学資保険とは?特徴や加入するメリットなどをわかりやすく解説

学資保険とは?加入前に知っておきたい基礎知識

学資保険は、将来の子供の教育費用を準備するための保険です。子供が高校や大学に進学する際に必要な費用を、満期金で補うことができます。

学資保険を選ぶ際には、商品内容や保険料の相場、返戻率などを比較することに加え、専門家の意見やユーザーの口コミ・評判を聞くことも重要です。

そのためにも、まずは学資保険に加入する前に知っておきたい基礎情報をチェックしていきましょう。加入タイミングや必要な人の特徴についても解説していきます。
監修者:ファイナンシャルプランナー/経済ジャーナリスト 酒井富士子
金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。【監修者プロフィール】

mokuji目次

  1. 学資保険とは
  2. 学資保険の種類(タイプ)
    1. 「貯蓄型」の学資保険
    2. 「保障型」の学資保険
  3. 学資保険で受け取れるお金について
    1. 契約が満期に達した場合に受け取る「満期学資金」
    2. 進学の節目に受け取れる一時金「進学祝い金」
  4. 学資保険に加入するメリット
    1. 必要な教育費用を確実に準備できる
    2. 税制優遇措置が受けられる
    3. 万が一の事態が起こっても子供の教育資金を確保できる
    4. 返戻率によっては支払った保険料以上の金額が受け取れる
  5. 学資保険のデメリット
    1. 他の投資と比べるとリターンが少ない可能性がある
    2. 満期学資金が支払われるまでの期間が長い
    3. インフレリスクに対応できない
    4. 途中解約は、受け取り金額が支払い金額を下回る可能性がある
  6. 返戻率とは
    1. 返戻率の計算方法
    2. 返戻率を高くする方法
  7. 学資保険の相場
    1. 保険料の相場
    2. 受取金額の相場
  8. 学資保険にかかる税金について
    1. 学資保険にかかる税金の種類
    2. 学資保険にかかる税金の金額
  9. 学資保険の加入年齢について
    1. 出産前〜0歳
    2. 1歳〜3歳
    3. 4歳〜
  10. 学資保険が必要な人はどんな人?
    1. 子供の将来の教育費用を確実に準備したい人
    2. 定期的な貯蓄が苦手な人
    3. 子供の大学進学を想定している方
    4. 学資保険が不要な人は?
  11. 学資保険の選び方
    1. 目的別に商品を選ぶ
    2. 保険料を考慮して商品を選ぶ
    3. 返戻率を考慮して商品を選ぶ
    4. 口コミの意見で商品を選ぶ
  12. オリコン顧客満足度ランキングで見る学資保険TOP3
    1. 1位:東京海上日動あんしん生命
    2. 同率2位:ソニー生命
    3. 同率2位:アフラック
  13. 学資保険に関するよくある質問
    1. 学資保険の支払い方法は?
    2. 学資保険は何年保険料を支払う?
    3. 学資保険の支払いペースは?
    4. 学資保険は子供が何歳になったら受け取れる?
    5. 学資保険に加入したら、いくら返って来る?
    6. 学資保険は何歳まで入れる?
  14. 内容を理解し、目的に合った学資保険を選ぼう
  15. この記事の監修者:酒井富士子

学資保険とは

学資保険とは

学資保険は、将来の子供の教育費用を準備するために加入する保険です。

毎月一定の保険料を支払うことで、子供が高校や大学などへと進学する際に必要な各種費用を、満期金で補うことができます。

また、多くの学資保険では、契約者(親・保護者)が死亡するなどで支払いが不可能となった際、それ以降の保険料の支払いが免除される特約が無料でセットされています。

万が一の事態が起きても保険が継続されて満期金がきちんと支払われるので、子供の学資金をしっかりと用意することが可能です。

将来発生する教育資金を積み立て感覚で無理なく確保でき、万が一の事態にも備えられる点が学資保険の特徴と言えるでしょう。

学資保険の種類(タイプ)

学資保険の内容は、シンプルなものから医療保障付きのものまで、保険会社やプランによって様々ですが、大きくは「貯蓄型」と「保障型」に分けられます。

それぞれの特徴を見てみましょう。

「貯蓄型」の学資保険

貯蓄型の学資保険は、契約者(親・保護者)にかかる死亡保障などを付けない代わりに、比較的多くの学資金を貯めることができる商品です。

予期せぬ事態に備えた保障が少ない分、返戻率は高めに設定される傾向があり、教育資金をなるべく多く貯めたいという方に向いているタイプになります。

なお、契約者が死亡するなどで払込みが不可能となった際に、それ以降の保険料の支払いが免除される「払込免除の特約」については、貯蓄型の学資保険でも付いているケースがほとんどです。

