自動車保険、自賠責保険の保険料の相場は?保険料を抑える方法も解説
ここでは、車の保険料はどのように決められるのか、いくらくらいが相場なのかについて解説します。
目次
車を対象にした保険の保険料相場
ただし、自賠責保険は公道を走行する場合は必ず加入するよう法律で義務付けられているため、どの保険会社で加入しても保険料は一律です。一方、自動車保険はおおよその相場はあるものの、保険会社によって細かな補償内容に違いがあるため、保険料にも違いがあります。
これらの保険料の相場は、いくらぐらいなのでしょうか。まずは、自賠責保険と自動車保険、それぞれの保険料の相場について見ていきましょう。
自賠責保険の保険料相場
自賠責保険の保険料は、損害保険料率算出機構によって車を使う目的や車種ごとに基準料率(保険料の基礎となる数値)が算出されています。損害保険料率算出機構は、保険会社各社から収集した膨大なデータを分析し、基準料率を算出するとともに、改定が必要かどうかを毎年検証。自賠責保険審議会で検証結果の審議が行われ、国土交通大臣の同意を得て、新たな自賠責保険料が定められます。
最近では2023年に基準料率が改定され、同年4月1日以降を始期とする自賠責保険に、新たな保険料が適用されています。
■自家用乗用自動車と軽自動車の自賠責保険料(離島・沖縄県を除く)
※損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率表」をもとに独自に作成
車種 | 保険期間 | 保険料 |
---|---|---|
自家用乗用自動車 | 37ヵ月 | 2万4,190円 |
36ヵ月 | 2万3,690円 | |
25ヵ月 | 1万8,160円 | |
24ヵ月 | 1万7,650円 | |
13ヵ月 | 1万2,010円 | |
12ヵ月 | 1万1,500円 | |
軽自動車(検査対象) | 37ヵ月 | 2万4,010円 |
36ヵ月 | 2万3,520円 | |
25ヵ月 | 1万8,040円 | |
24ヵ月 | 1万7,540円 | |
13ヵ月 | 1万1,950円 | |
12ヵ月 | 1万1,440円 |
自動車保険の保険料相場
ですが、自動車保険は自賠責保険と異なり、法律で加入を義務付けられてはいません。加入はあくまで任意であり、保険料についても保険会社各社によって違いがあります。
例えば、「代理店型」と「ダイレクト型」による違いです。代理店を構えて専門スタッフが常駐している代理店型保険よりも、インターネットなどで手続きできるダイレクト型保険のほうが、代理店運営のコストがかからない分、保険料が割安の傾向があります。
さらに、契約者の年齢や補償内容によっても保険料は大きく変わりますので、相場を算出するのはなかなか困難です。
そのため、ここでは保険会社による保険料の相場をもとに算出した、年間の平均保険料をご紹介します。契約者の年齢と車両保険の有無による平均保険料は、下記のとおりです。
■自動車保険の契約者の年齢・車両保険の有無による平均保険料(年間)
※複数の保険会社の保険料の相場をもとに平均値を算出
年齢 | 車両保険なし | 車両保険あり |
---|---|---|
20代 | 約6万1,300円 | 約10万7,100円 |
30代 | 約3万6,020円 | 約5万9,600円 |
40代 | 約3万6,900円 | 約6万4,100円 |
50代 | 約3万7,200円 | 約7万2,500円 |
60代 | 約4万2,600円 | 約8万3,000円 |
自動車保険料の相場については、下記の記事をご覧ください。
自動車保険の保険料を決める要素
では、実際にどのような要素によって保険料が変わってくるのでしょうか。ここでは、各種特約や車両保険以外の要素について解説します。
運転者の年齢
そのため、事故リスクの高い10代・20代や高齢者の場合、事故リスクの低い40代などと比べて保険料が高くなります。
また、自動車保険の運転者年齢条件によっても保険料が変わります。運転者年齢条件は、車を運転する人の「全年齢を補償」「21歳以上を補償」「26歳以上を補償」といった区分によって、保険料が異なる仕組みです。補償範囲が大きくなるほど保険料が高くなるため、18歳以上のすべての人が対象となる「全年齢を補償」を選ぶと、最も保険料が高くなります。
なお、年齢による区分と保険料の設定は保険会社によって違いがあり、26歳以上については、さらに細かく区分されていることもあります。
等級
等級は、契約期間内に事故を起こして保険を使うと翌年1等級または3等級下がり、保険を使わなければ1等級上がります。等級が上がると、それに応じて更新時に保険料が安くなり、事故を繰り返すなどして等級が下がるほど保険料は高くなっていくのです。
なお、等級は保険会社を乗り換えても、乗り換え先がノンフリート等級制度を導入していれば引き継がれます。契約期間中の乗り換えも可能ですが、満期日での乗り換えよりも等級が上がるタイミングが遅くなるなどもあるため、慎重に検討することが大切です。
