自動車保険、自賠責保険の保険料の相場は?保険料を抑える方法も解説

自動車保険、自賠責保険の保険料の相場は?保険料を抑える方法も解説

車に乗る際、万一の交通事故やトラブルに備えるために欠かせないものが保険です。車の保険は、大きく分けると自賠責保険と任意の自動車保険の2種類があり、それぞれ役割や補償の内容、保険料が異なります。
ここでは、車の保険料はどのように決められるのか、いくらくらいが相場なのかについて解説します。

mokuji目次

  1. 車を対象にした保険の保険料相場
    1. 自賠責保険の保険料相場
    2. 自動車保険の保険料相場
  2. 自動車保険の保険料を決める要素
    1. 運転者の年齢
    2. 等級
    3. 年間走行距離
    4. 使用目的
    5. 運転免許証の色
    6. 住所
    7. 車種や型式
  3. 自動車保険の保険料を安くするためには?
    1. 自分に合った自動車保険になっているか確認する
    2. ダイレクト型の保険会社に切り替える
    3. 複数の保険会社から見積もりを取る
    4. 安全運転を行う
  4. 保険料を左右する要素を理解し、自分に合った自動車保険を選ぼう

車を対象にした保険の保険料相場

車の保険には、強制保険と呼ばれる自賠責保険と、任意保険と呼ばれる自動車保険があります。どちらも事故のリスク、事故の際の損害額などの分析にもとづき、年間の保険料が算出されています。

ただし、自賠責保険は公道を走行する場合は必ず加入するよう法律で義務付けられているため、どの保険会社で加入しても保険料は一律です。一方、自動車保険はおおよその相場はあるものの、保険会社によって細かな補償内容に違いがあるため、保険料にも違いがあります

これらの保険料の相場は、いくらぐらいなのでしょうか。まずは、自賠責保険と自動車保険、それぞれの保険料の相場について見ていきましょう。

自賠責保険の保険料相場

自賠責保険は「自動車損害賠償責任保険」の略称で、交通事故による人的損害を補償するために設けられています。事故を起こした加害者側に賠償能力がない場合、被害者側に対し、ケガの治療費を支払うことができません。そうした状況を避け、事故の被害者を救済するために生まれたのが自賠責保険です。

自賠責保険の保険料は、損害保険料率算出機構によって車を使う目的や車種ごとに基準料率(保険料の基礎となる数値)が算出されています。損害保険料率算出機構は、保険会社各社から収集した膨大なデータを分析し、基準料率を算出するとともに、改定が必要かどうかを毎年検証。自賠責保険審議会で検証結果の審議が行われ、国土交通大臣の同意を得て、新たな自賠責保険料が定められます。

最近では2023年に基準料率が改定され、同年4月1日以降を始期とする自賠責保険に、新たな保険料が適用されています。

■自家用乗用自動車と軽自動車の自賠責保険料(離島・沖縄県を除く)
※損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率表」をもとに独自に作成
車種 保険期間 保険料
自家用乗用自動車 37ヵ月 2万4,190円
36ヵ月 2万3,690円
25ヵ月 1万8,160円
24ヵ月 1万7,650円
13ヵ月 1万2,010円
12ヵ月 1万1,500円
軽自動車(検査対象) 37ヵ月 2万4,010円
36ヵ月 2万3,520円
25ヵ月 1万8,040円
24ヵ月 1万7,540円
13ヵ月 1万1,950円
12ヵ月 1万1,440円
自賠責保険については、下記の記事をご覧ください。

自動車保険の保険料相場

自動車保険は、自賠責保険で補償対象とならないものをカバーするための保険です。自動車保険の保険料も、損害保険料率算出機構が導き出した基準料率がベースになっています。
ですが、自動車保険は自賠責保険と異なり、法律で加入を義務付けられてはいません。加入はあくまで任意であり、保険料についても保険会社各社によって違いがあります。

例えば、「代理店型」と「ダイレクト型」による違いです。代理店を構えて専門スタッフが常駐している代理店型保険よりも、インターネットなどで手続きできるダイレクト型保険のほうが、代理店運営のコストがかからない分、保険料が割安の傾向があります。
さらに、契約者の年齢や補償内容によっても保険料は大きく変わりますので、相場を算出するのはなかなか困難です。

そのため、ここでは保険会社による保険料の相場をもとに算出した、年間の平均保険料をご紹介します。契約者の年齢と車両保険の有無による平均保険料は、下記のとおりです。

■自動車保険の契約者の年齢・車両保険の有無による平均保険料(年間)
※複数の保険会社の保険料の相場をもとに平均値を算出
年齢 車両保険なし 車両保険あり
20代 約6万1,300円 約10万7,100円
30代 約3万6,020円 約5万9,600円
40代 約3万6,900円 約6万4,100円
50代 約3万7,200円 約7万2,500円
60代 約4万2,600円 約8万3,000円
全体的に車両保険に加入すると保険料が50%前後加算されるほか、20代では平均保険料が高額になっています。20代の平均保険料が高額なのは、ほかの年代と比べて20代の事故リスクが高いことが反映された結果といえます。