「保障型」の学資保険

保障型と言われる学資保険は、貯蓄性よりもリスク保障に重点を置いた商品です。

「払込免除の特約」に加え、死亡保険金や育英年金、子供に入院や手術などが発生した際の医療保障など、様々な保障がセットになっており、教育資金の準備と合わせ予期せぬリスクにも備えたい方に向いている商品と言えます。

ただし、保障を付ける分だけ保険料が高くなる傾向があります。

また、リスク保障にコストがかかるため、「貯蓄型」に比べ返戻率は低くなってしまう場合が多いようです。

学資保険で受け取れるお金について

学資保険で受け取れるお金について

学資保険の受け取り金として代表的なのが満期学資金進学祝い金です。
満期学資金
一般的に契約が終了したタイミングで受け取れる保険金。支払い額が一番大きいタイミングで払われる学資金を呼ぶこともあります。

祝い金
中学校や高校に進学したタイミングで受け取れる一時金。
「満期学資金」や「祝い金」として実際に受け取れる金額は、契約時にあらかじめ設定します。それをもとに、保険料の払い込み期間や、満期金を受け取るまでに支払う保険料の総額などを決定していく仕組みです。

契約が満期に達した場合に受け取る「満期学資金」

満期学資金は、一般的に学資保険の契約期間を終えた際に支払われる学資金です。

基本的には、「18歳満期」や「22歳満期」など、加入時に設定した満期日に受け取れる仕組みで、それまでに保険料の支払いが完了していることが前提です。

なお、保険料の払込期間は加入時に選択でき、満期と同じタイミング(全期払い)か、満期よりも前に完了(短期払い)するように設定されるケースがほとんどです。

受け取れる金額はこれまで積み立てた保険料に基づいて算出されます。

進学の節目に受け取れる一時金「進学祝い金」

進学祝い金とは、中学や高校、大学や専門学校などへの進学時に受け取れる一時金です。

進学の節目で一時金を受け取れる「祝い金」は、家計の負担を減らせる点で大きなメリットとなり、人気のある契約プランとなっています。

お金を受け取るタイミングは各社のプランによって様々ですが、幼稚園・小学校・中学校・高校・大学などの進学時にそれぞれ受け取ったり、高校や大学進学時にまとまった金額を受け取ったりすることも可能です。

なお、「祝い金」の文字だけを見ると、ボーナスのようでお得と思ってしまいがちですが、「祝い金」で受け取った金額の分だけ、契約期間の最後に受け取れる「満期学資金」が差し引かれます。

自分で積み立てた保険料から支払われる仕組みだということは理解しておきましょう。

また、「本来『祝い金』を受け取るタイミングではあるけど資金に余裕がある」といった場合は、据え置き制度が利用できるケースもあります。

据え置きが可能な年数や、据え置いたときに付く利息などは保険会社やプラン、契約内容によって異なります。

学資保険に加入するメリット

学資保険に加入するメリット

学資保険は、子供の教育費用を無理なく積み立てられ、万が一の事態にも対応できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
続いては、学資保険に加入することで得られる具体的なメリットをまとめていきます。
■学資保険のメリット
・必要な教育費用を確実に準備できる
・税制優遇措置が受けられ、経済的な負担を軽減できる
・親に万が一の事態が起こっても教育資金を確保できる
・返戻率によっては支払った保険料以上の金額が受け取れる

必要な教育費用を確実に準備できる

学資保険は、契約時に教育費用の受け取り時期や受け取り金額を設定し、保険料の払込期間で定期的に積み立てる仕組みです。

払込期間中は保険料として毎月口座から引き落とされ教育費用を確実に積み立てることができます。
※は半年払いや年間払いなどが選べる商品もあります。

子供が生まれてから大学等に進学するまでの約18年間、計画的にお金を貯めるのはなかなか難しいもの。

途中で解約しない限り、将来の学資金を確保できます。

税制優遇措置が受けられる

学資保険の保険料は、払い込んだ保険料の金額に応じて所得控除が受けられる「生命保険料控除」の対象です。

年末調整や確定申告を行うことで、所得税・住民税が控除されます。
※生命保険料控除は、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3種類があり、学資保険は「一般生命保険料控除」の対象となります。