自動車保険の等級については、下記の記事をご覧ください。
年間走行距離
車の年間走行距離がわからない場合、1週間でどれくらいの距離を走るかを考え、そこから1年間の走行距離を計算するのがおすすめです。
実際の走行距離が申告内容と大きな差が出るようであれば保険会社に連絡して、対応を相談してください。
使用目的
そのため、多くの保険会社では、自動車の使用目的を「業務使用」「通勤・通学」「日常・レジャー」の3つに分け、契約時にどれか1つを選ぶ形となっています。
・業務使用
業務使用は、取引先への巡回や配達など、仕事で車を使うケースです。年間の走行距離も走行時間も長くなるため、事故に遭うリスクが高く、保険料も高めに設定されます。
・通勤・通学
通勤・通学は業務使用と同じく、ほぼ毎日車を使うケースです。走行距離や走行時間は業務使用ほど長くないと考えられるため、業務使用よりも割安の保険料が設定されます。
・日常・レジャー
業務使用あるいは通勤・通学のいずれにも該当しない場合は、日常・レジャーの区分になります。週末に買い物に行く、長期休暇にドライブを楽しむという程度の使用頻度なら、年間の走行距離が短く、事故のリスクは低いと判断され、3つの区分のうち最も安価な保険料が設定されます。
運転免許証の色
ゴールド免許の所持者は安全意識が高く、事故のリスクが低いと見なされるため、多くの保険会社が「ゴールド免許割引」を用意しています。保険の契約期間中にゴールド免許が交付されたら、次回の更新から割引保険料が適用されますので、忘れずに申告しましょう。
なお、ゴールド免許による割引率は保険会社によって異なるため、事前の確認をおすすめします。
住所
保険会社によっては、北海道、東北、関東・甲信越、北陸・東海、近畿・中国、四国、九州と、全国を7つの地域に分け、それぞれに異なる保険料を適用しています。「保険料を安く抑えるために引越しする」というわけにはいきませんが、住所地も保険料の額を上下させる要素のひとつだということは、知っておいたほうがいいかもしれません。
車種や型式
これは、自動車そのものの危険度というわけではなく、その車の特性やユーザー層の属性の違いによって算出される、「型式別料率クラス」が保険料に影響するためです。
型式別料率クラスは定期的に見直しが行われており、全国的に事故や盗難が多かった車種は料率が上がって保険料も上がり、反対に少なければ料率が下がって保険料も下がります。そのため、「事故を起こしていないのに、車を買い換えたら保険料が上がった」ということも起こるのです。
自動車保険の保険料を安くするためには?
自分に合った自動車保険になっているか確認する
年齢条件の区分や年間走行距離、使用目的などは、保険料を左右する大切な要素ですから、今の自分のカーライフと合っているか、忘れずに確認しておきましょう。
また、各種の特約や車両保険も、あらためて見直すことをおすすめします。特に車両保険は「あれば安心」ですが、契約から年数が経ってくると車の時価評価額が下がり、十分な補償を受けられなくなる可能性もあります。思い切って車両保険を外してしまえば、保険料をグッと安く抑えることが可能です。
ただし、保険料を抑えることばかりに目が向いて、肝心の補償内容が手薄にならないよう、くれぐれも注意してください。
ダイレクト型の保険会社に切り替える
ただし、ダイレクト型では、保険のプロに直接相談しながら、補償内容を決めていくことができません。そのため、自動車保険について、ある程度の知識が求められます。
複数の保険会社から見積もりを取る
この場合も、単に保険料だけを比較するのではなく、補償の内容をしっかりと理解して、その補償が自分に必要かどうか、保険料とのバランスはとれているかを十分に確認することが大切です。
安全運転を行う
また、無事故・無違反を長く続け、ゴールド免許を手にすることができれば、保険会社によっては「ゴールド免許割引」を受けることもできます。
ゴールド免許を取得すれば、住所地の警察署で免許証を更新できたり、その際の講習時間が短縮されたりといった便利さもあります。常に法令遵守を心掛け、安全運転を実践していくことで、保険料以外のメリットも獲得できるのです。
自動車保険の見直しについては、下記の記事をご覧ください。
保険料を左右する要素を理解し、自分に合った自動車保険を選ぼう
自動車保険を検討する際、保険料の金額も重要ですが、肝心なのは「補償内容が自分に合っているかどうか」という点。自分の現状に合った補償を考えながら、複数の保険会社を比較し、どのような保険が良いのかを検討してみてください。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「自動車保険 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。商品内容の充実さや事故対応、ロードサービスの充実さなどのランキングを確認することもできるため、保険会社選びの参考にしてください。