私立の中学校に通うなら学費はどれくらい?費用の内訳を徹底解説

私立の中学校に通うなら学費はどれくらい?費用の内訳を徹底解説

子どもを私立中学校に通わせたいけれど、学費が心配な保護者は多いでしょう。私立中学への進学を考えるなら、まずはかかる費用を把握し、家計状況に合った計画を立てる必要があります。

この記事では、私立中学校に通う場合教育費の相場や内訳学費負担を抑える方法学費の準備方法などについて詳しく解説します。子どもを私立中学校に通わせたい保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. 私立中学校、学費はいくらかかる?内訳は?
    1. 学校教育費
    2. 学校給食費
    3. 学校外活動費
  2. 中学校受験のための塾代も忘れてはいけない
  3. 実際いくら?東京都の私立中学校の学費を見てみよう
  4. 学費が高くても私立中学校に通う理由は?
    1. 教育環境や設備が充実しているから
    2. 公立の中学校は評判が悪いから
    3. 中高一貫校なら高校受験をしなくていいから
  5. 私立中学校の費用を抑える方法3選
    1. 学費が安い私立中学を受験する
    2. 奨学金制度・特待生制度などを使う
    3. 私立の中高一貫校から国公立の中高一貫校へ志望校を変える
  6. 私立中学校の学費を用意するにはどうする?
    1. 仕事を増やして貯金する
    2. 学資保険を利用する
  7. 私立中学校に通うなら学資保険で学費を準備しよう

私立中学校、学費はいくらかかる?内訳は?

【私立の中学校】学費はいくらかかる?内訳は?

子どもが私立中学校に通う場合、学費は公立中学校と比べて大幅に高くなります。

文部科学省の「子供の学習費調査(令和5年度)」によると、私立中学校の1年間の学習費総額は平均1,560,359円となっています。

一方、公立中学校は542,475円で、その差は約3倍にもなるのです。特に私立中学校では学校教育費が高額で、1年間の平均は1,128,061円と公立の約7倍にのぼります。
私立中学校 公立中学校
第1学年 第2学年 第3学年 平均 平均
学校教育費 1,488,776円 910,379円 971,659円 1,128,061円 150,747円
学校給食費 9,507円 9,545円 8,885円 9,317円 35,667円
学校外活動費 371,556円 362,056円 539,226円 422,981円 356,061円
学習費総額 1,869,839円 1,281,980円 1,519,770円 1,560,359円 542,475円

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「子供の学習費調査(令和5年度)(中学校)」(文部科学省)

以下では、これらの費用の内訳を見ていきましょう。

学校教育費

私立中学校の学費の中で最も大きな割合を占めるのが「学校教育費」です。学校教育費には授業料や入学金、教材費をはじめ、教科外活動費、修学旅行積立費やPTA会費なども含まれます。

文部科学省の「子供の学習費調査(令和5年度)」によると、学校教育費の平均1,128,061円の内訳は、以下のとおりです。
<学校教育費の平均1,128,061円の内訳>
●入学金:72,005円
●入学時の施設整備費等:27,639円
●入学検定料:20,185円
●授業料:458,018円
●施設整備費等:106,936円
●修学旅行費:31,978円
●校外学習費:33,298円
●学級・児童会・生徒会費:11,296円
●その他の学校納付金:24,504円
●PTA会費:9,248円
●後援会費:7,219円
●寄附金:13,065円
●教科書費・教科書以外の図書費:41,515円
●学用品・実験実習材料費:38,620円
●教科外活動費:65,131円
●通学費:85,095円
●制服:51,737円
●通学用品費:18,461円
●その他:12,111円
私立中学校の主要な学校教育費は授業料ですが、上記のように細かいさまざまな費用がかかることがわかります。これらを合計すると、公立中学校の約7倍にもなってしまうわけです。

学校給食費

私立中学校では国からの給食費補助がないため、給食を提供している学校は少ないのが現状です。そのため、多くの私立中学校ではお弁当持参が基本となり、一部の学校ではカフェテリアや食堂が設置されています。

これらを利用する場合、昼食代が別途かかることが一般的です。

学校外活動費

学校外活動費は、補助学習費その他の学校外活動費に大きく分けられます。

文部科学省の「子供の学習費調査(令和5年度)」による学校外活動費の平均422,981円の内訳は、以下のとおりです。
<学校外活動費の平均422,981円の内訳>
【補助学習費】
●家庭内学習費:28,802円
●通信教育・家庭教師費:31,386円
●学習塾費:168,058円
●その他:8,740円
合計:236,986円

