保育園費用はいくらかかる?無償化のポイントと負担軽減対策を解説
この記事では、保育料無償化の仕組みや保育料の計算方法、実際にかかる費用、さらには保育料以外に必要な費用まで詳しく解説します。
特に0〜2歳のお子さんを保育園に預けたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください!
目次
保育料無償化で押さえておくべきポイント
対象となる施設は、「認可保育所」「認定こども園」「幼稚園」などです。
無償化の対象は子どもの年齢や入所する施設の種類によって変わるため、事前の確認が必要です。
施設 | 3〜5歳 | 0〜2歳 |
認可施設 | 全額無償 | 住民税非課税世帯のみ無償 |
認可外施設 | 月額3.7万円まで | 住民税非課税世帯は月額4.2万円まで |
幼稚園の預かり保育 | 利用日数に応じて最大月額1.13万円まで | - |
認可施設の利用料
対象となる施設は以下のとおりです。
・保育所
・認定こども園
・地域型保育
・企業主導型保育事業
また、認定こども園や幼稚園については、入園できる時期に合わせて満3歳から無償化の対象となります。
無償化の期間は、子どもが満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間です。
認可外施設の利用料
3〜5歳児の場合は月額3.7万円まで、0〜2歳児の住民税非課税世帯は月額4.2万円までが無償化の対象です。
対象となる施設・サービスは以下のとおりです。
・ベビーシッター
・事業所内保育
・一時預かり事業
・病児保育事業
・ファミリーサポートセンター事業
第2子以降の保育料軽減措置
一般世帯では第2子の保育料が半額、第3子以降は無料です。
また、年収360万円未満相当の世帯については第1子の年齢に関係なく、第2子が半額、第3子以降が無料となる特例があります。
さらに、大阪市のように第2子以降の保育料を完全無償化する制度を導入する自治体もあります。
保育料の負担を軽減するため、居住する自治体の制度の確認をしておきましょう。
保育園にかかる費用は月いくら?
認可施設の利用料金
3〜5歳児クラスの子どもについては、無償化制度により基本的な保育料は無料です。
給食費や行事費などの実費負担のみとなるため、家計の負担は軽くなっています。
一方、0〜2歳児クラスの場合は、住民税非課税世帯を除き保育料が発生します。
具体的な金額は世帯の所得によって決定されます。以下は、全国主要都市の2歳児の年間平均保育料の表です。
主要都市 | 年平均保育料 |
札幌市 | 348,150円 |
仙台市 | 337,680円 |
さいたま市 | 342,000円 |
東京23区 | 254,364円 |
新潟市 | 324,300円 |
名古屋市 | 336,600円 |
大阪市 | 338,700円 |
広島市 | 332,850円 |
松山市 | 355,500円 |
福岡市 | 360,900円 |
那覇市 | 283,800円 |
認可外施設の利用料金
以下は、ベビーホテルとその他の認可外保育施設の子ども1人の場合の保育料の分布です。
料金区分 | ベビーホテル | その他の認可外保育施設 |
1万円未満 | 12.6% | 10.7% |
1万以上 | 9.0% | 5.2% |
2万以上 | 10.9% | 8.0% |
3万以上 | 12.7% | 17.9% |
4万以上 | 10.0% | 11.9% |
5以上 | 6.7% | 14.1% |
6万以上 | 5.0% | 10.8% |
7万円以上 | 33.1% | 21.4% |
一方で、1万円未満の低額利用も一定数存在し、ベビーホテルで12.6%、その他の認可外保育施設で10.7%となっています。
認可施設の保育料を左右するもの
・居住する自治体
・子どもの人数
住民税の所得割額
所得割額は、世帯の所得が高くなるほど上昇する仕組みとなっており、それに応じて保育料も高くなっていきます。
共働き世帯の場合は、両親それぞれの住民税所得割額を合算した金額が判定の基準となります。
そのため、世帯全体の収入状況が保育料に大きく影響することを理解しておきましょう。
自治体
同じ所得水準でも、居住地域によって保育料が異なる場合があるのが特徴です。
実際に東京都杉並区と福岡県福岡市の保育料を比較してみましょう。
なお、福岡市では第2子以降は無償化されています。
区民税所得割額 | 保育料(月額) |
生活保護世帯 | 0円 |
区民税非課税世帯 | 0円 |
区民税均等割のみ | 2,000円 |
5,000円未満 | 2,600円 |
5,000円以上 | 3,400円 |
8,200円以上 | 7,300円 |
11,100円以上 | 9,100円 |
20,000円以上 | 10,300円 |
33,300円以上 | 16,900円 |
48,600円以上 | 17,200円 |
57,700円以上 | 21,000円 |
77,100円以上 | 23,600円 |
97,000円以上 | 25,900円 |
128,500円以上 | 28,000円 |
169,000円以上 | 30,200円 |
183,500円以上 | 32,100円 |
211,200円以上 | 34,100円 |
233,700円以上 | 35,700円 |
256,300円以上 | 37,600円 |
283,700円以上 | 39,200円 |
301,000円以上 | 40,900円 |
338,500円以上 | 42,300円 |
