保育園費用はいくらかかる?無償化のポイントと負担軽減対策を解説

保育園費用はいくらかかる?無償化のポイントと負担軽減対策

2019年に始まった保育料無償化により、3〜5歳児の保育料は無料になりました。しかし、0〜2歳児の保育には費用がかかるため、「実際にいくらかかるのか?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、保育料無償化の仕組みや保育料の計算方法、実際にかかる費用、さらには保育料以外に必要な費用まで詳しく解説します。

特に0〜2歳のお子さんを保育園に預けたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください!

mokuji目次

  1. 保育料無償化で押さえておくべきポイント
    1. 認可施設の利用料
    2. 認可外施設の利用料
    3. 第2子以降の保育料軽減措置
  2. 保育園にかかる費用は月いくら?
    1. 認可施設の利用料金
    2. 認可外施設の利用料金
  3. 認可施設の保育料を左右するもの
    1. 住民税の所得割額
    2. 自治体
    3. 子どもの人数
  4. 幼児期にかかる費用はほかにも
    1. 保育園でかかる費用
    2. 保育園以外にかかる費用
  5. 幼児期にかかるお金の負担を減らす方法
    1. iDecoを利用する
    2. 生命保険料控除を利用する
    3. 祝い金ありの学資保険に加入する
  6. 保育園費用による負担の軽減に事前の対策を!

保育料無償化で押さえておくべきポイント

保育料無償化で押さえておくべきポイント

2019年10月から始まった幼児教育・保育の無償化制度により、3〜5歳児クラスの子どもの保育料が原則無料になりました。

対象となる施設は、「認可保育所」「認定こども園」「幼稚園」などです。

無償化の対象は子どもの年齢や入所する施設の種類によって変わるため、事前の確認が必要です。
無償化の対象

施設

3〜5歳

0〜2歳

認可施設
・認可保育所
・認定こども園
・幼稚園
など

全額無償
※幼稚園は月額2.57万円まで

住民税非課税世帯のみ無償

認可外施設
・認可外保育施設
・一時預かり
など

月額3.7万円まで

住民税非課税世帯は月額4.2万円まで

幼稚園の預かり保育

利用日数に応じて最大月額1.13万円まで

-

出典:こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化に関する説明資料

認可施設の利用料

認可施設を利用する場合、3〜5歳児クラスの子どもに対して基本の保育料が無償化されます。
対象となる施設は以下のとおりです。
・幼稚園(月額25,700円まで)
・保育所
・認定こども園
・地域型保育
・企業主導型保育事業
0〜2歳児については、住民税非課税世帯の子どものみ保育料が無償化されます。

また、認定こども園や幼稚園については、入園できる時期に合わせて満3歳から無償化の対象となります。

無償化の期間は、子どもが満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間です。

認可外施設の利用料

認可外保育施設を利用する場合、保育料の無償化には上限が設定されています。

3〜5歳児の場合は月額3.7万円まで、0〜2歳児の住民税非課税世帯は月額4.2万円までが無償化の対象です。

対象となる施設・サービスは以下のとおりです。
・認可外保育施設(認証保育施設含む)
・ベビーシッター
・事業所内保育
・一時預かり事業
・病児保育事業
・ファミリーサポートセンター事業
認可外保育施設を利用する場合は、居住する市町村から「保育の必要性の認定」を受ける必要がある点に注意しましょう。

第2子以降の保育料軽減措置

幼稚園、保育所、認定こども園等に2人以上の子どもが同時に通う場合、保育料の負担は大幅に軽減されます。

一般世帯では第2子の保育料が半額第3子以降は無料です。

また、年収360万円未満相当の世帯については第1子の年齢に関係なく、第2子が半額、第3子以降が無料となる特例があります。

さらに、大阪市のように第2子以降の保育料を完全無償化する制度を導入する自治体もあります。

保育料の負担を軽減するため、居住する自治体の制度の確認をしておきましょう。

保育園にかかる費用は月いくら?

保育園にかかる費用は月いくら?

では、実際に保育園にかかる費用はいくらでしょうか。ここでは、認可施設の保育料について見ていきます。

認可施設の利用料金

認可保育施設の利用料金は、子どもの年齢によって大きく異なります。

3〜5歳児クラスの子どもについては、無償化制度により基本的な保育料は無料です。

給食費や行事費などの実費負担のみとなるため、家計の負担は軽くなっています。

一方、0〜2歳児クラスの場合は、住民税非課税世帯を除き保育料が発生します。

具体的な金額は世帯の所得によって決定されます。以下は、全国主要都市の2歳児の年間平均保育料の表です。
2023年全国主要都市の年平均保育料(2歳児)