自動車保険料の相場については、下記の記事をご覧ください。

自動車保険の保険料を決める要素

自動車保険の保険料を決める要素

自動車保険の保険料は、契約者の属性や保険対象となる車種、使用目的など、多くの要素を考慮した上で決められます。また、車両保険や特約などを追加すると、それだけ高額になっていきますから、「同じ車でも保険料が大きく違う」ということが当たり前のように起こります。
では、実際にどのような要素によって保険料が変わってくるのでしょうか。ここでは、各種特約や車両保険以外の要素について解説します。

運転者の年齢

自動車保険の保険料は、事故のリスクがどれほどあるかによって決められます。事故を起こすリスクが高く、高額な保険金を支払う可能性が高いなら、保険料も高めに設定しなければ、保険そのものが成り立たないからです。
そのため、事故リスクの高い10代・20代や高齢者の場合、事故リスクの低い40代などと比べて保険料が高くなります。

また、自動車保険の運転者年齢条件によっても保険料が変わります。運転者年齢条件は、車を運転する人の「全年齢を補償」「21歳以上を補償」「26歳以上を補償」といった区分によって、保険料が異なる仕組みです。補償範囲が大きくなるほど保険料が高くなるため、18歳以上のすべての人が対象となる「全年齢を補償」を選ぶと、最も保険料が高くなります。
なお、年齢による区分と保険料の設定は保険会社によって違いがあり、26歳以上については、さらに細かく区分されていることもあります。

等級

自動車保険には、保険料の割引率・割増率を決める「ノンフリート等級」という区分があります。区分は1等級から20等級まであり、新規で自動車保険を契約する際には、6等級からスタートするのが原則です。

等級は、契約期間内に事故を起こして保険を使うと翌年1等級または3等級下がり、保険を使わなければ1等級上がります。等級が上がると、それに応じて更新時に保険料が安くなり、事故を繰り返すなどして等級が下がるほど保険料は高くなっていくのです。

なお、等級は保険会社を乗り換えても、乗り換え先がノンフリート等級制度を導入していれば引き継がれます。契約期間中の乗り換えも可能ですが、満期日での乗り換えよりも等級が上がるタイミングが遅くなるなどもあるため、慎重に検討することが大切です。

自動車保険の等級については、下記の記事をご覧ください。

年間走行距離

車の事故リスクは、走行距離が長いほど高まるため、保険料も高くなります。週末の買い物で車に乗るだけの人よりも、毎日長距離を走る人のほうが事故に遭いやすいというのは、当然のことでしょう。そのため、自動車保険の加入時には、想定される年間走行距離の申告が求められています。

車の年間走行距離がわからない場合、1週間でどれくらいの距離を走るかを考え、そこから1年間の走行距離を計算するのがおすすめです。
実際の走行距離が申告内容と大きな差が出るようであれば保険会社に連絡して、対応を相談してください。

使用目的

年間走行距離とともに、車の使用目的によっても保険料に差が生まれます。例えば、「週末、少し離れた大型スーパーに買い物に行く程度」という人と、「毎日の通勤に使っている」という人とでは、事故に遭うリスクが異なるからです。
そのため、多くの保険会社では、自動車の使用目的を「業務使用」「通勤・通学」「日常・レジャー」の3つに分け、契約時にどれか1つを選ぶ形となっています。

業務使用
業務使用は、取引先への巡回や配達など、仕事で車を使うケースです。年間の走行距離も走行時間も長くなるため、事故に遭うリスクが高く、保険料も高めに設定されます。

通勤・通学
通勤・通学は業務使用と同じく、ほぼ毎日車を使うケースです。走行距離や走行時間は業務使用ほど長くないと考えられるため、業務使用よりも割安の保険料が設定されます。

日常・レジャー
業務使用あるいは通勤・通学のいずれにも該当しない場合は、日常・レジャーの区分になります。週末に買い物に行く、長期休暇にドライブを楽しむという程度の使用頻度なら、年間の走行距離が短く、事故のリスクは低いと判断され、3つの区分のうち最も安価な保険料が設定されます。

運転免許証の色

運転免許証の色

運転免許証の有効期限が記された部分の色は、グリーン・ブルー・ゴールドの3種類があります。グリーンは初めて運転免許を取得した場合に交付され、ブルーは初回更新時以降に交付されます。そしてゴールドは、5年間無事故・無違反の優良運転者だけに交付される免許証です。