366,000円以上 | 44,000円 |
397,000円以上 | 47,700円 |
435,400円以上 | 53,700円 |
481,300円以上 | 59,000円 |
540,800円以上 | 63,200円 |
616,100円以上 | 67,100円 |
715,000円以上 | 71,000円 |
850,900円以上 | 75,300円 |
1,150,000円以上 | 82,200円 |
1,300,000円以上 | 89,000円 |
市町村民税所得割額 | 保育料(月額) |
生活保護世帯 | 0円 |
市町村民税非課税世帯 | 0円 |
所得割非課税 | 14,200円 |
48,600円未満 | 17,000円 |
48,600円以上61,000円未満 | 19,800円 |
61,000円以上73,000円未満 | 22,600円 |
73,000円以上85,000円未満 | 25,400円 |
85,000円以上97,000円未満 | 28,200円 |
97,000円以上126,000円未満 | 31,900円 |
126,000円以上149,000円未満 | 35,600円 |
149,000円以上169,000円未満 | 39,300円 |
169,000円以上255,000円未満 | 44,600円 |
255,000円以上301,000円未満 | 53,000円 |
301,000円以上397,000円未満 | 64,000円 |
397,000円以上 | 83,200円 |
居住する自治体の役所で、具体的な保育料や独自の軽減制度について確認しましょう。
子どもの人数
基本的な軽減制度では第1子は全額負担、第2子は半額、第3子以降は無料となっています。
世帯の年収によっても適用条件が異なり、年収360万円未満の世帯では子どもの年齢や保育施設利用の有無に関係なく、最年長の子どもから順にカウントする仕組みです。
一方、年収360万円以上の世帯では、保育施設を利用している子どもの中で最年長の子どもを第1子としてカウントします。
さらに、自治体独自の支援制度も充実してきており、先述した大阪市や福岡市のように地域によって手厚い支援を受けられる可能性があります。
幼児期にかかる費用はほかにも
ここでは保育料以外に負担する費用を、保育園でかかるものとそれ以外に分けて紹介します。
保育園でかかる費用
以下は、毎月かかる主な費用です。
・通園バス代
・延長保育料
・教材費
・保護者会費
なお、年収360万円未満相当世帯と第3子以降の子どもは副食費が免除されます。
各費用は園によって金額が異なるため、入園前に詳細を確認しましょう。
保育園以外にかかる費用
特に大きな割合を占めるのが習い事の費用です。
スイミングや体操教室、ピアノといった習い事を掛け持ちすると、月額3万円から5万円程度の費用がかかることも珍しくありません。
また、誕生日会や季節の行事、入園や進級のお祝いといったイベント費用も必要です。
さらに、子どもの成長に合わせた衣類や靴の購入、おもちゃや絵本、文具のような教材費用も発生します。
これらの費用は家庭の方針や経済状況によって大きく変わりますが、計画的な準備が必要です。
幼児期にかかるお金の負担を減らす方法
ここでは、保護者のお金の負担を減らす方法を紹介します。
iDecoを利用する
iDeCoの掛け金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となります。
この所得控除により、保育料算定の基準となる住民税所得割額が下がるため、0〜2歳児の保育料が軽減される可能性があるのです。
特に共働き世帯の場合、夫婦でiDeCoに加入すると、より大きな効果を期待できます。
将来の資産形成と保育料の軽減を同時に実現できる賢い選択肢といえるでしょう。
生命保険料控除を利用する
生命保険料控除には、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3種類があり、住民税では以下の計算式で控除額が決まります。
年間支払保険料 | 控除額 |
12,000円以下 | 払込保険料全額 |
12,000円超32,000円以下 | (支払保険料×1/2)+6,000円 |
32,000円超56,000円以下 | (支払保険料×1/4)+14,000円 |
56,000円超 | 一律28,000円 |
ただし、3種類合計で70,000円が控除の上限となるため、加入の際は注意が必要です。
祝い金ありの学資保険に加入する
入園時には制服や教材費といったまとまったお金がかかりますが、そのタイミングで祝い金を受け取れると、家計の負担を軽減できます。
受け取りのタイミングは柔軟に設定でき、必要がない場合は据え置きも可能です。
例えば、保育園入園時に余裕があれば祝い金を据え置いて、より費用がかかる小学校入学時に活用するといった方法も考えられます。
加入時に将来の教育プランを考慮して、最適な受け取り方を検討しましょう。
保育園費用による負担の軽減に事前の対策を!
保育料は主に住民税の所得割額によって決まる仕組みです。
そのため、iDeCoに加入して所得控除を適用するといった方法で所得割額を減らすと、保育料を下げる効果を期待できます。
また、学資保険に加入して祝い金を受け取ると、入園などの節目に必要なまとまった支出に備えられます。
無理のない範囲で支出を削減し、教育費準備に回すお金を確保するようにしましょう。
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