車を運転するときに常に携行しておく運転免許証はもちろん、車検証と自賠責保険証明書は、運転する車に載せておくことが義務付けられています。ちなみに、車検証は道路運送車両法、自賠責保険証明書は自動車損害賠償保障法という法律で携行が義務付けられていて、違反した場合には罰金刑が規定されています。検査標章を表示することも義務付けられていますが、大抵は車検終了後に車に貼られますので、違反する方はあまりいないと思います。
では、任意保険の保険証書も、自賠責保険と同じく車に備え付けておかなくてはならないのでしょうか?
自動車保険証は車載の義務はないけれど……
任意保険と呼ばれる自動車保険の保険証券は、法律上、常時携行の義務はありません。もともと、加入そのものが「任意」なのですから、「携行義務もない」というわけです。
ですが、万一の事故の際に使うのが自動車保険です。保険会社に事故報告をするときに、連絡先や証券番号が分かっていれば、その後の処理もスムーズになります。ですから、保険証書を常に車に備え付けておく利点もあるのです。車載する際は、多くのドライバーがしているように、車の取扱説明書や車検証、自賠責保険証明書とともに、ダッシュボードなどに保管しておけば安心です。
保険証のコピーや連絡用カードでもOK
上記のように、車の書類や保険証券をまとめて車に載せておくというのは便利です。しかし、自動車保険証券については、「原本は自宅に保管しておいた方がいい」という考えもあります。車検証も自賠責保険証明書も、どちらもその車両に対するものです。任意保険は、愛車を買い換えれば、保険契約は新しい車に移管します。
また、自動車保険に加入すると、大抵、保険証券とともに証券番号や保険会社の連絡先などが記された小さな連絡用カードが同送されてきます。保険証券の代わりに、このカードを車に載せておいてもOKですし、免許証などといっしょに持ち歩くのもいいでしょう。
自動車保険がペーパーレスの場合はどうする?
ゴールド免許割引で保険契約していて、事故や違反を起こすと、ブルー免許に格下げになってしまうことがあります。保険期間中にブルー免許になることが確定したらどうなるのでしょうか? このようなケースでも、保険料は値上げされません。ゴールド免許割引は「保険期間が開始する日の免許証の色」を基準にしています。ですから、保険期間中にブルー免許になったとしても、次の保険更新日まで、保険料が変わることはありません。
ただし、逆の例もあります。もし、保険期間中にゴールド免許に変わっても、次の保険更新日まで、ゴールド免許割引を受けることはできません。ゴールド免許割引の詳細については保険会社によって細かな違いがありますが、この点については各社共通となっています。
安全運転を心掛けてゴールド免許を目指そう
近年は、自動車保険の分野でもペーパーレス化が進んでいます。ほとんどの保険会社が「証券e割」「証券不要割引」「証券ペーパーレス割引」といった名称で割り引きを設定していて、保険証券を発行しないことを選択した場合には、わずかながら保険料が割り引きになります。ペーパーレスの場合は、そもそも保険証券がありませんから、保管や紛失に気を煩わせることもありません。保険の内容はWebサイトにログインすればいつでも確認できますし、スマートフォンでもアクセスできますから、不便を感じることはないはずです。
しかし、もしも事故を起こしたとき、スマートフォンでWebサイトにログインして、保険内容を確認しながら保険会社に連絡するというのは、なかなか面倒なものです。事故現場では気が動転してしまって、ログインIDやパスワードを思い出せないこともあり得ます。肝心なスマートフォンを「家に置き忘れてきた」ということもあるでしょうし、電波が届かなかったり充電切れだったりということもあるでしょう。「そんなことは滅多にない」と思われるかもしれませんが、そんなときに限ってトラブルは起こるものです。
そこで、ペーパーレスの場合には、保険内容をあらかじめプリントアウトしておき、車検証・自賠責保険証と一緒に車に載せておきましょう。たった紙切れ1枚を用意しておくだけで、いざというときに落ち着いて対処することができます。
「そのとき」になって慌てないために
ここまでお話ししたことについて、改めてまとめておきましょう。
・自賠責保険証明証は、車検証とともに常時携行の義務がある。
・自動車保険(任意保険)証券は、携行義務がない。
・自動車保険証券は原本ではなく、コピーか連絡用カードを車に載せておくとよい。
・ペーパーレスの場合は、保険の内容をプリントアウトして車に載せておく。
自動車保険は契約後に事故を起こさなければ、次の契約まで出番がありません。そのため、事故を起こしたときや、内容を確認したいときに、「車の保険証券って、どこにしまっておいたっけ?」と慌てることも少なくありません。そう考えれば、車に載せておくのが便利ですが、コピーや連絡用カードで事足りるのであれば、原本は自宅に保管しておいた方がいいともいえます。どちらにするかはドライバー自身の判断ですが、仮に車に原本を置くのであれば、その管理に気を付けましょう。
いずれにせよ、自動車保険は「万一のときへの備え」です。使うときになって慌てないよう、保険証券はきちんと保管しておくことをお勧めします。