実際の控除額は払い込んだ保険料の総額によって異なりますが、税制優遇措置を活用することで、教育費用の準備において経済的な負担を軽減することが可能です。

なお、生命保険料控除は、保険料を支払った年が対象となります。未払いの場合は対象外となりますのでご注意ください。

万が一の事態が起こっても子供の教育資金を確保できる

学資保険では一般的に、払込免除の特約が付いているケースがほとんどです。

これは、契約した親・保護者が死亡するなどで支払い不能となった場合、払込み期間がまだ残っていたとしてもそれ以降の支払いが免除され、満期には学資金が支払われるというもの。

受け取れる学資金については、満額保障が付いているケースが多く、本来の払込みを終えて受け取るはずだった金額を予定通り子供に残すことができます。

なお、支払い免除の条件は各保険会社やプランによって異なりますので契約前に必ず確認しましょう。

返戻率によっては支払った保険料以上の金額が受け取れる

契約している学資保険の返戻率が100%を超えている場合、支払った金額よりも多い金額が受け取れます。

学資保険の返戻率は、銀行口座に預金するよりも高めの利率で受け取れる可能性が高いため、学資保険として学資金を貯蓄したほうが、メリットがあると言えるでしょう。

学資保険のデメリット

学資保険のデメリット

学資保険への加入を検討する際は、デメリットについてもしっかりと認識し、目的や予算に合わせて比較・検討することが大切です。
■学資保険のデメリット
・他の投資と比べるとリターンが少ない可能性がある
・満期学資金が支払われるまでの期間が長い
・インフレリスクに対応できない
・途中解約は、受け取れる金額が支払い金額を下回る可能性がある

他の投資と比べるとリターンが少ない可能性がある

学資保険は、契約満了時に確定した金額が得られる一方、投資の観点からみるとやや保守的で、より高い金額を得られる可能性はありません。

銀行口座に預金する際に発生する利率よりは高いですが、他の投資と比べると利回りが低くくなる可能性が高いです。

満期学資金が支払われるまでの期間が長い

学資保険は、子供が高校や大学、専門学校へと進学する際に必要な学費を補うためのものです。

そのためには子供が成人するまでの長い期間が必要で、加入してから満期学資金が支払われるまでの期間は長くなります。

保険料の支払いも長期間に渡って続くことになります。

インフレリスクに対応できない

学資保険は、契約するタイミングで満期時に受け取れる学資金の金額を設定します。

そのため、物価が変動しインフレが起こってしまった場合は、加入時に想定していたよりも多くの学資資金が必要になる可能性も考えられます。

ただし、学資保険は途中解約をしない限り、一定の利率で決まったリターンを受け取れるため、将来必要になる学資金を着実に残すことができるとも言えるでしょう。

途中解約は、受け取り金額が支払い金額を下回る可能性がある

学資保険を途中解約した場合、支払った保険料よりも受け取れる金額が低くなる可能性があります。

学資保険を解約すると、それまでに払い込んだ保険料に応じた「解約返戻金」が受け取れますが、解約返戻金は払込んだ保険料の総額よりも少なくなることがあります。

支払いペース等に無理が生じて途中解約をすると、損をする可能性がありますので注意しましょう。

返戻率とは

返戻率とは

学資保険の返戻率(へんれいりつ)とは、これまで支払った保険料に対し、最終的に受け取れる金額(満期学資金+祝い金)の割合を示したものです。

100%を基準とし、返戻率が高いほど学資金の受取額は多くなりますが、100%を下回った場合は受取額よりも支払った額のほうが多くなります。

返戻率は、学資保険の商品や保険会社によって異なるため、しっかりと比較検討することが重要です。

返戻率の計算方法

返戻率の計算方法は、以下のようになります。
返戻率の計算方法
=受け取った学資金の総額 ÷ 支払った保険料の総額 × 100
例えば、保険料の支払いが総額100万円で、受け取った金額が「満期学資金」と「祝い金」を合わせて総額110万円だった場合、返戻率は110%となります。支払い金額よりも多い金額を受け取れるケースです。

一方、支払い金額が100万円で、受け取った金額が「満期学資金」と「祝い金」を合わせて90万円だった場合、返戻率は90%となります。支払い金額よりも少ない金額しか受け取れないケースです。