ゴールド免許の所持者は安全意識が高く、事故のリスクが低いと見なされるため、多くの保険会社が「ゴールド免許割引」を用意しています。保険の契約期間中にゴールド免許が交付されたら、次回の更新から割引保険料が適用されますので、忘れずに申告しましょう。
なお、ゴールド免許による割引率は保険会社によって異なるため、事前の確認をおすすめします。

住所

自動車保険の保険料は、契約車を主に運転する人の住所地によっても異なります。地域によって事故リスクの差があるためです。

保険会社によっては、北海道、東北、関東・甲信越、北陸・東海、近畿・中国、四国、九州と、全国を7つの地域に分け、それぞれに異なる保険料を適用しています。「保険料を安く抑えるために引越しする」というわけにはいきませんが、住所地も保険料の額を上下させる要素のひとつだということは、知っておいたほうがいいかもしれません。

車種や型式

自動車の車種や型式も、自動車保険の保険料を上下させる要素のひとつです。具体的な例を挙げれば、ハイスピードのドライビングを楽しめるスポーツカーと、ファミリー向けのコンパクトカーとでは、保険料に差が設けられています。
これは、自動車そのものの危険度というわけではなく、その車の特性やユーザー層の属性の違いによって算出される、「型式別料率クラス」が保険料に影響するためです。

型式別料率クラスは定期的に見直しが行われており、全国的に事故や盗難が多かった車種は料率が上がって保険料も上がり、反対に少なければ料率が下がって保険料も下がります。そのため、「事故を起こしていないのに、車を買い換えたら保険料が上がった」ということも起こるのです。

自動車保険の保険料を安くするためには?

ここまで解説したように、自動車保険の保険料はさまざまな要素によって決められています。その仕組みを知り、適切に見直すことで、保険料を今よりも安くすることができるでしょう。

自分に合った自動車保険になっているか確認する

自動車保険の保険料を安くするために最初にやるべきことは、自動車保険の補償内容が、自分の現状に合っているかどうかを確認することです。
年齢条件の区分年間走行距離使用目的などは、保険料を左右する大切な要素ですから、今の自分のカーライフと合っているか、忘れずに確認しておきましょう。

また、各種の特約や車両保険も、あらためて見直すことをおすすめします。特に車両保険は「あれば安心」ですが、契約から年数が経ってくると車の時価評価額が下がり、十分な補償を受けられなくなる可能性もあります。思い切って車両保険を外してしまえば、保険料をグッと安く抑えることが可能です。
ただし、保険料を抑えることばかりに目が向いて、肝心の補償内容が手薄にならないよう、くれぐれも注意してください。

ダイレクト型の保険会社に切り替える

実店舗を持たず、インターネットなどで各種手続きができるダイレクト型自動車保険は、代理店型自動車保険よりも保険料が割安な傾向があります。これまで代理店型自動車保険を使ってきた方なら、ダイレクト型に切り替えることで、保険料の削減効果が期待できるでしょう。

ただし、ダイレクト型では、保険のプロに直接相談しながら、補償内容を決めていくことができません。そのため、自動車保険について、ある程度の知識が求められます。

複数の保険会社から見積もりを取る

自賠責保険と違って、自動車保険は保険会社によって、補償内容や保険料が異なります。自動車保険を検討する際は、同一条件で複数の保険会社から見積もりを取り、その中から選ぶのがおすすめです。

この場合も、単に保険料だけを比較するのではなく、補償の内容をしっかりと理解して、その補償が自分に必要かどうか、保険料とのバランスはとれているかを十分に確認することが大切です。

安全運転を行う

車の安全運転を心掛けることも、結果として自動車保険の保険料を抑えることにつながります。長く無事故でいれば、等級が更新のたびに上がり、同時に保険料が安くなっていくからです。
また、無事故・無違反を長く続け、ゴールド免許を手にすることができれば、保険会社によっては「ゴールド免許割引」を受けることもできます。

ゴールド免許を取得すれば、住所地の警察署で免許証を更新できたり、その際の講習時間が短縮されたりといった便利さもあります。常に法令遵守を心掛け、安全運転を実践していくことで、保険料以外のメリットも獲得できるのです。

自動車保険の見直しについては、下記の記事をご覧ください。

保険料を左右する要素を理解し、自分に合った自動車保険を選ぼう

車の保険には強制の自賠責保険と任意の自動車保険があり、自動車保険の保険料は保険会社によって異なります。また、保険料は多くの要素を踏まえて算出されているため、単純に相場を出すのが難しいものです。

自動車保険を検討する際、保険料の金額も重要ですが、肝心なのは「補償内容が自分に合っているかどうか」という点。自分の現状に合った補償を考えながら、複数の保険会社を比較し、どのような保険が良いのかを検討してみてください。

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