主要都市

年平均保育料

札幌市

348,150円

仙台市

337,680円

さいたま市

342,000円

東京23区

254,364円

新潟市

324,300円

名古屋市

336,600円

大阪市

338,700円

広島市

332,850円

松山市

355,500円

福岡市

360,900円

那覇市

283,800円

総務省統計局「小売物価統計調査(動向編)銘柄9940
上記から、年間では35万円、月額3万円程度の負担となるケースが多いようです。

認可外施設の利用料金

認可外施設の費用は、施設の種類によって異なります。
以下は、ベビーホテルとその他の認可外保育施設の子ども1人の場合の保育料の分布です。
認可外施設の利用料金分布割合

料金区分

ベビーホテル

その他の認可外保育施設

1万円未満

12.6%

10.7%

1万以上
2万円未満

9.0%

5.2%

2万以上
3万円未満

10.9%

8.0%

3万以上
4万円未満

12.7%

17.9%

4万以上
5万円未満

10.0%

11.9%

5以上
6万円未満

6.7%

14.1%

6万以上
7万円未満

5.0%

10.8%

7万円以上

33.1%

21.4%

出典:こども家庭庁「令和4年地域児童福祉事業等調査結果の概況
最も割合が高いのは、ベビーホテルでは7万円以上(33.1%)、その他の認可外保育施設も7万円以上(21.4%)となっています。

一方で、1万円未満の低額利用も一定数存在し、ベビーホテルで12.6%、その他の認可外保育施設で10.7%となっています。

認可施設の保育料を左右するもの

認可外施設の利用料は各施設が任意で決めますが、認可施設の場合は、以下の3つの要素で決定します。
・住民税の所得割額
・居住する自治体
・子どもの人数
それぞれについて詳しく解説します。

住民税の所得割額

認可保育施設の保育料は、世帯の住民税所得割額によって決定されます。

所得割額は、世帯の所得が高くなるほど上昇する仕組みとなっており、それに応じて保育料も高くなっていきます。

共働き世帯の場合は、両親それぞれの住民税所得割額を合算した金額が判定の基準となります。

そのため、世帯全体の収入状況が保育料に大きく影響することを理解しておきましょう。

自治体

保育料は国の基準を踏まえながらも、各自治体が独自に設定しています。

同じ所得水準でも、居住地域によって保育料が異なる場合があるのが特徴です。

実際に東京都杉並区と福岡県福岡市の保育料を比較してみましょう。

なお、福岡市では第2子以降は無償化されています。
杉並区の保育料(1・2歳児標準時間)

区民税所得割額

保育料(月額)

生活保護世帯

0円

区民税非課税世帯

0円

区民税均等割のみ

2,000円

5,000円未満

2,600円

5,000円以上
8,200円未満

3,400円

8,200円以上
11,100円未満

7,300円

11,100円以上
20,000円未満

9,100円

20,000円以上
33,300円未満

10,300円

33,300円以上
48,600円未満

16,900円

48,600円以上
57,700円未満

17,200円

57,700円以上
77,100円未満

21,000円

77,100円以上
97,000円未満

23,600円

97,000円以上
128,500円未満

25,900円

128,500円以上
169,000円未満

28,000円

169,000円以上
183,500円未満

30,200円

183,500円以上
211,200円未満

32,100円

211,200円以上
233,700円未満

34,100円

233,700円以上
256,300円未満

35,700円

256,300円以上
283,700円未満

37,600円

283,700円以上
301,000円未満

39,200円

301,000円以上
338,500円未満

40,900円

338,500円以上
366,000円未満

42,300円

366,000円以上
397,000円未満

44,000円

397,000円以上
435,400円未満

47,700円

435,400円以上
481,300円未満

53,700円

481,300円以上
540,800円未満

59,000円

540,800円以上
616,100円未満

63,200円

616,100円以上
715,000円未満

67,100円

715,000円以上
850,900円未満

71,000円

850,900円以上
1,150,000円未満

75,300円

1,150,000円以上
1,300,000円未満

82,200円

1,300,000円以上

89,000円

出典:東京都杉並区「令和6年度認可保育施設保育料について
福岡市の保育料(第1子標準保育時間)

市町村民税所得割額

保育料(月額)

