2015年11月20日 08時30分

確定申告前におさえておきたい! 「医療費控除」のポイント3つ

確定申告の準備はできている? 事前に抑えておきたい“医療費控除”のポイントを紹介 [拡大する]

確定申告の準備はできている? 事前に抑えておきたい“医療費控除”のポイントを紹介

 2015年もあと少し。年が明けて2月になると、確定申告シーズンが始まる。今年1年間に医療費が多くかかった人や家族が出産した人などは、確定申告によって税金が戻ってくる可能性があることをご存じだろうか。

 確定申告をしたことがない人は、「難しい」「面倒」と感じるかもしれないが、ポイントを押さえれば大丈夫。ここで今回は、「医療費控除」のポイントを3つおさえておこう。

【ポイント1】予防はダメ、治療はOK
 医療費控除とは、医療費がたくさんかかった人に、いわば“税金をキャッシュバック”してくれる制度。2015年1月1日〜12月31日までの1年間の医療費が10万円を超えた場合は、税金が戻ってくる可能性がある(※所得金額が200万円未満の人なら、医療費が所得金額の5%を超えた場合も該当する)。

 “1年間の医療費のうち、基本的に10万円分を超えた分には税金をかけないですよ”というのが医療費控除だ。仮に医療費で100万円支払った場合、10万円分を引いた残りの90万円に対して、税金をかけないことになるので、その分確定申告によりキャッシュバックされる。

 この医療費控除の“医療費”として認められるものは、病院での治療代、薬代のほかに、ドラッグストアで買った風邪薬、通院の際の交通費(基本的に公的な交通機関のもの)も挙げられる。電車やバスなどは交通費を書き出しておこう。

 ただし、病院や薬局で支払ったものが、すべてOKというわけではない。“治療”はOKだが、予防はNG”と覚えておこう。例えば、ビタミン剤やドリンク剤、コンタクトレンズなどは治療ではないのでNG。レーシックは視力を回復する治療になるためOK。インフルエンザなどのワクチンは“予防”になるためNG。健康診断や人間ドッグも基本的にはNGだが、もし病気が見つかって治療に入ることになればOKとなる。

【ポイント2】家族全員分を合算できる
 医療費は、家族全員分を合算できる。例えば、義父母と同居をしていて一緒の家計であれば、「夫婦+子ども+義父母」の医療費を合わせてOKというわけだ。

 お姑さんに「医療費のレシートをください…」とは、ちょっと言い出しにくいかもしれないが、控除の対象であれば思いきってお願いしてみよう。

【ポイント3】収入が多い人が確定申告をするとオトク
 家族の医療費を合算した場合、誰が確定申告をしてもOKだが、一番年収が高い人が確定申告をするとお得になりやすい。理由は、年収が高いとそれだけ税率も高くなるため、戻ってくるお金が多くなる可能性が高いからだ。

 ただし、住宅ローンを抱えている場合は要注意。住宅ローン減税によって、たくさん税金が戻る場合は、所得税がゼロになる場合もある。すると、医療費控除の申告をしても、そもそも戻るはずの税金がゼロなので、意味がなくなってしまうからだ。

 もし共働きのご家庭だったら、住宅ローンを抱える夫ではなく、妻の方から医療費控除を申告するという手もあるだろう。

 以上、医療費控除の際のポイントについて3つお伝えした。家族で出産があった、大きな病気をした人などは、来年の確定申告を必ず忘れないようにしよう。直前になってバタバタと慌てることのないよう、早めに領収書やレシートを整理しておくと安心だ。

 電車などの交通機関で通院した場合は、電車代・バス代などを早めに調べてメモしておくとスムーズだろう。不明点があれば、地域の税務署に問い合わせるのも手だ。

(ライター:西山美紀)
ファイナンシャルプランナー。1万件以上のマネーデータを分析し、500人以上にマネーの取材経験あり。マネーや女性の生き方などをテーマに取材・執筆・記事監修などを行う。男の子、女の子の2児の母でもある。ブログ:http://ameblo.jp/nishiyamamiki/

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