ネット銀行のセキュリティ対策

  • ネット銀行のセキュリティ対策

 個人情報の流出事件が相次いでいる現在、本当にネット銀行が安全なのか気になっている人も多いのではないでしょうか。ネット銀行ではサイバー犯罪の対策として、独自のセキュリティ体制を構築しています。今回は代表的なネット銀行を取り上げて、それぞれの安全・セキュリティ対策を紹介しましょう。

住信SBIネット銀行

 信託銀行大手の三井住友信託銀行とネット証券会社のSBIホールディングスが共同で設立した住信SBIネット銀行。そのセキュリティの特徴は各種取引制限(ロック機能)と3重のパスワード、そして携帯電話での認証機能です。
 ロック機能によってキャッシュカードの振込・引き出し限度額を設定できます。また、3重のパスワード(ログインパスワード・取引パスワード・認証番号表)で口座をしっかりと守ります。モバイルキー認証は住信SBIが誇る先進技術。手持ちの携帯電話を「もうひとつの鍵」として使えることで、パソコンのみでは守りきれない不正アクセスへの対策技術となりました。ただし、モバイルキーは2014年9月で終了し、スマートフォンによる認証サービス「スマート認証」へ移行されました。

セブン銀行

 セブンアンドアイホールディングスが運営しているセブン銀行。コンビニATMが非常に多くて便利ですよね。そのATMにはフィッシング詐欺や振り込め詐欺に対抗するために、記録用のカメラを設置している他、盗み見防止用の特殊フィルムを画面に装備していたり、ついたてがあったり、インターホンが付いていたりと、安全な取引を行うための各種機能が付いています。
 バンキングサービスにおけるセキュリティ対策も備えています。不正アクセス防止のために、24時間365日の常時アクセス監視体制が敷かれており、個人情報保護のためデータ通信は128bitSLL以上の暗号化通信でのみ行われています。

ソニー銀行

 ソニーフィナンシャルホールディングスが運営しているソニー銀行では、預金者の大切なお金を保護するために様々なセキュリティ対策を行っています。公式ホームページでは16の対策が紹介されていますが、いくつか紹介しましょう。
 資金移動のタイミングでは、ログインとは別に取引用パスワードが必要になるようになっています。ここでは銀行から提供される乱数表を元に預金者が文字を入力する必要がありますが、ソニー銀行では数字・英大文字・英小文字のブロックの配置が表示のたびに変わるように工夫されています。これで、マウスのクリック位置を記録するプログラムを使われても、不正アクセスされる心配はありません。
 また定期預金の解約や重要な取引をする場合は、第3のパスワードを求められるようになっており、ソニー銀行では「好きな映画のタイトルは?」といった合言葉に応えるようになっています。

じぶん銀行

 携帯キャリアのau(KDDI)と三菱東京UFJ銀行が共同で設立したじぶん銀行。じぶん銀行と言えばモバイル端末を利用したネット銀行の利用が特徴ですが、セキュリティ対策でも携帯電話を活用しています。
 じぶん銀行のスマートフォンアプリからATMとパソコンをロックすることができ、ロックを解除しても60分後には自動的にロックがかけられるので、知らないうちに不正アクセスされる心配は少なくなるでしょう。振込み・ATM出金限度額もスマートフォンとPCから自由に設定できますし、お金の流れをメールで通知してくれる設定もあります。

新生銀行

 ATMの手数料が一切かからないことで有名な新生銀行。新生銀行のセキュリティ対策は、ユーザーの満足度が非常に高いことも特徴です。
 新生銀行はセキュリティ・カードを利用することにより、暗証番号が仮に流出してもカードがなければ取引はもちろんのこと、ログインすらできない仕組みになっています。また、万が一の時の補償制度も充実。不正利用被害にあったユーザーには、条件付きですが最大300万円までの補償制度を備えています。

ゆうちょ銀行

 日本で一番大きな銀行であるゆうちょ銀行。郵便局時代は貯金を取り扱う一部門でしたが、郵政民営化により2007年の10月、民間の銀行として誕生しました。
 ゆうちょ銀行のセキュリティ対策として特徴的なのが「トークン」です。これは「ワンタイムパスワード」ともいって、1度しか使えないパスワードを1分おきに生成する電子機器になります。これによって、万が一パスワードを盗み見られた際にも、一度使用したパスワードは無効となるので、不正アクセスを防止することができます。
 ちなみにトークンはゆうちょ銀行が2014年6月から無料配布を行っています。

イオン銀行

 ショッピングモールで有名なイオングループが運営しているイオン銀行。イオン各店にイオン銀行ATMが設置されており、買い物にも役立つクーポンが発行されるなど、イオンを利用する人にとって利便性の高いネット銀行です。
 イオン銀行のセキュリティ対策の特徴はいくつかありますが、その一つが独自のセキュリティソフト「SaAT Netizen」(サート・ネチズン)の無償提供。イオン銀行のホームページを自動的に監視するサービスで、利用している間、様々な攻撃からガードしてくれます。

スルガ銀行

 静岡県に本店を置くスルガ銀行。地方銀行の一つですが、ネット銀行では全国展開しています。バイオセキュリティに早くから取り組み、「手のひら静脈」認証という生体認証を世界で初めて取り入れました。
 ネット銀行としては、リスクベース認証という技術を採用しています。この認証システムにより、通常使用していないPCからアクセスがあった場合は、登録してある合言葉を表示し、全て回答しなければログインできまません。より高いレベルのセキュリティを確保することができます。

ジャパンネット銀行

 日本で初のネット銀行であるジャパンネット銀行。ジャパンネット銀行のセキュリティ対策の特徴は2つ。一つがワンタイムパスワード(トークン)です。
 ログインパスワードの他に、大切な取引の際にはワンタイムパスワード(またはIDコード)の入力を求めることで一層のセキュリティ強化を図っています。しかも、10分以上入力がなければ自動でタイムアウトし、一定回数以上間違って入力するとパスワードは失効します。
 もう一つは各種の保険制度です。キャッシュカードを盗難されて不正利用された場合は「キャッシュカード盗難保険」で50万円まで補償されます。「預金口座不正使用保険」は普通預金から不正に振込されたことによる損害を補償する保険です。1口座当たり最大で500万円の補償限度額となっています。さらに保険料はジャパンネット銀行が負担するので、利用者にとって負担のかからないとても安心な制度です。

三菱東京UFJ銀行

 メガバンクの一つ三菱東京UFJ銀行が運営しているネット銀行「三菱東京UFJダイレクト」。SLLによる暗号化通信、何重ものパスワード、ソフトウェアキーボードの採用、ファイアーウォールの導入、24時間のセキュリティ体制などの他に、インターネットバンキング専用のウイルス対策ソフトとして「Rapport(ラポート)」を無償提供しています。
 Rapportによってウイルスを検知・除去し、通信情報の漏洩を防ぎます。インストールするだけで自動的に機能することや利用料金がかからないこともメリットです。
 
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