ネット銀行って何?普通の銀行との違いと選び方

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 お金のやり取りや取引、サービスの利用などを、PCやスマホを使ってインターネットを介して行うことができるネット銀行。いかにも便利そうですし、使ってみたいと考えつつも、どんなサービスがあるのかわかならいし、どの銀行がいいのか選び方に迷っている人も多いでしょう。ここでは、「ネット銀行とは?」というところから、お話ししましょう。

ネット銀行とネットバンキング

 「ネット銀行とネットバンキングとは何か?」。こんな疑問を感じている人もいるでしょう。まずはこのことについて、少しふれておきましょう。

 インターネットの普及と通信インフラの拡充、セキュリティ技術の確立などから、銀行での各種手続きをインターネットを介して行うサービスが生まれ、それが「ネットバンキング」「オンラインバンキング」などと呼ばれるようになりました。店舗に出向くことなく振込みなどが自宅でできるため、利用者はどんどん増えていきました。やがて、自社で店舗やATMを持たない「ネット専業」の会社が登場すると、金利や手数料の有利さから多くの顧客を集めるようになりました。これがネット銀行登場の経緯です。

 つまりネット銀行は「インターネットバンキングを専業で行っている銀行」というわけです。では、一般のメガバンクや地方銀行が提供しているネットバンキングと、ネット銀行では、サービスに違いがあるのでしょうか?サービスそのものには、大きな違いはありません。

原則店舗を持たない「ネット銀行」のメリット

 店舗を構え、そこに人を配置すれば、それだけで毎月大きなコストがかかります。そのコストを排除したのがネット銀行です。そのため、ネット銀行には運営コストの安さを活かした、さまざまなメリットがあります。

・振込手数料が安い
 振込手数料の安さは、ネット銀行の一番のメリットです。振込手数料は、振込先によって変わってきますが、例えば月間1〜15回程度まで振込手数料を無料とする銀行や、無料回数以降も「3万円以上は無料」とする銀行などがあり、課金するにしても1件あたり100〜200円程度と安価に抑えられています。

・いつでもどこでも手続きできる
 月末ともなると、銀行のATMには長蛇の列を目にしますね。しかし、ネット銀行なら、順番待ちの必要はありません。スマホなどで移動中の車内からでも振込みができますから、振込みのために行動を縛られることがなくなります。もちろん、残高もネット上でチェックできます。

・着金が早い
 一般の銀行では、時間外に送金手続きをすると、翌営業日になってから先方に着金します。ですが、一部のネット銀行は、同じネット銀行内でのやり取りであれば、送金後にすぐ着金…ということが可能です。ネットオークションで早く商品を発送してもらいたいときなどは便利でしょう。早く安く手続きできるのが、ネット銀行の使い勝手の良さとなります。

ネット銀行でできること

 ネット銀行であっても、利用できる取引等の内容は一般の銀行とさして変わりません。普段から使っている銀行と同じように、各種手続きをすることができます。ただし、店舗を持たないことから、実際の手続きの方法は少々違ってきます。ネット銀行における各種取引のやり方・一般の銀行と違う点について、見ていきましょう。

・現金の預入れ、引出し
 ネット銀行はキャッシュカードを発行していますが、基本的に店舗も自前のATMも持っていません。そのため現金の出し入れは、ほかの銀行やコンビニのATMを使用します。出入金には手数料がかかりますが、一定の条件で無料、あるいは「月間○回まで無料」という設定が多いようです。

・振込み
 振込手続きはネット上で行います。PCまたはスマホがあれば、いつでも手続きが可能です。振込手数料は100〜200円程度と安く、一定の条件下で無料になったり、出入金と同様に回数を定めて無料としたりしているケースがほとんどです。

・取引明細
 ネット銀行は通帳を発行しませんので、取引明細はWeb上で確認することになります。紙の記録を残しておく必要があれば、明細ページをプリントしておけばいいでしょう。銀行によっては取引明細を、PDFやCSVファイルでダウンロードできることもあります。

・カードローン
 急な現金が必要になったときに便利なカードローンは、ネット銀行でも利用できます。事前に審査に通っていれば、一般の銀行と同じようにATMで借入れ・返済ができます。

 ネット銀行だからといって、使い方に面倒があるわけではありません。出入金や振込み、残高照会など、普段の手続きに関しては一般の銀行と同様に行うことができます。それでいて銀行に出向く必要がなく、各種手数料が割安。「近くに銀行がない」「忙しくて銀行に行きにくい」という人はもちろん、月末に多くの振込みをしなくてはならない事業主には、とても便利な存在です。

ネット銀行を選ぶときのポイントは?

 では、新たにネット銀行に口座を持とうと考えたとき、どの銀行を選ぶべきでしょうか?これは、日常的にどのような使い方をするかによってポイントが変わってきます。

・近所のATMで使える銀行を選ぶ
 自宅の近所、あるいは会社の近くにコンビニATMがあれば、そこで使えるネット銀行が便利です。ほかにも、鉄道路線では、JR東日本の駅構内にあるATM「VIEW ALTTE」で使える住信SBIネット銀行や、関西圏の私鉄に多く設置されている「PatSat」で利用可能な楽天銀行など、思わぬところで利用できることがあります。

・口座振替に使うと特典がつくことも
 電気や水道料金の振替口座にネット銀行を指定しておくと、振替件数に応じてポイントがつくというネット銀行があります。口座振替の対象となる支払先は各ネット銀行によって異なるので確認が必要ですが、例えば口座振替1件あたり、楽天銀行では楽天ポイントが1〜9ポイント、イオン銀行ではWAONポイントが5または10ポイント、セブン銀行ならnanacoポイントが10ポイントもらえます。楽天銀行では、楽天の会員ランクによってもらえるポイントが上がっていきますので、日頃からショッピングで利用しているのなら検討すべきでしょう。

・振込みが多いなら手数料はしっかりチェックを
 振込みの多い人にとって、振込手数料のチェックは欠かせません。ネット銀行の振込手数料は、一般の銀行よりも割安ですが、「月間○回まで」「○万円以上」などの条件で無料にしているケースがほとんどです。振込み件数が多い場合、振込手数料無料枠が多いネット銀行を選ぶなど、自分の使い方に合った一番使い勝手の良い銀行を選んでください。

 ネット銀行を利用するにあたって、特に難しいことや面倒なことはありません。あれこれ考えるよりも、まず使ってみてはいかがでしょうか。そうすれば、その便利さがよくわかるはずです。
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