返戻率を高くする方法

返戻率は、加入する学資保険の保障内容や支払い方法、満期学資金や一時金の受け取り方法などで変わってきます。
返戻率をできるだけ高く設定する為の一般的な方法を見てみましょう。

保険料の支払い期間を短くする

保険料の支払い期間が、短ければ短いほど、返戻率が高くなる傾向にあります。

学資保険では、加入後から満期までの期間で保険料を支払う「全期払い」や、満期前までに支払いを終える「短期払い」など、支払い期間が選択できるのが一般的です。

例えば、20歳満期で設定し、保険料を20歳まで払う「全期払い」と、15歳までで払い終わる「短期払い」が選択できたとします。

「短期払い」では、支払い完了から受け取りまでに期間があるため、その間に保険料が運用され、受け取る際はその運用成果が上乗せ分として加算される仕組みです。

ただし、支払い期間が短い分、「短期払い」は「全期払い」よりも一回の支払い保険料が大きくなります。

月払いよりも年払いを選択する

月払いではなく、半年払いや年払いでまとめて支払う方が保険料の総額を抑えられるため、返戻率を高くすることができます。

年払いは月払いに比べ一回で引き落とされる金額が大きくなりますが、「1カ月に支払う保険料×12カ月」よりは多少の割引きがきき、保険料は割安になります。

また、加入時にまとめて保険料を支払ってしまう一括払いなら、保険料を抑えることが可能で、返戻率を高くすることができます。

祝い金のないプランを選ぶ

「祝い金」があるプランよりも、ないプランの方が返戻率を高くすることができます。

「祝い金」を都度受け取ると、その分運用資金が少なくなり返戻率が低くなるためです。

また、祝い金を受け取る時期をなるべく遅らせるというのも選択肢の1つ。小学校入学から「祝い金」を受け取るよりも高校入学から「祝い金」を受け取るプランの検討をしてみても良いかもしれません。

満期までの期間を長くする

満期学資金の受け取るタイミングを遅らせるのも選択肢の一つです。

満期期間を延ばすと、支払った保険料の運用期間が延び、それにより得られる収益も増えるという仕組みです。

保障内容を調整する

保障内容が充実しているほど、保険料の支払い額は高くなります。

保険料を抑えたい場合は「保障型」よりも「貯蓄型」を選ぶと良いでしょう。

ライフプランにあった保障内容に調整し保険料を下げることができれば、返戻率が上がる可能性があります。

また、各種特約(オプション)を付ける場合、支払った保険料の一部は保障準備に充てられ返戻率が下がる傾向にあります。

保障よりも返戻率を重視する場合は、特約を付けない方がいいかもしれません。

もちろん、学資保険は返戻率が全てではありません。支払額と受取額のバランスも考慮しながら自分に合った学資保険を選ぶことが重要です。

学資保険の相場

学資保険の相場

学資保険の保険料と受取額の相場についてチェックしていきましょう。
ただし一口に相場といっても、プランや支払い頻度、満期設定などによって、払うべき保険料や受け取れる保険金の金額が大きく異なるのが現状です。

ですので今回は、学資保険で発生する金額を左右するポイントを見ていきたいと思います。

保険料の相場

毎月払い込む保険料の相場は、「5,000円〜15,000円前後/月」が一般的と言われていますが、保険会社や商品プラン、支払い頻度や支払い期間によって大きく異なります。

保険料の相場を把握する際には、以下のポイントに注意しましょう。
@ 支払い間隔が短いほど1度の負担は少ないが、保険料の総額は増える
保険料の支払い方法には「月払い」「半年払い」「年払い」などが選択でき、支払い間隔を短くすればするほど、一度に払い込む保険料の負担は少なくなりますが、総額でみると料金は高くなります。
支払い期間がまとまっているほど支払う保険料の総額は少なくなりますが、まとめて支払うほど一度の負担が大きくなりますので、無理のないスケジュールを組むことが大切です。

A特約を付けるほど保険料が高くなる
特約(オプション)を多く選択すればするほど、保険料が高くなるのが一般的です。保険料を抑えたい場合は、必要最低限の保障内容にすることをおすすめします。

受取金額の相場

受け取れる保険金の総額は、支払った保険料に対する返戻率で決まり、返戻率は積み立て開始時期や毎月いくらの保険料を支払うのか、保障内容、オプションの有無などで大きく異なります。

