2016年04月04日 09時20分

【カードローン】過払い金、個人請求するコツとは?

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今回は個人で“過払い金請求”を行う場合の流れを紹介する

 カードローンを利用するなかで、気づかないうちに利息を「過払い」状態になっていることがある。そのため、ローンの返済額は自分でもきちんと把握し、業者が不正を働いていないかチェックしておくことが大切だ。

 前回は、過払い金の基礎知識やメリット・デメリット、請求方法について紹介した(※関連記事「過払い金が返ってくる! 払いすぎた利息はどう取り戻す?」参照)。今回は、個人で請求する場合の流れと具体的な請求方法について紹介する。あまりお金をかけずに請求したい人は、最後まで目を通してほしい。

■個人請求の流れと方法
 では、さっそく請求を行う前におさえておきたい準備から、過払い金受け取りまでの流れをみていこう。

【1】取引履歴を取得する
 個人で請求する場合は、取引履歴を取得することから始まる。取引履歴請求書を作成し、金融業社に送るのだ。取引履歴は郵送やFAXのほか、電話で取り寄せることも可能。請求してから2〜3週間で手元に届く。

 取引履歴を請求する際に、「貸金業者に脅迫されるのではないか」と恐れる人もいるが、そのような状況はないため、心配する必要はない。実際に最高裁の判例で、「貸金業者は債務者の取引履歴の開示請求に応じる義務がある」とされており、拒否をすれば損害賠償の対象になるからだ。

【2】引き直し計算を行う
 取引履歴を手に入れたら、その履歴をふまえて“引き直し計算”で過払い金の計算を行う。過払い金の引き直し計算では、取引履歴のほか、エクセルや過払い金計算ソフトが必要。過払い金計算ソフトは、インターネット上で無料ダウンロードすることが可能だ。

 ソフトを起動したら、取引履歴を参照しながら必要な項目を入れていく。全ての項目を入力し、「残元金」がマイナスになっている場合は過払い金が発生していることになる。残元金と過払い利息残額を足した額(マイナスは取り払う)が、過払い金額となるのだ。


【3】過払い金の請求
 過払い金が発生していることがわかったら、貸金業者に過払い金請求書を送付する。請求書の雛形もネット上で無料ダウンロードが可能だ。

【4】貸金業者との和解交渉
 次に貸金業者と和解交渉を行う。方法としては、電話などで貸金業者に対して交渉を行う。個人で請求する場合、貸金業者が不当に低額な和解金を提示してくる場合があるため、毅然とした態度を保つことが大切だ。請求はあくまで法的根拠のある正当な主張なので、妥協をしたり、下手に出る必要はない。

 ただし、業者によってはこちらが希望する額の満額ではなくても、7〜8割の額で和解を希望してくる場合がある。これは比較的良心的なケースだ。この和解交渉が成立しなかった場合、訴訟を行うこととなり、新たな訴訟にかかる費用が発生する。あくまで決定権はこちらにあるが、割に合うところで和解に応じるのも一つの手だろう。

【5】過払い金請求訴訟を行う
 過払い金の和解交渉でうまく和解ができなかった場合、裁判所で過払い金の請求訴訟を行うことになる。訴訟を行うには、以下の書類が必要だ。

・訴訟(正本と副本と同じものを2通用意)
・証拠説明書(正本と副本と同じものを2通用意)
・取引履歴(正本と副本と同じものを2通用意)
・引き直し計算書(正本と副本と同じものを2通用意)
・登記簿謄本

 上記の書類を用意して管轄裁判所に提出。管轄裁判所は、貸金業者との契約書に記載されている。また、業者によっては、訴訟を実際に起こした時点で和解交渉に応じる場合があり、判決まで発展せずに、和解が成立する場合もある。こちらが納得できる和解案を出してもらえるのであれば、この時点で和解に応じることも良いだろう。

 また、過払い請求にかかる費用は以下の通り。

・印紙代
・郵券代(東京裁判所は6400円)
・登記簿謄本取得費

 元利合計が60万円以下であれば、簡易裁判所の少額訴訟を利用することが可能。訴状が簡易であり、場所も会議室のようなラウンドテーブルという比較的カジュアルな場となるため、通常訴訟よりも利用がしやすいだろう。過払い金が高額になる場合や貸金業者の主張によっては通常訴訟を利用することになる。

【6】過払い金の入金
 和解が成立したら、貸金業者から過払い金が支払われる。指定した口座に振り込まれているかどうか、きちんと確認しよう。

 以上が、個人で過払い金を請求する一連の流れだ。個人で請求するのが少し不安な人は、引き直し計算だけをサービスとして行っている法律事務所などもあるので、そのようなサービスをうまく利用すると良い。万が一、上限金利を超えている利率で返済をしていることが判明した場合は、すみやかに過払い請求を行うことをオススメする。

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