【その他の学校外活動費】
●体験活動・地域活動:10,300円
●芸術文化活動:42,789円
●スポーツ・レクリエーション活動:32,487円
●国際交流体験活動:66,503円
●教養・その他:33,916円
合計:185,995円
補助学習費学校の授業を補完するための費用で、その多くを学習塾費が占めています。私立中学校では、受験対策や学力向上のために塾や家庭教師を利用する家庭が多い背景が推測できます。

その他の学校外活動費は、学習以外のスポーツや習い事などにかかる費用です。ここでは、ユニホーム代や楽器購入費用のような支出が考えられます。

学校外活動費は、子どもの個別のニーズや家計状況に応じて大きく変動する可能性があります。

中学校受験のための塾代も忘れてはいけない

中学校受験のための塾代も忘れてはいけない

私立中学校への進学を考えている場合、中学受験のための塾代も重要な費用として考慮する必要があります。多くの家庭では、小学校3年生や4年生頃から受験対策の塾に通い始めるのが一般的です。

学年が上がるにつれて授業内容が高度化し、通塾頻度も増えるため、費用は年々膨らむ傾向にあります。たとえば、小学4〜5年生では年間40万〜70万円程度、6年生では90万〜120万円程度が相場とされています。

さらに、有名塾難関校対策コースを選択する場合、さらに費用が高額になる可能性があります。家庭の予算を考慮しつつ、子どもに合った塾を選ぶようにしましょう。

実際いくら?東京都の私立中学校の学費を見てみよう

東京都の私立中学校の学費は、年々上昇傾向にあります。東京都の「令和6年度 東京都内私立中学校の学費の状況について(外部リンク)」によると、初年度納付金の平均額は1,009,362円となり、前年度と比べて20,237円(2.0%)増加しました。

東京都の私立中学校の初年度納付金の平均額の内訳は、以下のとおりです。
<東京都私立中学校 初年度納付金平均額の内訳>
●授業料:503,774円
●入学金:263,232円
●施設費:33,685円
●その他:208,672円
初年度納付金最高額最低額は、以下のとおりです。
<初年度納付金 最高額と最低額>
●最高額:2,117,800円(上野学園・国際コース)
●最低額:668,000円(八王子実践、サレジオ)
上記から、私立中学校の学費には大きな幅があることがわかります。

また、調査対象校延べ203校の学費の変動状況は、以下のとおりです。
<調査対象校延べ203校:学費の変動状況>
●値上げ:63校
●値下げ:1校
●据え置き:136校
●コース等新設:3校
以下、有名校の初年度納付金を紹介します。
<主な有名校の初年度納付金>
●麻布中学校:1,068,000円
●開成中学校:1,076,000円
●武蔵中学校:1,270,000円

●桜蔭中学校:1,019,600円
●女子学院中学校:1,078,400円
●雙葉中学校:940,800円
これらの数字は、東京都の私立中学校の学費が全体的に上昇傾向にある一方で、学校によって大きな差があることを示しています。

保護者が子どもの教育に適した学校を選ぶ際、学費も重要な考慮事項の一つとなるでしょう。

学費が高くても私立中学校に通う理由は?

学費が高くても私立中学校に通う理由は?

私立中学校に進学する生徒の割合は、年々増加傾向にあります。学費が高くても私立中学校に通う理由を見ていきましょう。

教育環境や設備が充実しているから

私立中学校を選ぶ理由の一つに、充実した教育環境や設備が挙げられます。

私立中学校では、広々とした図書館や最新技術を取り入れたICT設備、快適な空調が整った教室といった、学習に最適な環境が整備されている傾向があります。

また、部活動や実験に必要な専用施設や、複数のグラウンド、温水プールなどを備えている学校も珍しくありません。こうした環境は、子どもの学習意欲を高めるだけでなく、主体的な学びやスキル向上を促進する効果も期待できます。

快適な環境で集中して勉強に取り組めることは、将来の進路にもよい影響を与えるでしょう。

公立の中学校は評判が悪いから

地域の公立中学校の評判が悪いことを理由に、私立中学校への進学を希望する家庭もあります。公立中学校でいじめや暴力、授業の質の低下が問題視されている地域もあり、こうした環境を避けたいと考える親が多いようです。

また、教師の質や教育方針にばらつきがある点も、公立中学校への不信感を助長する要因となっています。

一方で、私立中学校では、教育環境が整備されているだけでなく、学力や性格に合った学校を選べるため、子ども自身が私立中学を志望するケースも少なくありません。

こうした背景から、安心して学べる環境を求めて私立中学校を選ぶ家庭が増加していると考えられます。

中高一貫校なら高校受験をしなくていいから

中高一貫校を選ぶ理由の1つに、高校受験の負担を避けたいという、親の思いもあるでしょう。

高校受験は子どもにとって大きなプレッシャーとなり、精神的な負担が重くのしかかることも少なくありません。そのため、早い段階で中学受験を選択し、高校受験を回避する家庭が増えていると推測できます。