保険金の受領金額を考える際のポイントは次の通りです。
@ 積み立て開始時期が早いほど返戻率が高くなり、受取金額が増える
学資保険の加入時期が早いほど、返戻率が高くなる傾向にあります。

子供が0歳時に加入するのが一般的です。子供を妊娠したタイミングで入れる学資保険もあるため、早めの検討を行うのも良いでしょう。

A 支払った保険料の金額が多いほど、受取金額が増える
保険料の支払い金額の多さは、受け取れる金額を大きく左右するポイントの1つです。

例えば、払込期間・返戻率が同じで、毎月の保険料を1万円支払っている人と、5,000円を払っている人を比べた場合、毎月1万円を支払っている人の方が受取金額の総額は大きくなるというのは想像しやすいかと思います。
では、返戻率は同じでも、毎月支払っている金額と払込期間がばらばらのケースの場合はどうでしょうか?
Aさん
毎月の学資保険料…10,000円
払込期間…15年
返戻率…102%
受領額…10,000円×15年(180か月分)×1.02=1,836,000円
Bさん
毎月の学資保険料…5,000円
払込期間…20年
返戻率…102%
受領額…5,000円×20年(240か月分)×1.02=1,240,000円
このように、払込期間が長くても支払った金額が少ないと、受け取れる金額が少なくなってしまいます。

学資保険にかかる税金について

学資保険にかかる税金について

学資保険から受け取ったお金にどんな種類の税金がかかるのか、かかるとしたらどれくらいの税金が発生するのかをみていきましょう。

学資保険にかかる税金の種類

学資保険にかかる税金は、「誰が保険料を支払い」「誰がお金を受け取るのか」によって異なります。

支払人と受取人が同じ場合は「所得税」、異なる場合は「贈与税」として税金が発生します。
@保険料の支払人と保険金の受取人が同じ場合
→所得税
A保険料の支払人と保険金の受取人が違う場合
→贈与税

学資保険にかかる税金の金額

学資保険にかかる税金は、保険金の受け取り方で異なります。
それぞれのケースを見ていきましょう。
@ 満期学資金・祝い金を一括で受け取る場合(一時所得にかかる所得税)
受取金額がこれまで支払った保険料の総額より50万円を超えていた場合は「一時所得」扱いとなり、所得税が発生する可能性があります。
50万円までは特別控除額が適用され、非課税です。

【税金が発生するケース】
支払金額…250万円
受取金額…301万円
差額…51万円
→差額が50万を超えたので税金が発生

【非課税のケース】
支払金額…250万円
受取金額…299万円
差額…49万円
→差額が50万円を超えていないので非課税

なお、50万円を超えて課税される場合でも、対象は50万円以上の金額の、さらに半分の額にのみかかります。
支払金額…250万円
受取金額…301万円
差額…51万円
特別控除額…50万円
一時所得金…1万円
課税対象(一時所得の半分)…5,000円


所得税としてかかる税率は金額によって異なります。
【所得税にかかる税率】
195万円未満…5%
195万円以上〜330万円未満…10%
330万円以上〜695万円未満…20%
※それ以上の金額の税率に関しては割愛。
A 学資金を年金形式で受け取る場合(雑所得にかかる所得税)
学資金を都度受け取る場合は「雑所得」扱いとなり、一括で受け取る場合に発生したような特別控除はありません。
支払い金額に対し、上回った受取金額分が課税対象となります。

【支払い金額よりも受取金が多い場合】
支払い金額…100万円
受取金額…120万円
差額(課税対象)…20万円

所得税としてかかる税率は金額によって異なります。
【所得税にかかる税率】
195万円未満…5%
195万円以上〜330万円未満…10%
330万円以上〜695万円未満…20%
※それ以上の金額の税率に関しては割愛
B保険料の支払人と保険金の受取人が違う場合(贈与税)
支払人と受取人が異なる場合、贈与税として課税されます。

贈与税には「基礎控除額110万円」が設定されており、1年間に贈与した金額から110万円を引いて残った金額に対し税金がかかる仕組みです。
なお、残った金額に応じて税率は異なります。

贈与税にかかる税率は次の通りです。
【贈与税としてかかる税率】
(基礎控除額110万円を引いた残りの金額が)200万円以下…10%
(基礎控除額110万円を引いた残りの金額が)300万円以下…20%
※それ以上の金額の税率に関しては割愛

