2015年06月19日 08時40分

【ネット銀行】セキュリティって実際どう? 利用すべき「対策」を紹介

ネット銀行の利用すべき「セキュリティ対策」を紹介 [拡大する]

ネット銀行の利用すべき「セキュリティ対策」を紹介

 ネット銀行は、店舗を持たずネット上でさまざまなサービスを完結できることで、手数料無料や高金利などのメリットを提供している。一方で、取引きを狙った犯罪は増加しており、昨年の被害額は約29億円に達している。こうした犯罪に巻き込まれないようにするには、正しいセキュリティ対策の知識を身に付けることが不可欠。便利なネット銀行を安全に利用するために、各銀行ではどのような対策をしているか紹介しよう。

 昨年のインターネットバンキングに関係する不正送金の件数は1876件で、被害額は約29億1000万円。過去最高となっている(『平成26年中のインターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生状況等について』警察庁、平成27年2月12日発表)。背景には、法人名義口座の被害が増加していることや地方銀行への被害が拡大していることなどがあるようだ。

 特に、ウイルスを使ったり、フィッシングなどの手口でネットバンキングの利用に必要なID、パスワード等が盗まれて不正にアクセスされ、預貯金が犯人の口座に送金されてしまったりというケースが急増しているという。

■各ネット銀行のセキュリティ対策

 もちろん、利用者をこうした犯罪から守るために、各銀行ともセキュリティ対策には力を入れている。利用者自身がウイルス対策ソフトの導入やOSなどを最新の状態にしておくことは大事だが、ネット銀行を利用するにあたっては、各行が提供する対策を併用することも必要だ。

 下記に、主なネット銀行のセキュリティ対策を紹介していく。

▼ワンタイムパスワード(ソニー銀行、ゆうちょ銀行、ジャパンネット銀行など)

 ワンタイムパスワードは、その名の通り、使い捨てのパスワードを利用するごとに発行する方法。パスワードは、利用者に貸与した「トークン」と呼ばれる専用のパスワード発行器やスマートフォンアプリなどを使って発行される。いずれも、一度しか利用できないため、万が一、そのパスワードが盗まれても安全。利用するには事前に申し込みが必要で、銀行によっては機器の貸与が有料の場合もある。

▼スマート認証(住信SBIネット銀行)

 スマート認証は、利用者のスマートフォンを「鍵」として使い、PCとスマートフォンという2経路で認証を行うことで安全性を高める方法。スマートフォンに専用のアプリをインストールし、あらかじめPCサイトでの登録とスマートフォンでの設定をしておく。ネットバンキングを利用しようとすると、スマートフォンに通知が届き、アプリで認証を行うことでネットバンキングが利用可能となる仕組みだ。

 設定などを多少面倒に感じるかもしれないが、安全性は「トークン方式」よりも高いと言われているので、住信SBIネット銀行ユーザーは試してみるといいだろう。

▼インターネットバンキングロック、ATMロック(じぶん銀行)

 スマート認証と同様、利用者のスマートフォンを「鍵」として使う方法がこのロックだ。普段はネットバンキングへのログインをロックしておき、取引をするときだけ、あらかじめスマーフォフォンにインストールしたアプリでロックを解除するというもの。スマートフォンでロックを解除しないかぎり、ネットバンキングにはログインできない。

 なお、じぶん銀行は、ネットバンキングロックと同じような機能の「ATMロック」も用意。普段はロックしておき、ロックを解除してから60分間だけATMでの取引が可能になるという機能で、他人によってATMから不正に現金を引き出されることを防げる。

▼クラウドダイレクト(三菱東京UFJ銀行)

 ネットバンキングの利用時、自分のパソコンから直接ネットバンキングにログインするのではなく、「クラウドダイレクト」と称する専用サーバーを介してネットバンキングを利用する方法。

 自分のパソコンがウイルスに感染していた場合、詐欺サイトに誘導されてID・パスワードを盗まれるなどの被害に遭う可能性があるが、クラウドダイレクトは高度なセキュリティが保たれているため、自分のパソコンで利用するより安全に取引ができるメリットがある。申し込み不要、無料で利用できるので、試してみる価値はあるだろう。

 犯罪の手口は次第に高度化しており、きょうの対策があした使えなくなることもゼロではない。それでも、各ネット銀行が提供している適切な対策を上手に利用し、安全性を高めるようにしていくのがベストだろう。

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記事/株式会社マイト

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