また、高校に入学した後もスムーズに大学受験に向けた準備を始められるのが大きな利点です。

多くの中高一貫校では、高校2年生までに中高6年分の範囲を終える先取りカリキュラムを採用しており、余裕を持って受験対策に取り組めます。公立高校の生徒に比べて、早い段階から大学受験に向けた対策を始められます。

私立中学校の費用を抑える方法3選

私立の中学校の費用を抑える方法3選

子どもを私立中学校に通わせるには、家計に大きな負担がかかります。ここでは、私立中学校にかかる費用を抑える方法を紹介します。

学費が安い私立中学を受験する

私立中学校への進学費用を抑えるには、学費が安い学校を選択する、という方法が考えられます。

私立中学校の学費には大きな幅があります。先述した東京都の調査でも、初年度納付金の最高額は約212万円、最低額は約67万円と学校によって大きな差がありました。

学費を抑えるには、まず各学校のパンフレットや公式サイトで学費を確認します。教育方針や進学実績なども考慮しながら、家庭の経済状況に合った学校を志望校として絞っていくとよいでしょう。

奨学金制度・特待生制度などを使う

私立中学校の中には、奨学金制度特待生制度を設けている学校があります。これらの制度を利用すると入学金や授業料の一部、または全額が免除されることがあり、学費負担の大幅な軽減につながるでしょう。

ただし、これらの制度は非常に競争率が高く、入試で上位の成績を収めたり、スポーツや文化活動で優れた実績を示したりしなければなりません。また、多くの場合、在学中も一定の成績や実績の維持が求められます

もし基準を下回ると、特典が打ち切られる可能性もあるため、継続的な努力が必要です。制度を利用する際は、長期的な視点で検討しましょう。

私立の中高一貫校から国公立の中高一貫校へ志望校を変える

私立中学校への進学を考えている理由が「中高一貫教育を受けたい」というものであれば、国公立の中高一貫校への進学も魅力的な選択肢となります。

国公立の中高一貫校は、私立校に比べて学費が大幅に安く、教育の質も高いことで知られています。

ただし、国公立の中高一貫校は人気が高く、入試の競争率も非常に高いのが現状です。また、学校数も私立に比べて少ないため、通学の便も考慮する必要があります。

費用面や教育方針を考慮し、選択肢を広げてみましょう。

私立中学校の学費を用意するにはどうする?

私立の中学校の学費を用意するにはどうする?

私立中学に進学する場合、家計の負担を軽減するには早くからの準備が大切です。ここでは、私立中学校の学費を用意する方法を紹介します。

仕事を増やして貯金する

私立中学校の学費を用意するには、親が収入を増やして計画的に貯金することが基本的な対策です。具体的には残業や副業をしたり、昇給や転職によって収入アップを図ったりする方法が考えられます。

増えた収入は、毎月の家計の中で学費用として確実に積み立てていきましょう。たとえば、収入が増えた分を自動的に別口座に振り分けるなど、貯蓄を習慣化する工夫も効果的です。

ただし、過度の労働は健康に影響を及ぼす可能性があるため、無理のない範囲で計画を立てるようにしましょう。

学資保険を利用する

学資保険は、子どもの教育資金を計画的に準備できる貯蓄型保険です。最大の特徴は、契約者(主に親や祖父母)が万一の場合に保険料の払込が免除され、子どもの教育資金が確保される点です。

また、子どもの成長に合わせて受け取るタイミングを選べる祝金のある商品もあり、中学入学時のように必要な時期に資金を受け取れます。

学資保険は積立期間が長いほど月々の保険料を抑えられるため、早めの加入がおすすめです。加入の際は返戻率や保障内容を比較し、ランキングなどを参考に最適な商品を選びましょう。

私立中学校に通うなら学資保険で学費を準備しよう

私立中学校への進学は、子どもをよりよい教育環境で育てられるメリットがあります。ただし、教育費の負担は大きく、早い時期からの計画的な準備が不可欠です。

教育費はかかる時期が決まっているため、決まった時期に決まった金額を受け取れる学資保険での準備が最適です。学資保険は、早く加入するほど毎月の保険料負担を軽減できます。私立中学校への進学を考えるなら、子どもの誕生と同時に学資保険に加入するとよいでしょう。

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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。

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