学資保険の加入年齢について

学資保険の加入年齢について

学資保険に加入できる子供の年齢は、妊娠中〜小学校入学前までの期間が一般的です。

妊娠中に加入できる学資保険は、妊娠6か月目(出産140日前)ごろから加入することができます。

それぞれのライフプランを加味して、適切なタイミングで加入を検討してみましょう。

出産前〜0歳

出産前の加入は一般的に、妊娠安定期に入った6か月目(出産予定日の140日前)から加入可能な保険が多くあります。

加入するタイミングとしては出産前が最も早く、その分保険料の総額も安くなる傾向にありますので、支払いの負担を考えれば早めの加入がおすすめです。

1歳〜3歳

子供が実際に生まれて間もないため、支払う保険料はまだまだ安めの傾向にあります。

将来の資産形成の見通しもつけやすいタイミングであることから、加入を検討しやすい時期ともいえるでしょう。

4歳〜

より具体的で現実的な目標設定がしやすいタイミングです。

子供の個性に合わせた将来設計、学習目的などが立てやすいのに加え、産休からの復職時期にあたることも考えれば、学資保険の保険料負担を補うことも可能です。

学資保険が必要な人はどんな人?

学資保険が必要な人はどんな人?

実際にどんな人にとって学資保険が必要な人を見てみましょう。

子供の将来の教育費用を確実に準備したい人

学資保険は、子供の将来の教育費用を準備するための保険です。

学資保険に加入していれば、万が一将来の自分に何かあったとしても、子供の進学に必要なお金を残すことができます。

定期的な貯蓄が苦手な人

子供の教育費用を準備するためには、定期的な貯金が必要になります。

学資保険なら保険料が定期的に引き落とされ、将来の学資金として積み立てられます。貯蓄が苦手な方は学資保険への加入がおすすめです。

子供の大学進学を想定している方

文部科学省が2022年に発表した「令和4年度学校基本調査」では、大学・短期大学への進学率は60.4%となっており、多くの子供にとって大学進学が一般的となってきました。

進学に際し、年間100万円前後のお金がかかることを考えると、早めに積み立てておくに越したことはありません。

学資保険が不要な人は?

子供の教育費用に関して、既に十分な備えがある人や確実な資金調達手段があると言えるご家庭では、学資保険は不要な選択肢になります。

学資保険の選び方

学資保険の選び方

ここからは、学資保険を選ぶ際のポイントを見ていきましょう。

目的別に商品を選ぶ

将来の学資金の用意と合わせ、何をどこまでを想定しておくかで選ぶ商品が異なります。
将来かかる学資金のみに備えたい
→「貯蓄型」の学資保険

自分が死亡した場合にも備えたい
→「保障型」の学資保険

子供の病気・けがにも備えたい
→「保障型」の学資保険

保険料を考慮して商品を選ぶ

学資保険の保険料は基本的に、長期に渡って支払っていくものになります。

加入してから子供が満期を迎える年齢になるまで、しっかりと支払うことができる金額を設定することが大切です。

満期まで支払えば、これまで払い込んだ金額よりも多い金額を受け取れる学資保険ですが、途中解約をすると返戻率が100%を割ってしまう場合が多いので注意が必要です。

返戻率を考慮して商品を選ぶ

学資保険の返戻率は、保険料の支払い期間や保険金の受け取り時期によって異なります。

また、各種補償オプションを多く付けると返戻率が下がる傾向にありますので、保障内容よりも受け取れる金額を重視する場合は、返戻率を意識して商品選ぶと良いでしょう。

口コミの意見で商品を選ぶ

学資保険の選び方に迷った場合は、すでに加入している方の意見を聞いたり、口コミをチェックしたりすることもおすすめです。

リアルな評判を見ることで、入るべき保険を見つけるきっかけになるはずです。

オリコン顧客満足度ランキングで見る学資保険TOP3

オリコン顧客満足度ランキングで見る学資保険TOP3

オリコン顧客満足度ランキングでは、学資保険の加入者5,582名へのアンケート調査をもとに算出した「学資保険の顧客満足度ランキング」を発表しています。
2025年に公開した最新の総合ランキングでTOP3にランクインした企業の評価・口コミを見てみましょう。
【最新】おすすめの学資保険 オリコン顧客満足度ランキング
1位:東京海上日動あんしん生命
同率2位:ソニー生命
同率2位:アフラック