生活保護世帯

0円

市町村民税非課税世帯

0円

所得割非課税

14,200円

48,600円未満

17,000円

48,600円以上61,000円未満

19,800円

61,000円以上73,000円未満

22,600円

73,000円以上85,000円未満

25,400円

85,000円以上97,000円未満

28,200円

97,000円以上126,000円未満

31,900円

126,000円以上149,000円未満

35,600円

149,000円以上169,000円未満

39,300円

169,000円以上255,000円未満

44,600円

255,000円以上301,000円未満

53,000円

301,000円以上397,000円未満

64,000円

397,000円以上

83,200円

出典:福岡県福岡市「令和6年度保育料表
このように、同じ所得水準でも自治体によって保育料の設定に違いがあります。

居住する自治体の役所で、具体的な保育料や独自の軽減制度について確認しましょう。

子どもの人数

子どもの人数によって、保育料の負担額は変わってきます。

基本的な軽減制度では第1子は全額負担第2子は半額第3子以降は無料となっています。

世帯の年収によっても適用条件が異なり、年収360万円未満の世帯では子どもの年齢や保育施設利用の有無に関係なく、最年長の子どもから順にカウントする仕組みです。

一方、年収360万円以上の世帯では、保育施設を利用している子どもの中で最年長の子どもを第1子としてカウントします。

さらに、自治体独自の支援制度も充実してきており、先述した大阪市や福岡市のように地域によって手厚い支援を受けられる可能性があります。

幼児期にかかる費用はほかにも

幼児期にかかる費用はほかにも

子どもの幼児期にかかる費用は、保育料だけではありません。
ここでは保育料以外に負担する費用を、保育園でかかるものとそれ以外に分けて紹介します。

保育園でかかる費用

保育料は無償化の対象となりますが、それ以外の費用は保護者負担となります。
以下は、毎月かかる主な費用です。
・給食費
・通園バス代
・延長保育料
・教材費
・保護者会費
また、入園・進級時には入園料、制服代、施設設備費などが必要です。

なお、年収360万円未満相当世帯と第3子以降の子どもは副食費が免除されます。

各費用は園によって金額が異なるため、入園前に詳細を確認しましょう。

保育園以外にかかる費用

幼児期には保育園の費用以外にも、さまざまな出費があります。

特に大きな割合を占めるのが習い事の費用です。

スイミングや体操教室、ピアノといった習い事を掛け持ちすると、月額3万円から5万円程度の費用がかかることも珍しくありません。

また、誕生日会や季節の行事、入園や進級のお祝いといったイベント費用も必要です。

さらに、子どもの成長に合わせた衣類や靴の購入、おもちゃや絵本、文具のような教材費用も発生します。

これらの費用は家庭の方針や経済状況によって大きく変わりますが、計画的な準備が必要です。

幼児期にかかるお金の負担を減らす方法

幼児期にかかるお金の負担を減らす方法

幼児期にかかる保育料や入園費用の負担は、できるだけ減らしたいものです。
ここでは、保護者のお金の負担を減らす方法を紹介します。

iDecoを利用する

iDeCo(個人型確定拠出年金)は老後の資産形成だけでなく、保育料の負担軽減にも効果的な方法です。

iDeCoの掛け金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となります。

この所得控除により、保育料算定の基準となる住民税所得割額が下がるため、0〜2歳児の保育料が軽減される可能性があるのです。

特に共働き世帯の場合、夫婦でiDeCoに加入すると、より大きな効果を期待できます。

将来の資産形成と保育料の軽減を同時に実現できる賢い選択肢といえるでしょう。

生命保険料控除を利用する

生命保険料控除を活用すると、保育料の算定基準となる住民税所得割額を下げることができます。

生命保険料控除には、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3種類があり、住民税では以下の計算式で控除額が決まります。
年間保険料に対する住民英の控除額

年間支払保険料

控除額

12,000円以下

払込保険料全額

12,000円超32,000円以下

(支払保険料×1/2)+6,000円

32,000円超56,000円以下

(支払保険料×1/4)+14,000円

56,000円超

一律28,000円

参照:生命保険文化センター「税金に関するQ&A
学資保険の保険料も一般生命保険料控除の対象となるため、教育資金の準備をしながら保育料の軽減も期待できます。

ただし、3種類合計で70,000円が控除の上限となるため、加入の際は注意が必要です。

祝い金ありの学資保険に加入する

祝い金付きの学資保険は、保育園や幼稚園の入園時といった節目で一時金を受け取れる保険商品です。

入園時には制服や教材費といったまとまったお金がかかりますが、そのタイミングで祝い金を受け取れると、家計の負担を軽減できます。

受け取りのタイミングは柔軟に設定でき、必要がない場合は据え置きも可能です。

例えば、保育園入園時に余裕があれば祝い金を据え置いて、より費用がかかる小学校入学時に活用するといった方法も考えられます。

加入時に将来の教育プランを考慮して、最適な受け取り方を検討しましょう。

保育園費用による負担の軽減に事前の対策を!

保育料無償化によって保育料がかかるのは0〜2歳児だけですが、世帯の所得によっては負担が大きくなるケースもあります。

保育料は主に住民税の所得割額によって決まる仕組みです。
そのため、iDeCoに加入して所得控除を適用するといった方法で所得割額を減らすと、保育料を下げる効果を期待できます。

また、学資保険に加入して祝い金を受け取ると、入園などの節目に必要なまとまった支出に備えられます。

無理のない範囲で支出を削減し、教育費準備に回すお金を確保するようにしましょう。

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学資保険への加入を検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。

※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。

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