2016年01月22日 08時30分
知っておくべき【住宅ローン】 “借りられる金額”は“返せる額”とは限らない!
利用前にチェック! 住宅ローンを契約する際に注意しておきたいこととは?
年末年始は、住宅の広告などを目にする機会も多く、「そろそろ住宅購入を考えよう…」という人もいるかもしれない。住宅購入を考えると、気になる事のひとつに、“ローン”があるだろう。
住宅ローンは、“どれくらいの金額を借りるか”ということに関心がいきがちだ。ところが、実は“本当に返せるのか”を考えることが先決だと理解しておきたい。
■ローンの返済だけでなく、諸費用がかかることも忘れずに
住宅ローンを組むときには、年収や年齢などを元に「借りられるローンの金額」が算出される。条件によって異なるが、多いところだと年間返済額の上限として、年収の4割程度を借りることも可能だ。
ところが、“住宅ローンの返済”だけで判断するのは非常に危険。住宅購入の際には、住宅ローンだけでなく、そのほかの諸費用もかかってくるからだ。
仮に3000万円の物件であれば、一般的な諸費用は、新規物件なら150万円〜210万円、中古物件なら210万〜300万円程度が目安となる。
そのほか、登録免許税や司法書士報酬、仲介手数料などがかかり、マンションなら月々の管理費や修繕積立金、駐車場代も必要になる。毎年の固定資産税もある。
また、変動金利のローンを選んだ場合、今後金利が上がった場合に、返済額が増えるというリスクもある。万一、ローンを返済できなくなってしまったら、延滞損害金などを支払う必要がある。
■長い人生を考え、ローンを返せるかをチェック
また、現在の1ヶ月の収支状況で判断するのも危険だ。
余裕がありそうだと感じ、今後繰り上げ返済をしていこうと思っても、子どもが生まれ、中学校、高校、大学などの入学時期と重なると、そもそも、月々の住宅ローン返済じたいが苦しいと感じるときがくるかもしれない。
職場の収入も右肩上がりとは限らず、社内での収入の伸びを確認しておくと安心だろう。勤務先によっては、50代から給料が上がらないか、もしくは下がるケースが多い場合もあるし、退職金がそもそも出ないという場合もあるだろう。
住宅ローン返済で必死になり、老後資金がまるで貯まらなかったということになっては大変だ。
■住宅ローンは、“恋愛”ではなく“結婚”のようなもの
住宅ローンは、数十年間にわたるお付き合いになるので、今後家族のさまざまな変化にも対応できるかどうかをよく考えることが大事だ。
住宅ローンのありかたをたとえるなら、ときに勢いで始まることもある“恋愛”ではなく、一生を誓い合う“結婚”の方が近いだろう。“添い遂げられるか”が重要だからだ。
ただ、結婚の場合、勢いで結婚して何か問題が起きても、人間同士なので、お互いが歩み寄って解決することも多い。ところが、人間&住宅ローンの場合は、住宅ローンの方から歩み寄ってくれることはない。だから、最後まで自分が添い遂げられるかを確認する必要があるのだ。
住宅ローンを組む時は、“借りられるローン”だけでなく、“今後数十年にわたって返せるローン”かが重要だということを、納得いただけただろうか。住宅購入を検討する際には、必ず確認しておこう。
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