伊集院静、“萌え”文化を語る「相手を思いやる恋愛が成立している」

「相手が2次元でも3次元でも、本物の恋愛だ」と独自の見解を語った作家・伊集院静氏 (C)ORICON DD inc. [拡大する]

「相手が2次元でも3次元でも、本物の恋愛だ」と独自の見解を語った作家・伊集院静氏 (C)ORICON DD inc.

 直木賞作家で現在同賞の審査委員を務める作家・伊集院静氏(62)が、先ごろ若者向けの電子書籍アプリ『伊集院静 男の流儀入門』のシリーズ第2弾「恋愛編」を発表した。ORICON STYLEでは同書のテーマである“恋愛”についてインタビューを敢行。若者文化を象徴する「2次元の相手に萌える恋」についても質問。アニメやフィギュアなど2次元の世界に陶酔する若者たちの恋愛は、“最後の無頼派”の目にどう映るのだろう。

■実在しない相手を思う“萌え”は疑似恋愛か本物か?

 伊集院氏は「若い人は“恋愛至上主義”と言われるけど、あまり恋愛を知らないように思えるんだよね」と印象を語る。確かに書店には「合コン講座」や「恋愛検定」といった指南書は多く、そのターゲットは明らかに若い世代だ。

 恋愛の基本については「自分が嫌なことは相手にしない。大事なことは『相手の気持ちになること』だよ」と笑う伊集院氏。「これは人生のすべてに通じることでもあって、その大切な感情を最初に学べる場所が恋愛なんだよね」と、柔らかな口調で語る。

 「相手を思いやり、あなたが幸せであればそれだけで私はうれしいと感じることが恋愛だ」と語る伊集院氏は、存在しない相手に“萌える”現代の若者ならではの感情や思考について、「相手が2次元だから恋愛じゃないとか、否定する気持ちは全くない」と、肯定的な意見で即答。

 「例えば好きな曲があるとしよう。本当に素晴らしい曲だと感じ陶酔するけど、心底好きだと思うのはその歌い手自身。だけど、現実には手が届かないよね。でもこれが“初音ミク”だとすると話は変わる。彼らは自分の内側にそのキャラクターを取り込み、恋をし対話もできる。そこには相手を思いやる恋愛が成立している」と断言する。

 「人は恋をすると、他のモノとは別次元の扱いになるでしょ。今まで経験したことのない“世界で一番崇高なものを手に入れた”という気持ちで心が満たされる。だから恋愛は素晴らしい。他人からは疑似恋愛に見えても、恋愛感情としては普通の人とそんなに変わるものじゃないよ」と、全面的な理解を示す。

 「相手を自分の中に取り込んだ人は、外出する時も心の中で時間を共有している。それでいいんだよ。心の中で会話しながら、いろいろな場所に出かけて行けば、いつか自分の中にある“彼女”以上の存在だと思える“人”にきっと出会えるから」とアドバイス。「どんどん恋愛を経験すると良い。2次元でも3次元でも、それは人生において十分に役立つ。本人の心の持ちようで本当の恋愛と何も変わらない」と、手放しで支持した。

■恋愛力を高めるには「今も昔も“思い込んだら命がけ”」

 2次元の恋さえも支持する同氏だが、恋愛には想像力を継続する“力”が必要だと解く。「相手との良好な関係が続くように、発想力を持続しなきゃならない。だけど、独りではいつか限界がくる。その時は誰か外の人と共有するといい。発想力は誰かと共有するほうがずっと高められるもの。それが人生をより良いものにしてくれる」と、人との関わりの大事さを提案し、恋をする全ての人にアドバイスを送った。

 “恋愛力”を高める方法を尋ねると「自分に芽生えた好きだと思う感情をそのまま出会った人に向けること。今も昔も『思い込んだら命がけ』でいいんだよ。思い込んではいるけど『これぐらいにしておこう』なんて駄目。そのうえで、相手の気持ちを考えて行けるから自分自身も変わることもできる。人は恋愛で成長するものだ」と力説した。

 「好きな人と出会って、次に相手に好いて欲しいという感情が芽生えた段階でみんな悩むでしょ? 何千年と繰り返されてきたけど、模範解答がないのが恋。若い人に読んでもらうためのアプリ書籍だから、生きることと切り離せない感情や“悩み”と向き合う時に読む1冊になればいいな」。

 最新アプリ『伊集院静 男の流儀入門 恋愛編』はApp Storeより配信中(有料)。全11章で編成され、『恋愛の流儀』にはじまり「ストーカー」、「セックスレス」などを取り上げた『恋愛番外地』、そして「私と仕事、どっちが大事?」といった女性が口にする質問を集めた『女の愚問』の3部構成となっている。

>>「男の流儀入門」特設サイト

>>>App Store伊集院静「男の流儀入門」

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