合があるので注意が必要です。
水害に弱い
二階建て住宅では、水害発生時に2階へ避難することができますが、平屋では避難が困難です。
ですから、住宅を建てる際には、ハザードマップを確認し、洪水浸水想定区域に指定されている土地を避けることが重要です。
特に、河川の近くや標高が低い地域では、土地選びに注意しましょう。
・水害に強い家を建てるには?おすすめのハウスメーカー6選
防犯対策が必要
平屋はすべての窓が1階にあるため、空き巣などの犯罪リスクが増加します。
加えて、屋外から住宅内の様子をのぞき見ることができるため、プライバシーの保護も課題です。
防犯システムを導入したり、屋外からの視線を遮るような間取りにしたりといった工夫が必要です。
広い土地が必要
平屋の場合、全ての生活空間が1階にあるため、必要な部屋数や機能を確保するには、ある程度広い土地が求められます。
広い土地を購入するための費用がかさみ、家を建てるためのトータルの費用が高くなってしまう可能性があります。
二階建て住宅のメリット
平屋と比較した際の主なメリットは、下記のとおりです。
平屋よりも建設費用が抑えられる
二階建て住宅のほうが基礎部分や屋根の面積が小さくなるため、より少ない建材で建てられるからです。
また、壁や床のサイズやピッチがある程度決められた建材が大量生産されていることから、平屋と比べて建材のコストを抑えられる点も大きなメリットといえます。
・注文住宅は高い?建築費が高くなる理由やコストを抑える方法を解説
土地が狭くても部屋数を多く確保できる
1階と2階にそれぞれ部屋を設けられるため、土地が狭くても必要な生活空間を確保できるためです。
敷地面積が限られている場合には、平屋よりも二階建て住宅のほうがメリットを感じられるでしょう。
二世帯で暮らしやすい
キッチンや浴室、トイレを1階と2階それぞれに設置することによって、各家族のプライバシーを守りやすくなります。
また、将来的に二世帯住宅へのリフォームを考えている場合にも、二階建て住宅であればリフォーム費用を抑えられることがあります。
プライバシーが守れる
人通りや車通りの多い道路に面している敷地や、隣家との距離が近い敷地の場合、プライバシーの確保がしやすいことは大きなメリットとなるでしょう。
近年では、リビングを2階に設置するケースも増えつつあります。プライバシーの確保を重視するのであれば、平屋よりも二階建て住宅のほうがおすすめです。
広い土地が必要ない
こだわりたい間取りがある場合にも、平屋と比べて実現できる可能性が高いでしょう。
広い土地を用意するのが難しい場合には、平屋よりも二階建て住宅を選ぶことで快適な居住空間を実現しやすくなります。
・狭小住宅を建てるには?おすすめハウスメーカー8選
二階建て住宅のデメリット
想定される主なデメリットは下記のとおりです。
階段の上り下りが大変
特に、高齢になってからのことを考えると、階段の上り下りは足腰に負担がかかるだけでなく、転落事故などのリスクもあります。
二階建て住宅を選ぶ際には、若い時だけでなく、高齢になった場合の生活も想定して計画を立てることが大切です。
家族のコミュニケーションがとりづらい
プライバシーが保てる反面、お互いの様子を把握しにくくなるかもしれません。
特に、子供の成長とともに各自が自分の部屋で過ごす時間が増えると、家族との交流が減少する可能性があります。
家族とのコミュニケーションを重視する場合は、間取りや生活動線を工夫する必要があるでしょう。
地震の際に揺れを感じやすい
建物の重心が高い位置にあるため、振動の影響を直接的に受けやすく、揺れを感じやすくなるためです。
そのため、住宅の耐震性能の確保はもちろん、地盤の硬さを確認しておくなど、大地震が発生した場合に備えてさまざまな対策を講じる必要があります。
・地震に強い家を建てるハウスメーカーは?特徴や比較ポイントを解説
光熱費がかかりやすい
二階建て住宅は吹き抜けや開放的な階段など、平屋にはない設計が可能になりますが、冷暖房の効率は下がってしまいます。
特に、建物の上部に温かい空気が溜まりやすいため、夏場には2階部分が暑くなりやすく、それぞれの部屋で冷房を使用し続けると光熱費が増加してしまうでしょう。
外壁のメンテナンス費用が高くなる場合がある
さらに、2階部分のメンテナンスを行う際には足場を組む必要があることも、施工費が高くなりやすい要因のひとつ。
住宅は建てた後も定期的にメンテナンスを行う必要があることから、メンテナンス費用も加味して平屋か二階建て住宅のどちらを選ぶかを検討することが重要です。
平屋と二階建て住宅にかかる税金・メンテナンス費用
平屋と二階建て住宅では、税金やメンテナンス費用にそれぞれ差が生じる傾向があるため、把握しておく必要があります。
固定資産税や都市計画税に関しては、二階建て住宅よりも平屋のほうが高くなるケースが多いと考えられます。
同じ延べ床面積で比較した場合、平屋のほうが広い敷地面積を必要とするためです。
一方、外装のメンテンナンス費用に関しては、平屋よりも二階建て住宅のほうが高くなりやすい傾向があります。
前述のとおり、外壁の面積は平屋よりも二階建て住宅のほうが大きくなりやすいことに加え、作業用の足場を組む必要があるからです。
平屋と二階建て住宅は、メリット・デメリットを踏まえて検討しよう
平屋と二階建て住宅に対応したハウスメーカーを選ぶ際には、各社の特徴や強みのほか、実際に家を建てた人の評判・口コミを参考にして選ぶといいでしょう。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「ハウスメーカー 注文住宅 満足度ランキング」を発表しています。デザインや金額の納得感、モデルハウス、営業担当者の対応など、さまざまな視点でのランキングを確認できますので、ハウスメーカー選びの参考にしてください。
ハウスメーカー 注文住宅 オリコン顧客満足度ランキング