1位:東京海上日動あんしん生命

総合ランキング1位は、73.1点を獲得した東京海上日動あんしん生命

サービスの満足度を項目別に評価する評価項目別ランキングでは、「加入手続き」「商品内容」「保険料」「アフターフォロー」の4つの項目でそれぞれ1位を獲得しています。

さらに、保護者別部門の満足度調査においても、「ママ(母親)」のランキングで1位にランクインしています。
■加入者の評判・口コミ(一部抜粋)
「支払いまでのスキームが簡単で、煩わしさをあまり感じることが無かった」
「何年かごとにまとまった祝金があるのが将来助かりそう」
「オプションが充実していると思う」

→東京海上日動あんしん生命の口コミをもっと見る

同率2位:ソニー生命

総合ランキング第2位は、ソニー生命で71.8点を獲得しています。

サービスの満足度を項目別に評価した評価項目別ランキングでは、「返戻率」の項目で第1位に輝きました。

ユーザーの口コミでは、担当者の対応の良さとともに、商品内容に対する具体的な高評価コメントも見られています。
加入者の評判・口コミ(一部抜粋)
「返戻率が他よりも高いので子どもの将来に備えやすい。また子どものライフプランについてのアドバイスがもらえるので長く利用できそう。」

「担当者が丁寧に対応してくださったので加入手続きはスムーズだったと記憶しています。」

「担当者と何度も話し合いをして希望に沿ったプランで契約できた。」

→ソニー生命の口コミをもっと見る

同率2位:アフラック

総合ランキング同率第2位として、アフラックがランクインしました。

サービスの満足度を項目別に評価した評価項目別ランキングでは、「アフターフォロー」の項目で第1位に輝きました。
加入者の評判・口コミ(一部抜粋)
「産後加入の予定を組んでいたところ、出産手術等で入院が長引き予定等変更し、とても親切にサポートしていただいた。」

「子どもの話も親身に聞いてくれ、今後のシミュレーションもしてくれたのが良かった。」

「受取り時期に17歳が選択可能なので受験にも備えられるところが素晴らしいです」

→アフラックの口コミをもっと見る

学資保険に関するよくある質問

学資保険に関するよくある質問

最後に、学資保険に関するよくある質問とその答えをまとめます。

学資保険の支払い方法は?

学資保険の保険料を支払うに当たっては、口座振替が一般的です。

そのほか、保険会社から送られてくる振込用紙を使って支払いができるものもあります。

クレジットカード支払いを選択できる保険会社も多くあります。

商品ごとに支払い方法の選択肢は異なりますので、加入する際に確認しておきましょう。

学資保険は何年保険料を支払う?

全期払いや短期払いなど、いくつかの選択肢から選べる形が一般的です。

全期払い
加入したタイミングから、満期学資金を受け取るまでの年齢になるまで払い続ける仕組み。

短期払い
「加入から10年」や「子供が12歳になるまで 」といったように、満期学資金を受け取る時期よりも前に払い終える方法。

学資保険の支払いペースは?

月払い・半年払い・年払い・一括払い(一時払い・全期前納払い)のいずれかが一般的です。

一括払いは、保険料を一括で支払う仕組みで、月額払いなどに比べ返戻率が高まる傾向にあります。

学資保険は子供が何歳になったら受け取れる?

18歳満期」「22歳満期」など、プランによって受け取れる年齢を選択できます。

学資保険に加入したら、いくら返って来る?

それぞれ設定されている返戻率によって異なります。
返戻率が110%であれば、受け取れる総額は、払い込んだ保険料に対し10%多くの金額が戻ってきます。

学資保険は何歳まで入れる?

小学校入学前までの6〜7歳までの年齢制限が設けられているケースが多いようです。
一方、契約者である親・保護者の年齢制限については、55歳〜65歳に設定されている場合が一般的です。

内容を理解し、目的に合った学資保険を選ぼう

内容を理解し、目的に合った学資保険を選ぼう

学資保険を選ぶ際には、まず商品内容をしっかりと理解することが重要です。
貯蓄型と保障型の違い、返戻率、お金を受け取れるタイミングや保険料など、自身の目的に合わせて商品を選びましょう。

将来の子供の教育資金を準備するのか、もしくは予期せぬ事態に備えるのか、目的によって最適なプランが異なります。
目的に合わせた学資保険を選び、子供の未来を支える基盤を築きましょう。

この記事の監修者:酒井富士子

  • 酒井富士子

ファイナンシャルプランナー/経済ジャーナリスト。金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。
日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。
リクルートの「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。「お金のことを誰よりもわかりやすく発信」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報を解説する。
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